テニスラケットの選び方って? テニスギア対談①【動画有】
自分に合ったテニスラケットについて、悩んだことはありませんか?
「これからテニスを始めるんだけど…」
「もっとスピンをかけたいんだけど…」
「私は腕力が弱いのだけれど…」
より良いプレーをすることができるラケットがあれば、今までよりも楽にショットを打って、これまで以上に勝つことも不可能ではありません。
テニスラケットの選び方について、どういう種類のものがあるのか、どのようなことを基準として購入したらよいのかをテニス界のご意見番!? 中居さんに伺いました。
あなたにぴったりのラケットを見つけるヒントにしてください。
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ラケットメーカーによる違い
中居 晃(なかい あきら)さん
大手スポーツ専門店に勤続33年
その間に発売されたラケットはほぼ全て試打し、体にいいもの、テニスが上手くなるグッズを日々探されています。テニスマニアなら押さえておきたい情報満載の「マニアック通信」を2017年まで16年続ける。
河合 幸治 (かわい こうじ)
埼玉のテニススクール「テニススタジオ川口」校長&テニスwebレッスン「テニスライズ」代表
元全日本ランカーにして数々の公式戦に優勝してきた経験から、テニス上達のコツをわかりやすく伝えることに日々燃えています。
今の傾向としては、ラケットメーカーによって、次のような違いに分かれてきています。
BaboraT、Wilson、HEAD系は、フレームを硬くして反発を良くしたスピード系、パワー系のラケットで、YONEX、SRIXON、Prince系は、しなって乗りのいいコントロールを重視したラケットです。
■スピード系・パワー系
■コントロール系
プレースタイルによる選び方
自分のプレースタイルに応じたラケットというものを知ってラケット選択の参考にしてみてください。
どういうフォームでプレーをし、グリップを握っているか、またショットがスピン系なのか、フラットドライブ系なのか、
バックハンドはダブルハンドなのか、スライスなのかなどにもよります。
◆まずは「黄金スペック」を知る
ラケットで今、基本となっているスペック(仕様)としては「黄金スペック」と呼ばれているフェイス面積100平方インチ、重さ300g、フレーム厚25~26mmの中厚のものです。
テニスの学校から |
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1994年に誕生したオールランド競技ラケットのバボラ「PURE DRIVE」。世界的な大ヒットとなったため、このピュアドライブの人気に習い、各メーカーが同様のスペックを主力商品としたことから同仕様が『黄金スペック』と呼ばれています。 扱いやすいタイプで、黄金スペックのラケットは初心者からプロまで幅広く使われています。 女子には、少し重い重量なので要注意です。といっても、300gは慣れることのできる範囲だと思います。 |
「黄金スペック」を基準として、それよりも少しハードヒットしたいという方は
フェイス面積が95~98平方インチ、フレーム厚は少し薄めで。 重さは、少し重めの310~315gのものを。 |
フェデラーは、340gのものを使っています。重いですが、打ってみるとラケット重量が重いなりの重いボールが打てるので、大振りしない方にはこういう重めのラケットもいいです。
これで、ビュンビュン打てれば最高にいいですが、なかなかそうはいきませんが。
ご自身のプレースタイルに合った面の大きさ、重さ、フレームの厚さのものを選んでいただきたいと思います。
◆パワー系のラケットが合う方
プレーヤーの年代、テニス歴、プレーをする頻度にもよって差があると思いますが、パワー系のラケットが合うのは次のような方です。
□グリップをやや厚めに握る
□体の回転でスピンを打つ
(パワーが出るラケットということは、飛びやすくなります。ボールの弾道がスピンではなく、昔からテニスをやっていたような40~50代の年齢の方に多い、薄いグリップでフラットに押し出すような打ち方では飛距離が長くなり、バックアウトしてしまいます。)
◆パワーのない方に合うラケット
パワーのない次のような方には、楽に飛ばすラケットが合います。
□これからテニスを始める方
□年齢を重ねてきてパワーがなくなってきている方
□非力な女性など
今のラケットは、ラケット自体で十分パワーを補えます。
ある程度、コントロールをする実力のある方ならば、相手に打たせて面を作って返していく省エネプレーをしやすい、軽量でフェイスの大きめのものがおすすめです。
こういったタイプのラケットは、遠心力が使えるようバランスポイントがラケットヘッドの方が重くなっています(トップヘビー)。
バランスポイントとは バランスポイントは、ラケットの重心がどこにあるかということです。 一番多いのが、グリップエンドから320mmのバランスのラケットです。 それよりも、重心がトップにあるラケットを「トップヘビー」と呼びます。 トップヘビーなラケットは遠心力で楽にラケットを振ることができます。
グリップ側に重心があるものを「トップライト」と呼びます。 トップライトなラケットは操作性が良く、自分の力でスイングしてボールを飛ばせる方向けなので、上級者用のモデルに多くみられます。 |
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グリップサイズ、形状について
同じラケットであっても、グリップのサイズや形状によっても違った印象となります。
◆グリップサイズ
通常のサイズは、1,2,3のサイズです。
4は、最近メーカーが作らなくなってきています。
リストワークを多く使う選手が増えて、大きい手の選手でも細いものを使ってリストで打つようになってきています。
たとえば、ナダル、フェデラーが2、フェレールが1を使っています。
男性の平均は2、女性の平均は1を目安に選んでもらって、実際に使う時にはそこにオーバーグリップテープを巻くことで「1グリップ分」太くなります。
◆グリップ形状
HEADのものは、一部のグリップが扁平な形となっています。
プレステージやラジカルといったモデルは、扁平なためコンチネンタルグリップで握りやすい形です。アンディ・マレー選手が使っています。
HEADの中でもスピードのモデルは、他のメーカーと同じ正八角形に近いラウンドタイプとなっていて、ノバク・ジョコビッチ選手が使っています。
HEADのグリップは、パレットでできていて、はめ込み式となっているので、扁平型と丸型の違う形状のものに変更できます。
グリップサイズの変更も可能です。
その場合、テニスショップを通してメーカーで変更するといったカスタマイズができます。(ショップが受けてくれるところなのかは確認が必要)
ストリングパターンについて
ストリングパターンとはストリングの縦糸と横糸の本数のことで、大きく分けて3通りあります。
◆16×19 ノーマル
◆18×20 細かい
ジョコビッチ選手のラケットで使用しているパターンです。
細かいので、ボールをつぶす効果があります。
上級未満のアマチュアの方では、なかなかボールをつぶすことができないので、あまり適していないかもしれません。
細かいことのメリット♪
・ハードヒットしても、ガットがなかなか切れない
・上級者ならば、ミスショットをした時に、どこで打っているか(芯で打っているか、芯を外したか)がすごく明確になるので自分でわかりやすい。
◆14×16 粗い(現時点)
粗いことのメリット♪
初中級の方ならば、スピンやスライスの回転をかけやすくなります。
(ただし、すぐにガットが切れるので、ラケットに頼らずに自分の実力で回転をかけられる方には向いていません。)
◎スピンがかかる原理
高速カメラによる進化によって、最近わかってきたのが「スピンがかかる原理(スナップバックの原理)」です。
ボールがストリングとコンタクトした時にどれ位ストリングがずれて、そこから戻るのかということです。
スナップバックの幅が大きいほど、また元に戻るスピードが速いほどボールのスピン回転量が多くなります。
縦糸が動くことによって、スピンがかかり、横糸を抜くことで縦が動きやすくなります。
このスナップバックを利用して、ガットがずれやすいようにラケット面のガットの本数を従来のラケットより少なくすることで、交差している箇所の摩擦を少なくしたのが粗いストリンパターンのラケットです。
フレーム形状の違い
ラケットのフレームを輪切りにした時の形状には、大きく分けて、断面が丸みを帯びた中空のラウンドタイプと、断面が四角いボックスタイプがあります。
ボックスタイプといえば、昔のプロスタッフ、グラファイトといった「詰まっている!」というようなラケットがありました。
・ボックス型はグッとのせて運ぶ重いスライス系ボールに〇
スピードよりもコントロールが勝負の方向け。打感としては、球離れが遅いのでグッとボールをホールドして、のせて運ぶ打ち方で重たいボールが打てます。
ゆっくり打っても、ボールがのっている感覚なのでスライスに向いています。
・ラウンド型は早く振るスピン系ボールに〇
ラウンド型は、たわみづらいので、球離れが早く、バーンと弾くスピード系のボールが打ちやすいです。早めに振って、引っ掛けてスピンをかけて打つ方に向いています。
YouTube『テニスの学校』テニスギア対談①
まとめ
テニスマニアの中居さんにテニスラケットの選び方についてお聞きしました。
ラケットを選ぶ時には、「フェース面積」「重さ(静的重量)」「フレーム厚」「グリップサイズ、形状」「バランス」「ストリングパターン」「フレーム形状」などの選ぶ基準となる項目があるので、目指すプレースタイルに応じたラケットを選びましょうとのお話でした。
同じモデルのラケットでも1本1本個体差があります。今回のお話では、出てこなかった「スイングウェート(動的重量)」もチェックしたい項目です。自分に向いているものが、何なのか一つ一つの項目の条件を少しずつ変えたものをテニスショップで試打ラケットを借りるなどをして、価格やデザインからだけではない選択をしていただきたいと思います。