知っておきたい「サーブ」の基本知識、ルール、マナー
この記事では、サーブについての基本的な知識やルールについてお伝えします。
初心者だけでなく、上級者でも、サーブについて知らなかった知識やルールを覚える機会となるはずです。
どのような時にフォールトとなるのか、特に、無自覚でやりがちなフットフォールトについては多くの画像を用意しましたので、ご自身のプレーを確認してみてください。
また、テニスにはお互い気持ちよくプレーするために、ルールブックには載っていないマナーがあります。
自然と覚えていくものですが、意外と知らない方もいると思いますので、サーブにまつわるマナーも紹介します。
この記事の目次
サーブの起源
テニスでゲームをする時に、最初に打つショットを「サーブ」と言います。
「サービス」という言い方もします。この「サービス」という言葉がどうして使われるようになったのか?は、テニスの上級者でもご存知ない方が多いようです。
11~12世紀のフランス貴族が考案した「ジュ・ド・ポーム」が起源とされています。
二人がペアとなって、どれだけ長くラリーを続けられるかを競ったゲームでした。最初のショットは、コートの外にいる召使いが最初の一球目を投げて、それを打つところからスタートするというルールでした。
画像 ウィキペディア
この召使いが投げる球を召使いを意味するフランス語の「service」と呼び、そこからテニスの「サービス」という用語が生まれたと言われています。
日本テニス協会が発行しているルールブックにも「サービス」という言葉になっています。
けれども、海外のテニス試合中継やYoutubeの海外サイトのテニス動画ではserviceではなくserveとしています。
ふだん使うテニス用語としてもサーブと言う人が多いですが、この後で説明している他の用語でもサーブとサービスが混在しています。
この記事では、サーブを基本として使用します。
テニスの歴史について、もっと知りたい方はこちらをどうぞ
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テニス用語、ルールについて
サーブについて
「サーブ」は、「手でボールを空中に上げ、着地するまでにラケットで打たなければならない」という決まりがあります。
サーブを打つ人は「サーバー」です。サーブを受ける人は「レシーバー」と言います。
サーバーが打つところからゲームは始まる
サーブは、必ずサーバーがベースラインというコートの一番後ろの線の外から打ちます。一度ボールを空中に投げ上げる「トス」をしてからラケットでボールを打ちます。
「トス」を上げることを「トスアップ」と言います。
トスアップの時のポーズの時の名称で「トロフィーポーズ」と呼ばれるサーブを打つ動作の流れの中でのポーズがあります。トスした後にボールを下から見上げて膝をしっかり曲げて、ジャンプする手前のポーズです。
トロフィーポーズ
■サーブはどこから打って、どこへ入れたらOK?
トスをしてサーブを打ったボールは、ネットを越えた対角線上の相手の「サービスコート」という、センターラインとシングルスサイドライン、サービスラインの線で囲われたエリアの中にノーバウンドで入れます。(右、左のエリアごとにライトサービスコート、レフトサービスコートという言い方もします。)
最初は、右側のデュースサイドからライトサービスコート(青色部分)に打ちます
(奇数ポイントは右側)
デュースサイドからのサーブ
次は、左側のアドバンテージサイドからレフトサービスコート(青色部分)に打ちます
(偶数ポイントは左側)
アドバンテージサイドからのサーブ
1ポイントごとに左右を入れ替えて打ち、これを繰り返して、基本的には4ポイントを先取した方がゲームを取れます。
※サーバーから見て、自分のコートのサービスセンターラインから右側が「デュースサイド」、左側が「アドバンテージサイド」と呼びます。
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サーブを打つ順番は?
テニスのゲームは、一方のプレーヤーがサーブを打つことから始まりますが、どちらがサーブを始めることができるか?の順番を決める方法を説明します。
サーブを打つ権利の決め方は、ウォームアップ前に行い、次のようなものがあります。
■「コイントス」~試合前にコインを上げて裏表で決める方法
■「ラケットトス」~ラケットヘッドを地面につけて回し、倒れたラケットのグリップエンドマークが上を向いているか下を向いているかで決める方法
買ったばかりのラケットを傷つけない、クレーコートで汚れてしまいそう…などの理由で、ラケットトスを地面ではなく、空中でラケットを回した後、グリップエンドを隠した状態で相手に向けるというやり方をしている人もいます。
グリップエンドのメーカーマークの向きを選ぶ
トスで勝ったプレーヤーがサーブ、レシーブ、コートのいずれかを選択できます。もう一つあまり知られていないし、選択することも少ないのですが、選択権を譲るという選択もできます。
トスの勝者がサーブかレシーブを選んだ場合はトスの敗者はコートサイドを、勝者がコートを選んだ場合は、敗者はサーブかレシーブか自分の好きな方を選ぶことができます。
1ゲームが終了するごとに、サーバーとレシーバーは入れ替わります。
サーブを打つ権利の決め方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ
■ダブルスの場合
サーバー、レシーバーともに、ペアのどちらのプレーヤーが先にサーブをする、レシーブをするかの順番を決めます。
(第1ポイントでサーブ・レシーブする側をデュースサイド、第2ポイントでサーブ・レシーブする側をアドバンテージサイドと呼びます)
この順序は、セットが終了するまで変更できません。
フォールトになる場合は?
どのボールであれば、サーブが成功となり、どのサーブならば失敗となるかについて。
〇がサーブ成功、×はフォールト
サーバーは、1ポイントで2度サーブをすることができます。
エリアのラインにボールが少しでもかかっていれば「イン」です。
1度目のサーブは、「ファーストサーブ」です。正しいサービスエリアに入らなかったら「フォールト」となりもう一度打てます。
2度目のサーブは「セカンドサーブ」。こちらも、また入らなければ「ダブルフォールト」となり失点となります。
そのほか、サーブをしようとして空振りになった時もフォールトとなります。
レット、フォールトの違いは?
「フォールト」と紛らわしいものに「レット」があります。
(ボールがネットに当たってしまった場合は)
■相手のサービスコートに入れば「レット」となり、やり直して打つことができます。
レットについて 「レット」とは、プレーのやり直しのことです。 サーブの「レット」の場合は、何度でもやり直しすることができます (セカンドサーブの場合は、セカンドサーブのみのやり直し)
一般的には、「ネット」とだけ言っている場合が多いですが、本当は
という順番になります。1→2までの時間がほとんどないこともあって省略してセルフジャッジでは「ネット」とコールしている場合が多いです。 |
サーブのレットコールの権利は、レシーバー側のみです。サーバー側が誤ってコールすると失点となります。
×はフォールト、△はレットでやり直し
■相手のサービスコートに入らず自分のコートに落ちた場合は「フォールト」です。
(ボールがポスト(支柱)に当たった場合は)
■相手のサービスコートに入っても「フォールト」です。
(サーバー側の人に当たった場合は)
■サーブをした本人に当たった場合、またはダブルスのペアに直接当たるか、着衣、ラケットに触れた時も「フォールト」です。
■レシーバーが用意していないのにサーブしてもレットです
サーブは、レシーバーが準備できているのを確認してから打つこととなっています。相手に構わずに自分のリズムでさっさと打とうとする人がいたり、隣のボールがサーブを打つ時に入ってきてレシーバーが構えをやめたりする場合があります。
レシーバーがレディポジション(サーブを打つ準備)をしていないのに、サーバーがサーブを打った場合、レシーバーは「ノットレディ(まだ準備できていない)」とコールができて、サーブのレットとなります。
(セカンドサーブの場合は、サーバーはセカンドサーブからの打ち直しになります)
気をつけたいフットフォールト
男性によく見られるのが、サーブの際の「フットフォールト」です。
強いサーブを打ちたいとの現れでしょうか? 中には最初からベースラインを踏んでいる人もいます。
審判がついている試合であれば、足の位置だけで、フォールトを取られることになります。(サーブが入らなかったのと同じ扱いとなります)
とはいえ、ふだんはセルフジャッジ(審判がつかないでプレーヤー同士が判断する)の試合が多いと思います。
セルフジャッジでは相手側のコートをジャッジできない為、相手のプレーヤーを疑わしいと思っても「フットフォールト」とコールできませんが、フットフォールトはやってはダメです。
どのような場合がフットフォールトとなるのかについて、まとめました。
(具体的なフットフォールトの例)
■ベースラインまたはその内側のコートを踏んでいる
ベースライン、踏んでいますNG!!
踏んでいないので、OK!
■サーブの時に、ジャンプをして打つのは?
打った後であればベースラインを踏んでも、中に入ってもOKです。
ジャンプして打った後に越えるのはOK!
空中で打っているのはOK! バレーボールのように助走をつけてジャンプするのはフットフォールトです。
■センターマークを乗り越えている
シングルスプレーヤーの方に見受けられる例です。
センターマーク越え NG!!
これもセンターマーク越えで、NG!!
センターマークを越えた後に足を引いても、NG!!
センターマークを越えていない、OK!
■サイドラインの延長上より外側
鋭角なコースを狙って、コート外側から打っていませんか?
サイドラインの延長線上より外側も、NG!!
こちらに公式規則をまとめました。
フットフォールトの公式規則 サーバーは、サービスのモーション(開始から終了まで)の間、 しかし、足を少し動かすぐらいは構わない。 |
そのほか、サーブ用語
サーブが相手から返ってこずにポイントが決まった場合は「サービスポイント」、相手がラケットでサーブのボールに触れることができなかった場合は「サービスエース(ノータッチエース)」と言います。
「サービスキープ」は、サーバーが自分のゲームを勝ち取ること。
「サービスダウン」は、サーバーが自分のサーブのゲームを相手に取られること。
「サービスブレイク」は、相手のサーブを打ち破ること。
こんなに楽にサーブって打てるんだ!サーブを身につけるには…>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方はこちら
サーブにまつわるマナー
ルールには触れなくても、マナーとして、それは違反だよ~と思われるようなことがあります。
暗黙のうちの常識となっていて、改めて教えてもらう機会もないまま、試合でやっているかもしれません。よくある例を挙げます。
① サーブのトスを何度もやり直しした時(サーバー側)
ルール上は、何度でもやり直しはOKです。
風が強かったり、まぶしかったりしてトスが上げにくいことがあります。
1度のポイント内では、2~3度位までとしたいところです。1ポイントに何度もやり直したり、1ゲームに何度もしてしまったりした場合は、相手に謝りましょう。
ゲーム中のトスのやり直しは、なるべく少なくするようにしましょう。
トスが苦手な方は、こちらを参考にしてください。
風が強い、まぶしいといった時には、クイックサーブが打てるといいですね。こちらを参考にしてください。
② 相手がサーブをフォールトした時(レシーバー側)
相手がフォールトしたボールへの対処方法です。
ファーストサーブとセカンドサーブの間は、故意に間を空けないようにレシーバー側は配慮します。
■基本的にはネットにかける
その後のプレーに影響がでるところに置いてしまうと、どかしに行くことで間が空いたり、プレー途中で邪魔になったりすることになるからです。
余裕があれば、自分のコートの後ろに置くかポケットに入れるようにしましょう。
フォールトしたボールが隣のコートまで行ってしまったような場合は、状況にもよりますが、すぐには取りに行かずにボールの行方だけはしっかりと確認しておいて、まずはセカンドサーブを打たせるようにします。
■返球してしまったら
たまに見かけるプレーですが、相手のサーブをフォールトとわかっているのに思いっきり強打して返球するような人がいらっしゃいます。
フォールトなのに返球してしまった時は、相手に謝りましょう。
■ボールを渡す時
相手がフォールトしたボールをサーバーに返す時は、状況によって色々なマナーがあります。相手が自分の方を見てから渡すようにするのが基本です。
(ネット近くの場合)
フォールトした相手が引っ掛けておいたボールが自分の方が近いようであれば、拾ってあげて手渡しで渡します。取ってもらった方は、お礼を言いましょう。
(遠くの場合)
相手のところへは手で投げるか、もしくはラケットで打って返してもOKです。「ボール行きます」と声をかけてから返球します。
(ダブルスの場合)
ダブルフォールトになった場合などで、レシーバーの二人がそれぞれボールを持っている時は、まずはサーバーから遠い人から返すようにします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
テニス初心者から上級者まで、サーブについて改めて知っておくべきことをまとめました。
これで、サーブにまつわるテニス用語は、大体紹介しましたので、テニストークで困ることはないでしょう。
また、試合をするならば、ルールは知っていなければいけませんし、マナーは互いに気持ちよくプレーするために知っておきたいことです。
基本知識を覚えて、楽しくプレーしましょう。