テニスラケットの握り方 グリップでストロークのパワーが変わる!【動画有】
テニスのストローク上達をめざす上で、重要なのはラケットの握り方(グリップ)です。
「グリップ」とは、つまりどのようにラケットを握るか、ということ。
こちらの記事では、ストロークの時の4種類の握り方(グリップ)について詳しく画像とともにそれぞれの特性について説明します。
グリップの握り方に絶対というのはありませんが、グリップにあったプレースタイルをすることで打ちやすさが変わってきます。
ラケットが木製の時代とは違って、現代の高反発のラケットでは速く鋭いボールを打ち、スピンをかけられることが可能です。
振り切って、トップスピンを最適な量かけてコートに収めることが基本の技術となっていますので、そのスイングを体得するためには「セミウエスタンかウエスタングリップ」を基本として練習していきましょう。
グリップには様々な長所、短所があり、全てに適したグリップはありません。自分のグリップの特性を理解してプレーしていきましょう!!
グリップの基本をマスター
フォアハンドストロークやバックハンドストロークにおいて、グリップが「厚い」とか、「薄い」とかいう言い方を聞いたことがあると思います。
グリップの握り方に絶対というのはありませんが、グリップにあったプレースタイルをすることで打ちやすさが変わってきます。
テニスの基本的な握り方は、手のひらの中で長く斜めにグリップ部分を握ります。
グリップには大きく分けて、「イースタン・グリップ」「コンチネンタル・グリップ」「ウエスタン・グリップ」「セミウエスタン・グリップ」の4種類があります。
ラケットのグリップの8角形のどの面を手の平の斜めの線に合わせるかで、グリップの名称が変わります。
以下、それぞれのグリップの握り方、特徴と打点についてご説明します。
フォアとバックのストロークの基本になる握り方のチェック法をご紹介しますが、基本のグリップから多少ずれることはまったく問題ありません。
必ずそこに位置していなければいけないわけではないので、基本の位置を確認してそれにそったスイングを心がけてください。
(個人差がありますので、あまり気にせずにしっくりするところで握るように。)
グリップには様々な長所、短所があり、全てに適したグリップはないのです。
たとえばグリップによって
・スピンがかけやすい!
・高い打点で力が入りやすい!
・低い打点が打ちやすい!
・リーチが広い!
といった違いがあります。
自分のグリップの特性を理解してプレーしていきましょう!!
手のひらで位置をチェック
手の平の人差し指の付け根から一番近い部分(ポイントA)と小指の付け根部分から一番遠い部分(ポイントB)をグリップに合わせて握ることで、正確なグリップのチェックができます。
どのグリップの時も小指の方から順に握っていくようにします。
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フォアハンドストロークのグリップの握り方
コンチネンタルグリップの握り方
(握り方)
親指と人差し指の間のV字を作って、ポイントAを面②に合わせてからポイントBを面②にあわせる。一般に「包丁を持つような握り」とか、「薄い握り」と言われています。
ポイントは、人差し指と中指の間隔を空けることです。
(長所)
ワングリップでフォアとバックが握り返さずに打つことができますし、サーブ、スマッシュ、ボレーの時にも握り返さずに打つことができます。
フォアハンドのスライスが打ちやすいですが、パワーヒットは打ちにくいです。
(短所)
フォアハンドストロークでコンチネンタルグリップを使うと、打点が体のほぼ真横になるので、力が入りづらくストローカーには向いていない。
イースタングリップの握り方
(握り方)
角②にポイントA、面③にBをあわせます。
左手でラケットを持ち、右手を広げてラケット面と平行になるように手の平をストリングにつけて、握手をするようにグリップを握ります。
そのままグリップエンドまで右手をスライドさせ、グリップを握ります。
(長所)
ラケット面と手のひらの向きが同じになります。
手のひらでボールを打つ感覚に近いため、始めたばかりの方には打ちやすい握り方です。
(短所)
回転がかけにくいため、トップスピンなど回転系のボールが打ちにくい。高い打点のボールに対しても力が入りにくいです。
セミウエスタングリップの握り
(握り方)
イースタングリップとウェスタングリップの中間的な握りで、現代テニスにおいて最も標準的な握り方です。
ポイントA を角③に合わせてからポイントB を面④にあわせます。
(長所)
膝下から肩口の高さまで広い範囲でパワーを伝えやすい。力が入れやすく、トップスピンにもフラットにも力強く打つことができます。 球種も打ち分けやすい。
(短所)
肩口から上のショットで力が伝わりにくい。ウエスタンに比べスピン量は減りやすい。
ウエスタングリップの握り方
(握り方)
ラケット面を上向きにして地面に置き、そのままグリップを真上から握る形です。ポイントA を角④に合わせてからポイントB を面⑤にあわせます。
(長所)
腰から頭の高さ程度まで力が入りやすい。下から上のスイングをしやすいのでトップスピンがかけやすく、高い打点でボールをたたきやすくなります。
ひとつの握り方で、ソフトテニスのようにフォアもバックも両方打てます。
(短所)
フラットショットが打ちにくい。膝下の低いボールや短いボールへのショットが打ちにくい(持ち上げにくい)。
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薄い握りから厚い握りへ変える
これまで薄い握りのコンチネンタルやイースタンでいた方が、速くて重くなってきた「現代テニス」のストロークに負けないようなボールを打つために、厚いグリップへと変えたいときに役に立つ動画をご紹介致します。
厚い握りに変えることで、ボールをとらえた時にラケット面の後ろからしっかり支えてあげることができるようになります。
また、フォアハンドストロークでスピンショットをイースタン、セミウエスタン、ウエスタングリップで握って打った動画もあります。
横から、後ろからと分割画面による対比、スローモーションにより、違いを見比べてみてください。
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片手バックハンドストロークの握り方
現在のバックハンドストロークは、錦織圭やジョコビッチ選手のような両手打ちで打つグリップが主流となっています。
安定していて、高い球にも攻撃的に打てるといったメリットがあります。
しかしながら、昔のテニスの名選手である、エドバーグ、マッケンロー、さらにサンプラスに憧れていた・・・。もしくは、現在のワウリンカやティームといった片手バックハンドストロークでハードヒットできる選手が活躍していることで、カッコいい片手打ちをやってみたいという方も増えているようです。
片手打ちは、リーチが広がるだけではなく、バリエーションが広がりプレーに幅がでる打ち方です。
片手バックハンドストロークの場合、打つボールがスピンかスライスとなります。
そこでグリップチェンジをするかどうかが問題となります。握り変えずに、どちらもコンチネンタルで打つという方法もありますが、ある程度腕力が必要となるので、女性やジュニアにはあまり適さないです。
基本的には、厚い当たりでしっかり打つトップスピンには、セミウエスタンかウエスタングリップ、スライスにはコンチネンタルグリップに握り返して打つというのが現在一般的な打ち方となっています。
手の平基本チェック位置
フォアハンドの場合と同様に、正確なグリップのチェックをしましょう。
手の平の人差し指の付け根から一番近い部分(ポイントA)と小指の付け根部分から一番遠い部分(ポイントB)をグリップに合わせて握るようにします。
小指の方から順に握っていきます。
片手打ちコンチネンタルグリップの握り方
(握り方)
親指と人差し指の間のV字を作って、ポイントAを面②に合わせてからポイントBを面②にあわせる。
一般に「包丁を持つような握り」とか、「薄い握り」と言われています。ポイントは人差し指と中指の間隔を空けることです。昔の選手が使っていた打ち方です。
(長所)
ワングリップでフォアとバックが握りかえさずに打つことが出来ます。スライスが打ちやすいです。
(短所)
トップスピンを打つには向いてない。強打するには前腕の力が必要になります。
スライスが使えるとテニスの幅が広がる!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
片手打ちイースタングリップの握り方
(握り方)
角①にポイントA、角①にBをあわせます。
左手でラケットを持ち、右手を広げてラケット面と平行になるように手の平をストリングにつけて、握手をするようにグリップを握ります。
そのままグリップエンドまで右手をスライドさせ、グリップを握ります。
(長所)
ラケット面と手のひらの向きが同じになります。現代の片手打ちの選手では使われなくなっている握り方ですが、グリップチェンジが少ない分、グリップを決めやすくなり、色々なショットを打つことができます。
ボールに厚く当ててからスライスをかけやすく、すべるスライスが打ちやくなります。
(短所)
トップスピンなど回転系のボールが打ちにくい。高い打点のボールに対しても力が入りにくいです。
片手打ちセミウエスタングリップの握り方
片手バックハンドの場合の現代テニスの標準的な握り方です。
(握り方)
ポイントAを面①に合わせてからポイントBを面①に合わせる。地面に置いたラケットを真上から握り込むグリップです。
(長所)
4種類のグリップの中でインパクトの手首の形がもっとも自然になり、高い打点から低い打点まで、もっとも広い範囲でパワーを伝えやすい。スピンとフラット両方が打ちやすい。
(短所)
肩口から上のショットで力が伝わりにくい。ウエスタンに比べスピン量は減りやすい。
片手打ちウエスタングリップの握り方
(握り方)
ポイントAを角④(or角⑧) に合わせてからポイントBを面⑤(or面①) にあわせる。
(長所)
手首を甲側に曲げる形になるのが特徴で、腰から頭の高さ程度までの高い打点で力が入りやすい。
下から上のスイングをしやすいのでスピンがかけやすい。フォアハンドのウエスタングリップなのでグリップチェンジが必要ない。
(短所)
フラットショットが打ちにくい。膝下や短いボールのショットが打ちにくい(持ち上げにくい)。スライスショットがこのグリップでは打てない。
両手バックハンドストロークの握り方
両手打ちの場合は両方の手で握るので、片手バックハンドに比べてパワーが出しやすくなりますが、リーチが狭くなってしまうことがデメリットになります。
基本的には、片手打ち同様に厚い当たりでしっかり打つトップスピンにはセミウエスタンかウエスタングリップを使います。
両手で握る場合、片手バックに比べ、左手を主導して打つようにするために、右手よりも左手の握り方が重要になります。
ただし右手がセミウエスタンやウエスタンのような厚いグリップの場合は、片手ほど打点が前にならないので逆に右手が邪魔をしてしまいます。
両手で握った時の右手は、イースタン程度が最適です。
両手打ちバックハンドの場合、左手はバックセミウエスタンのグリップで持ったままでOKなので、グリップチェンジが必要なのは右手だけになります。
左手を基準にすばやく正確に何回も同じように速くできるよう練習しましょう。
片手でも両手でも同じですが手元を見ないでくるくるとラケットを手の中でグリップチェンジして正確にできるようにしてください。
コック(手首を甲側にそらせた形)※を作ってからテイクバックを行ったほうが飛躍的にそのあとの動作がスムーズになります。
コックについては、こちらの記事をご覧下さい。
手の平 基本チェック位置
フォアハンドの場合と同様に、正確なグリップのチェックをしましょう。
手の平の人差し指の付け根から一番近い部分(ポイントA)と小指の付け根部分から一番遠い部分(ポイントB)をグリップに合わせて握るようにします。
小指の方から順に握っていきます。
右手と左手の握り方を組み合わせるので、非常に多くのパターンがありそうですが、実際には基本的に3種類です。
右手を薄く、左手を厚く握るのが現在の標準的な打ち方です。
現代的な両手打ちバックハンドは、非利き手の左手を主体として、左手のフォアハンドに近いイメージになっているので、右手よりも左手の握り方が重要になります。
そのため、非利き手である左手の握り方の厚さが人によって多少違うくらいです。
というのは、状況に応じて、利き手である右手は両手で打ったり、片手でスライスで打つという使い分けができるようにスライスが打てる薄い握りにしているのです。
また、両手打ちの場合、片手のバックハンドよりも両手の力が使えるので、片手バックハンドに比べてパワーを有効にボールへ伝えることができますが、その分片手で打つよりもリーチが狭くなってしまいます。
両手バックハンド 右手イースタン、左手セミウエスタン
現在、選手が一番多く使用する標準的なグリップです。
左手はセミウエスタンのグリップで持ったままでOKですが、右手はグリップチェンジが必要になります。
左手を基準に、手元を見ないでくるくるとラケットを手の中でグリップチェンジを正確に何回も同じように素早くできるよう練習してください。
(右手イースタングリップ)
(左手セミウエスタングリップ)
(握り方)
(右手イースタングリップ)
右手ポイントA ポイントB 両方を角①にあわせる。小指側から順に握手をする感じで斜めに握っていきます。
(左手セミウエスタングリップ)
左手ポイントAを角⑥に合わせてからポイントBを面⑥にあわせる。小指側から順に握手をする感じで斜めに握っていきます。
(長所)
左手に力が入るので、両手打ちのメリットが生かしやすい。膝下から肩口の高さまで広い範囲でパワーを伝えやすい。スピンとフラット両方が打ちやすい。
(短所)
肩口から上の高さのショットで力が伝わりにくい。ウエスタンに比べスピン量は減りやすい。
両手バックハンド 右手セミウエスタン、左手セミウエスタン
右手主導型の右手に力を入れて打つグリップです。
(握り方)
(右手コンチネンタルグリップ)
ポイントA を面①に合わせてからポイントB を面④にあわせます。
(左手イースタングリップ)
左手ポイントAを面②に合わせてからポイントBを面⑥にあわせる。小指側から順に握手をする感じで斜めに握っていく。
(長所)
打点を前にしてスピンを多くかけやすい。
(短所)
打点が標準的なグリップよりも前になり、身体も前を向くので、リーチはやや狭くなります。
両手バックハンド 右手ウエスタン、左手セミウエスタン
左手主導型の打ち方です。右手フォアハンドが厚いグリップとなります。このグリップの方は、この握りのままボレーの時も両手で打つ方が多くいらっしゃいます。
(握り方)
(右手ウエスタングリップ)
ポイントA を角④に合わせてからポイントB を面⑤にあわせます。
(左手セミウエスタングリップ)
左手ポイントAを角⑥に合わせてからポイントBを面⑥にあわせる。小指側から順に握手をする感じで斜めに握っていきます。
(長所)
右手のグリップチェンジをしなくても打つことができるグリップです。
(短所)
両手で左手主導のスイングする時は標準タイプと変わりませんが、このグリップでは片手でスライスを打つのは難しくなります。
ストロークの握り方で、もう一つ押さえておきたいポイントが手首の角(コック)です。
一定の角度を保って打つようにしましょう。手首がグラグラしている方はこちらの記事をどうぞ
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グリップの特性まとめ
グリップによって、打点の位置やスイングの振りぬき方が変わってきます。
「厚い」「薄い」による違いについてまとめると以下のようになります。
厚い握り…セミウエスタン、ウエスタングリップ
薄い握り…コンチネンタル、イースタン
右利きの方であれば、上の4つの握りのうち一番薄いコンチネンタルから少し右に握るとイースタン、さらに右に握るとセミウエスタン、さらに右に握るとウエスタングリップとなります。
◎打点
薄いグリップになるにつれ、打点は後ろになり、厚いグリップになるにつれ、打点は前になります。
薄いグリップは、高い打点で力が入りにくく、低い打点が打ちやすい。
厚いグリップは、高い打点で力が入りやすく、低い打点が打ちにくい。
◎スイング
薄いグリップは、前に振りやすく、フラット、スライスに適しています。
厚いグリップは、ワイパー(横)に振りやすく、スピン系に適しています。
◎リーチ
リーチは、薄いグリップの方が広く、厚いグリップの方が狭くなります。
「グリップがテニスプレーの幅を左右する」と言われるほど重要なグリップ。グリップの考え方についてもっと知りたい方は、こちらをどうぞ。
まとめ
いかがでしたか?様々なグリップがありどれも一長一短があるのがグリップですが、グリップの特性を生かしたテニスを目指すのが大切です。
おすすめしたいグリップは、「セミウエスタンかウエスタン」です。
2つの握り方がもっともストロークをするときにパワーが伝わるグリップとなります。
さらに、現代の「ボールを強くヒットする」という上達するための必須課題をクリアするには、グリップチェンジが絶対必要になります。
フォア、バックともグリップをしっかりと強く打てるグリップにしなければなりません。
そしてもしあなたがフォア、バックどちらか不得意な方があれば、ニュートラルポジションの時に、不得意な方にグリップを合わせて待っていることが、少しでも苦手意識を取り除くために有効な方法になります。
そして得意な方に来たら、そちらにグリップチェンジしていくのです。そのほうが苦手な方に少しでもストレスが掛からず、得意な方にスムーズにグリップチェンジしていけるはずです。
野球やゴルフなど飛ばすための道具を使うスポーツはグリップひとつでプレーの幅も上達度も違いますので、加速度的上達を目指しているのならば正しいしっかりパワーが伝わるグリップで練習することをおススメします。