詳しく解説! 硬式テニスのポイント(得点)の数え方
テニスを始めた方、テニスを観戦し始めた方に、硬式テニスのポイント(得点)の数え方をお伝えします。
硬式テニスのポイント(得点)の数え方は「ラブ・フィフティーン」とか「アドバンテージサーバー」とか、
一見複雑に見えますが、基本を知ってしまえば簡単です。
大会に参加するとセルフジャッジのことも多いですよね。そんなときもコールに迷うことはありません。
数え方だけでなく、そういうカウントの仕方になったいきさつなどもご紹介します。
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この記事の目次
ポイント
テニスは、2人または2組のプレーヤーがネットを挟んで1つのボールをラケットで打ち合う競技です。
互いに得点の取り合いをしながら、ポイント⇒ゲーム⇒セット⇒マッチと進んで勝敗を争います。
得点を数えるのを「カウント」といい、書かれたものは「スコア」といいます。
「ポイント」とは、1つのプレーで入る得点です。得点の最小単位となります。
シングルス(男子、女子)・ダブルス(男子、女子、ミックス)と2種類の競技がありますが、ポイントに関してはほとんど同じです。
ポイントの取り方
得点の最小単位である「ポイント」は、1つのプレーでの結果です。
たとえば、
・自分が打ったボールが相手コートに入らないと、相手のポイントになります。
・サーブを2回、失敗しても相手のポイントです。
上記のようなプレーによって、ポイントが加算していきます。
ポイントの数え方
テニスでのポイントは0、1、2、3ではなく、ラブ(0)、フィフティーン(15)、サーティー(30)、フォーティー(40)、ゲームと数えます。
ポイントを4つ先に取ると⇒1ゲーム獲得で、次のゲームはまた0から始まります。
なぜ、ポイントの読み方はややこしい!?
テニスの原型とされるのは、11~12世紀頃にフランスの修道院で行われた「ジュ・ド・ポーム」であったとされています。手のひらでボールを打ち合っていたのが、16世紀にはラケットで打ち合うようになったそうです。
フランスの修道院で考案されたとされるテニスの原型
画像 テニスの歴史と特徴
15世紀の本には、すでに「15, 30, 45」と15ポイント制のカウントをするのかとの疑問に対し、その理由がわからなくなっていたそうですので、現在も諸説はありますがわかっていません。
テニスの歴史について、もっと知りたい方はこちらをどうぞ
なぜ、ポイントの読み方はややこしい!?
■30の次が40となるのは?
いくつか説があるのですが、テニスが流行した頃の中世ヨーロッパでは 60進法 が一般的だったため4ポイント先取でゲームの勝敗が決まるルールのため60を4分割し0、15、30、45としたとの説があります。
また当時のフランスで、コインの最小単位は15スー。「ジュ・ド・ポーム」は賭けの対象となり、15×4ポイント取って60スーとなったら、その上の単位のドゥニエ銅貨となったという説です。(60スー=1ドゥニエ)
ほかに、修道院の生活が15分単位であったからなど、諸説があります。
45の呼び方については、競技が英国に伝わったときに、「フォーティーファイブ」で長いため「40フォーティー」としたとの説があります。
「0ラブ」については、形が卵に似ていることから、フランス語の卵の「l’oeuf」から英語の「love」なったという説と「love」にはかつて「何もない状態」という意味があったという説があります。
60進法の時計をイメージすると、カウントがわかりやすくなります。
時計が一周すると、1ゲームが終了します。
実際のゲームの例を時計の文字盤で説明します。
下の図は、長針がサーバー(2ポイント)で短針がレシーバー(1ポイント)とした場合のポイントで、カウントは「サーティー・フィフティーン」となります。
テニスでは、サーブを打つ人を「サーバー」、サーブを打ち返すプレーを「レシーブ」と言い、レシーブをするプレイヤーを「レシーバー」と言います。
サーバーとレシーバーは1ゲームごとに交代します。
サーブとは何?、サーブのルールについて知りたいという方は
カウントを言うときは、サーバー側の得点を先に言います。(審判がいる場合は、審判が言いますが、いない場合はサーバー側が相手に聞こえるようにはっきりと言います。)
カウントを言うことは、「コール」するという言い方をしますので、先ほどの例でいうと レシーバーから「すみません!今のカウントはいくつですか?コールが聞こえませんでした。」というのに対して、サーバーが「サーティー・フィフティーン」ですと答えることがゲーム中にあります。 |
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ゲーム
ゲームの取り方
4ポイント取ると1ゲーム獲得となり、6ゲーム取ると、1セット獲得となるのが基本です。
実際の例
同じ点数の場合は「オール」と言います。
互いに1つずつポイントを取った場合は、15-15となりますが、このときのコールは、「フィフティーン フィフティーン」ではなく、「フィフティーンオール」と言います。
その後、30-30と並んだら「サーティオール」
で、40-40と並んだら「フォーティーオール」ではなく、「デュース」と言います。
デュースの場合
3ポイントずつになると「デュース」と言います。
「デュース」になった場合は、2ポイント差を付けた方がゲームを取れます。
つまり、2ポイント連続でポイントを取ったらそのゲームを制することができるのです。
デュースは、2ポイント差がつくまで何回でも続きます。
「アドバンテージ」とは有利な状態つまり、デュースになった後、あと1ポイントでゲームを取れる状態のことです。
サーバー側が有利なときは「アドバンテージサーバー」
レシーバー側が有利な状態のときは「アドバンテージレシーバー」
と言います。
上の例の場合、1回デュースとなりましたが、2ポイントの差をつけたサーバーがこのゲームを取りました。
デュースは、試合が長引いてしまうので、進行を早めるためにデュースを使わない場合もあります。ふだんのサークルや友達同士の練習の場合は、「ノーアドバンテージ」という方法でやることが多いと思います。
大会の場合は、主催者が「アドバンテージ方式」(3ポイントずつ取った後「デュース」となる)を採用するのか、「ノーアドバンテージ方式」を採用するのかを決めます。
ノーアドバンテージ方式であれば「デュース」とはならずに、4ポイント目を取ったプレーヤーがそのゲームを獲得できます。
この場合、レシーバーには、左右どちらのサイドでレシーブするかの選択権があります。
審判がいる場合でしたら、「Deuce. Deciding Point, Receiver’s Choice.」とアナウンスし、レシーバーに5秒以内にレシーブサイドを選択させることとなっていますが、いない場合は「デュースです。どちらのサイドで(ダブルスの場合は、どちらが)レシーブしますか。」とレシーバーに聞くようにします。
そのポイントを取った方がそのゲームを獲得することができます。
(ミックスダブルスの場合は、サーバーとレシーバーは同性とされています。)
ゲーム数の数え方
「ゲーム」は、ポイントと違った表示やコールの仕方となります。
0(ラブ)⇒1、2、3、4、5、6と順番に表示されます。
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セット
セットの取り方
ゲームを6つ先取すれば、1セット獲得となります。
AさんとBさんの対戦例です。
第1セット
ゲームカウント6-3でAさんがセットを勝ち取りました。
コールは、「ポイント」とは違い、「ゲーム」の場合はリードしている側を最初に、負けている側を次に言います。
5-5となった場合
ここで、難しくなるのが互いにゲームを取って競っている場合です。
5-5となったら、「2ゲームを先に取ったら、1セット」というルールです。
つまり5-5になった場合は、「6-5」⇒「7-5」にしないと1セット獲得できないルールなのです。
6–6となった場合
そして、6ゲームずつで並んだ「6-6」の場合は、「ポイント」の時のように2ゲーム差が付くまで、何ゲームも戦い続けるのではなく、「タイブレーク」に入ります。
タイブレーク
「タイブレーク」は、2ポイント以上の差をつけて7ポイント以上取れば、勝ち取れます。
タイブレークのポイントは1,2,3・・・と数えます。
AさんとBさんの対戦例です。
サーバーがゲームを取ったときは「キープ」といいます。 「K」はKeepのKです。 レシーバーがゲームを取ったときは「ブレイク」といいます。 「B」はBreakのBです。 |
タイブレークの結果、8対6でBさんが取りました。
タイブレークを取って、勝利するとそのセットの結果は、ゲームカウント「7対6」と表記されます。
「タイブレーク」の場合は、取ったプレーヤーを7と書きセットを取られたプレーヤーのタイブレークでのポイントを右上に小さく書きます。
右上の数字が0~5のときは、タイブレークを取ったプレーヤーは7ポイント。
右上の数字が6以上のときは、タイブレークを取ったプレーヤーは右上の数字プラス2ポイントと分かります。
試合結果を見て、2ゲーム以上差がついてないのはおかしい!と思われるでしょうけれども、これはタイブレークが行われた場合にのみの例外的な表記です。
セット数の数え方
「セット」も「ゲーム」と同じく、順番に表記していきます。
テニスの試合には、セットではなく、8ゲームマッチ方式(8ゲームズプロセット)という試合方式もあります。
8ゲームマッチ方式=2ゲーム以上の差をつけて8ゲームを先取した方が勝利する試合方式
8-7になった場合は、もう1ゲーム行い9-7となれば9ゲーム取った方が勝利する。 8-8になった場合は、タイブレークを行いタイブレークを取った方が9-8で勝利する。 大会によってタイブレークは、7ポイントと10ポイントの場合があります。 |
マッチ
「マッチ」とは試合のことです。
主催者が決めた既定の「セット」数を先に取った方が試合に勝つこととなります。
アマチュアが一般に出る試合では、1セットのみの試合が多く、時間短縮のため、セットではなく6ゲーム先取の場合もありますので、試合に出る場合は試合要項をしっかり確認しておきましょう。
プロの試合は、3セットマッチや5セットマッチで行われています。
3セットマッチ
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2セットを先取した方が勝ち
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主に女子シングルス、ダブルスで使われる形式
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5セットマッチ
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3セットを先取した方が勝ち
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主に男子シングルスの試合で使われる形式
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3セットマッチでは、先に2セット取ったプレーヤーが勝ちです。
(3セットを先に取った方が勝ちではありません。)
最大に行うセット数が、3セットになるという意味です。
グランドスラムの(世界4大大会で全豪オープン、全仏オープン、全英オープン、全米オープン)男子シングルスは、5セットマッチですので3セット取って、ようやく勝者となれます。
(最長時間記録 2010年全英オープン 男子シングルス1回戦のジョン イスナー(米国)対ニコラ マユ(フランス)は、イスナーが6─4、3─6、6─7、7─6、70─68で3日がかりの激闘を制した。11時間5分で決着しました。)
全英オープンの最終セットはタイブレークではなく、2ゲームの差がつくまで行われます。
まとめ
テニスの得点の数え方は、変則的でなぜ?と思われることも多いと思われます。
テニスは、古くから愛されている競技で、中世ヨーロッパで、すでにテニスの原型とされる「ジュ・ド・ポーム」が楽しいゲームととして大流行していたものだそうなので、よくわからなくなってしまっています。
ポイント、ゲーム、セット、マッチという一つひとつの言葉の言い方や数え方を覚えていって、テニスのプレーや観戦に役立ててください。