テニス グランドスラム(4大大会)って、どこがどうすごいの?
テニスのグランドスラムとは、「全豪オープン」「全仏オープン」「全英オープン」「全米オープン」の4つの大会のことで、日本では「4大大会」ともいわれています。
全英オープンは「ウィンブルドン大会」と呼ばれることも多いですね。
グランドスラムは、普通のツアー大会に比べると何もかもが破格の「すごさ」です。
この4大会は、数あるテニスツアーの中で最も高いグレードに位置し、それぞれが非常に歴史があります。
どの大会も世界中に中継される国際的なスポーツイベントで、もはやテニスという競技の枠を超えたお祭りのような人気を博しています。
今回は、グランドスラムの「すごさ」について、普通のツアー大会との比較をまじえてお伝えします。
この記事の目次
グランドスラムの「すごさ」
すごさ その1「ドローの数が多い」
グランドスラムのドロー数は、男女とも同じでシングルスが128、ダブルスが64。
テニスの国際大会では、最も多いドロー数です。
したがって、グランドスラムのシングルスで優勝するためには7試合連続で勝たなければなりません。
厳しいですね。
これが128ドローのドロー表。
ちなみに、例えば男子ATPツアーのマスターズ1000の大会では48~96ドロー。
ATP250の大会では28~32ドローです。
2018年5月、ダニエル太郎選手がツアー初優勝したATP250トーナメントの「イスタンブール・オープン」は28ドローでした。
すごさ その2「過酷さが半端ない」
ドロー数の多さに加えて、グランドスラムの男子シングルスはすべて5セットマッチで行われます。(女子は他のツアー大会と同じく3セットマッチ)
1試合の時間がかなり長くなる可能性があり、過酷さに拍車をかけます。
特に、セットカウント2-2の最終セットでタイブレークを採用しない場合、つまりゲームカウント5-5以降相手に2ゲーム以上の差をつけなければ勝てないという場合には、なかなか試合が終わらず翌日に持ち越しになることもあります。
2010年の「全英オープン」1回戦、アメリカのジョン イスナー選手とフランスのニコラ ユマ選手の試合はイスナー選手が6-4、3-6、6-7、7-6、70-68で勝利。
3日がかり11時間5分の激闘でした。
この試合は、最終セットの長い長いタイブレークとなりました。下の記事に試合の動画もあります。
すごさ その3「賞金が大きい」
グランドスラムの優勝賞金は、4つの大会それぞれで異なりますが、いずれにしてもすごく大きな金額です。
なおかつ、近年急速に増加傾向にあります。
だいたいいくらぐらいかと言いますと、2018年の「全豪オープン」のシングルス優勝賞金は400万豪ドル、日本円にして約3億5000万円でした。(各大会とも賞金は男女同額です)
画像 : NTD
毎年の最高額は「全米オープン」で、2018年は日本円にして約4億2000万円 !!
他の大会と比較してみますと、男子ATPツアーの「マスターズ1000」の大会では1億から高いもので1億5000万円です。
日本国内における女子の最高峰の大会「東レ・パンパシフィック・オープン」でさえ優勝賞金は約2000万円ですから、グランドスラムの賞金の破格さがおわかりいただけると思います。
すごさ その4「獲得ポイントが高い」
グランドスラムは、世界ランキングを決めるために獲得できる「ポイント」数が一番高い大会です。
優勝すると2000ポイントが付与されます。
準優勝は1200ポイント。一つ下の格付けであるマスターズ1000の優勝よりも高いポイントを獲得できます。
グランドスラムで勝ち進むとランキングも一気に上がるわけですね。
ポイント一覧
・F:finalistの略で、準優勝
・SF:Semifinal(準決勝)の略で、ベスト4
・QF:Quarterfinal(準々決勝)の略で、ベスト8
・R16~R128:ベスト16~ベスト128
すごさ その5「観客動員数が多い」
グランドスラムの観客動員数は大会によって異なりますが、とにかく多くの観客が会場に詰めかけます。
「全豪オープン」と「全米オープン」は、なんと70万人のお客様が来場します。
連日ほぼ満席の全米オープン
画像 : ニューヨーク旅行ガイドブック
「全仏オープン」と「全英オープン」は、ちょっと少なくて50万人弱。
全英オープン会場のウィンブルドン
画像 : インスタグラム
一つ下の格付けである「マスターズ1000」の大会は、15万人から40万人とかなりバラツキがありますが、およそ20万人と見ればよいでしょう。
ちなみに、日本で大人気の「楽天ジャパンオープン」の観客動員数は約8万人ですから、グランドスラムのすごさがおわかりいただけると思います。
すごさ その6「種目が多い」
グランドスラムで忘れてならないのは、種目の多さ。
男女別のシングルスやダブルスのほかに、ミックスダブルス、ジュニアの部、車いすの部が行われます。
そして引退したレジェンドの部なども同時に行われる場合があります。
グランドスラムの種目
車いすの部では、日本の男子の国枝慎吾選手や女子の上地結衣選手が大活躍しています。
国枝選手は、グランドスラムで計41回(シングルス21回・ダブルス20回)優勝というとてつもない記録を持っています。
これはもちろん、男子世界歴代最多。
2018年の全豪オープンでも、3年ぶり9度目の優勝を果たしましたね。今後も目が離せません。
画像 : ausopen.com

日本人の活躍
先ほど、車いすの部での国枝選手の活躍をお伝えしましたが、これまで日本人はグランドスラムでどの位の成績をおさめてきたのでしょうか。
2018年の「全米オープン」女子シングルスで、大坂なおみ選手が優勝しました。これは日本人男女を通じてグランドスラムのシングルス初の優勝です。
決勝の対戦相手は、元世界ランキング1位、グランドスラム優勝23回を誇るセリーナ ウィリアムズでした。
大坂なおみ選手のこの試合の模様は下の記事をご覧ください。
それまでの女子シングルスの最高成績はベスト4。沢松和子選手が1973年の「全豪オープン」で、伊達公子選手が1994年の「全豪オープン」、1995年の「全仏オープン」、1996年の「全英オープン」で記録しました。
一方、日本人男子のグランドスラムシングルスの最高成績は、2014年の「全米オープン」での錦織圭選手の準優勝です。
画像 : THE PAGE
ダブルスの優勝者は6人いらっしゃいます。
日本人で初めてグランドスラムの優勝者となったのは三木龍喜選手。
1934年の「全英オープン」、イギリスのドロシー ラウンドとペアを組んだミックスダブルスでした。
ダブルスといえば、なんといっても杉山愛選手ですよね。
マヘシュ ブパシ(インド)との混合ダブルスで、1999年に「全米オープン」で優勝をしています。
女子ダブルスでは、グランドスラムで実に4回も優勝しています。
1999年「全米オープン」、2000年「全米オープン」、2003年には「全仏オープン」と「全米オープン」を制覇しています。
2003年の「全英オープン」女子ダブルス優勝のペアは、キム クライシュテルス(ベルギー)。
画像 : PRTIMES
グランドスラム2018スケジュール
グランドスラム本戦のスケジュールです。
各大会とも本戦は約2週間にわたって行われ、その前の週に予選が行われます。
最後に、各大会の公式サイトをご紹介しておきましょう。
◆全豪オープンテニス
◆全仏オープンテニス
https://www.rolandgarros.com/en-us/
◆全英オープンテニス
http://www.wimbledon.com/index.html
◆全米オープンテニス
https://www.usopen.org/index.html
「グランドスラム達成」とは?
これまでお話して来ましたように「グランドスラム」というのはテニスの4大大会の総称ですが、もう一つの意味で使われることがあります。
「グランドスラム達成」と言うと、選手生活の中で引退までに「4大大会すべて優勝」という意味になります。
連続で優勝する必要はありませんが、並大抵のことで達成できるものではありません。
これまで達成したのは男子シングルスで8人、女子シングルスで10人。
現在現役で活躍中の選手では、男子ではロジャー フェデラー、ラファエル ナダル、ノバク ジョコビッチ、女子ではセリーナ ウィリアムズ、マリア シャラポアがグランドスラムを達成しています。
画像 : インスタグラム
「年間グランドスラム」というのもあります。
「同一年」に4大大会すべて優勝することで、その達成は非常に難しく、男女を通じてこれまでにシングルスで5人、ダブルス同一ペアで3ペアしか達成していません。
シングルスで最も新しい記録は女子のシュテフィ グラフ、1988年のことでした。男子になると1966年のロッド レーバーまでさかのぼらなくてはなりません。
画像 : インスタグラム
この「年間グランドスラム」と区別するために、普通のグランドスラムのことを「生涯グランドスラム」とか「通算グランドスラム」という場合もあります。
ちなみに、「グランドスラム」というのは、19世紀の初頭に盛んに行われていたコントラクトブリッジというカードゲームの用語で「完全制覇」を意味するのだそうです。
まとめ
グランドスラムの話をまとめて見ると、あらためてその「すごさ」をおわかりいただけたかと思います。すべてのテニストーナメントの頂点ですから当然ですが。
この大会のすごさを頭の片隅に置きながら試合観戦をお楽しみください。
2018年の「全米オープン」では、大坂なおみ選手が優勝し、男子でも錦織圭選手がベスト4まで勝ち残りました。
この二人だけでなく、杉田祐一選手やダニエル太郎選手をはじめとする注目の有望選手たちが出てきたので今後も楽しみですね。
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