テニスサーブの3種類(フラット、スピン、スライス)の打ち方、特徴【動画有】
基本的なテニスのサーブにはフラット、スピン、スライスの3種類の球種があります。球種の違いと打ち方について説明します。
3種類のスピードの強弱やスピン回転量の強弱、コースを変えて打ち分けることで、相手は的が絞れずにリターンをしづらいサーブとなります。
特徴を知って、試合で有効に打ち分けられるようにしましょう。
球種の違いは、スイングの方向の違いから
3種類のサーブは、体の使い方は変わりませんが、打点までの腕の振り出しの方向で球種が変わります。
サーブで回転をかけたいとなると、ボールをとらえるインパクトの辺りで手首や肘を使って打つ、いわゆる「手打ち」のスイングで打っている方をみかけます。
ここで覚えておきたいのは、回転がかかるのは、ボールにどのようにして当てるかの違いであるということ。
打点までのスイングの方向とラケット面の向きが重要です。
ボールに面をどのように当てるかで球種が決まる
photo credit: Carine06 Service via photopin (license)
サーブのコントロールアップを目指すならば、当たり方と振りぬき方向をイメージするようにしましょう。
各サーブについて、解説していきましょう。
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フラットサーブ
フラットサーブというと、パワフルなショットで、「ドカーンと打ち込むカッコいいショット!これを打ちこんで、ノータッチエースだ!」というイメージでサーブをしている方がおられると思います。
確かにトッププロで2m近くの身長の選手が打っているフラットサーブを見ていると、そうしたイメージかもしれませんが、サーブの球種は回転の種類で呼び分けられているのです。
性質 | 回転がほとんどかかっておらず、スピードを出せるサーブです。直線的な軌道を描きます。 |
打ち方 | ラケット面をボールの真後ろから当てて、プロネーション(回内運動)※を使って打ちたい方向に向かってラケットを振り抜きます。 |
フラットサーブは「回転量が極めて少ないサーブ」です。
速いサーブということではなく打った結果としてスピードの速いサーブとなり、コースによってノータッチエースとして決まるとお考えください。
ラケットが直線的にボールに向かっていきます
サーブを打つ時のラケットの握り方は、球種を問わずに下の画像のようなコンチネンタルグリップが打ちやすく、おススメです。
コンチネンタルグリップの握り方については、こちらの記事をどうぞ
プロネーションについては、こちらの記事をどうぞ
フラットサーブ長所 |
- ボールに対してまっすぐ後ろからスイングをして、狙ったところへ向かって直線的に打つので、狙ったポイントまでの軌道をイメージしやすい
- スピードを出せる
フラットサーブ短所 |
- 回転が少なくて距離のコントロールがしづらいので、フォールトやネットをしやすい
フラットサーブの打ち方の説明をした動画です
フラットサーブは、回転が少なくて距離のコントールが難しいので、回転系のサーブを使えるようになった方が確実性がでてきます。
しかし、サーブで重要な動きのプロネーションの動作をまだ身につけていない方は、フラットサーブでプロネーションによる加速を学んでから回転系サーブの習得へと進んだ方が良いでしょう。
フラットサーブをもっと攻撃的にしていきたい方は、こちらの記事をどうぞ
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スライスサーブ
スライスサーブは、回転をかけようと思って、インパクト付近で手首や肘を使っている人がいます。その打ち方はいわゆる手打ちのスイングとなり、回転はかかりますが相手のリターンを難しくさせるようなサーブにはなりません。
スライスサーブをボールの外周にそって薄く当てる、左の画像のように「リンゴの皮をむく」や「巻き込む」ようにと習った方もいらっしゃると思います。
「ネコがひっかくような」動きともいえますが、そうやって打っても、スライス回転はかかりますがあまり飛びません。
しっかり回転がかかって威力のあるスライスサーブを打ちたいのなら、「地球儀を回す」ような「払う」打ち方の厚い当たりにします。
スライスサーブの回転イメージ
性質 | 進行方向に対して横回転のかかったボール。横回転がかかっているため接地した後のバウンドが低い球となります。右利きのサーバーが打つと軌道は左へ曲がり、バウンド後も左へと切れていきます。 |
打ち方 |
2つの打ち方があります。 ①曲がりの大きいスライスサーブは ラケット面をボールの真後ろに当てて、打ちたい方向に対してラケットを直角に近い方向に振るようにする ②速いスライスサーブは ボールの真後ろと真横の中間地点をヒッティングポイントとして打ちたい方向に振る |
打ちたい方向に向かって横に抜ける打ち方のスライス
下は、河合校長によるスライスサーブの打ち方の説明をした動画です。
スライスサーブ長所 |
- 回転がかかっているためにサービスボックスに入りやすいので、ファーストサーブ、セカンドサーブどちらでも使える
- 高さを変えたり、コースを狙いやすい
- 回転のかけ方で色々な変化をさせることができる(スピード重視、回転重視)
スライスサーブ短所 |
- 球速がフラットサーブよりも遅い
スピンサーブ
スピンサーブは、ネットを越えてから急激に落ちてきて、接地後のバウンドは大きくキックします。
スピンサーブは上級者や若者しか打てないというイメージがありますが、それは体を反り返って打つものという間違ったイメージによるものです。
反り返って打つと背筋を痛めてしまいます。スピンサーブは反り返らずに打つことができます。
スピンサーブは、反り返って打たなくてもOK
また、よくある勘違いとしては下からこすりあげて打とうとすることです。これではスピン回転はかかりますが威力がでません。
こするのではなく、他のサーブと同様にラケット面とスイングの振り抜き角度の調整をすることで飛ばす力を回転に変えていきます。
正しくは、上方向の外側に向かって、ラケット面を動かす(ラケットを払う)イメージで前方向に振って縦回転をかけた厚い当たりのスピンサーブを打てるようになります。
スピンサーブも厚い当たりで
性質 | 進行方向に対して順回転のかかったボール。右利きのサーバーの場合、高い弾道から落ちてきて右へ高くバウンドする。 |
打ち方 |
2つの打ち方があります。 ①回転の多いスピンサーブは ラケット面をボールの真後ろに当てて、打ちたい方向に対して直角に近い方向に振るようにする ②速いスピンサーブは ボールの真後ろと真横の中間地点をヒッティングポイントとして前に向かって振る |
下は、河合校長によるスピンサーブの打ち方の説明をした動画です。
スピンサーブ長所 |
- ネットの高いところを通るのでサービスボックスに入りやすい。セカンドサーブとして使われることが多いが、緩急をつけるためにファーストサーブで使っても効果的
- 高く弾ませることで、相手に高い打点で打たせることができる(相手のバック側が有効)
- 回転のかけ方で色々な変化をさせることができる(スピード重視、回転重視)
スピンサーブ短所 |
-
球速がフラットサーブよりも遅い
-
高い打点から打ち込まれる可能性がある(特に中途半端なキックのスピンサーブ)
スピンサーブの習得についても、まずはフラットサーブをしっかり打てるようになって飛びが良すぎてサービスエリアに収まらないという問題がでてきてから、それを収めるためにスピン回転をかけていくというように段階を踏んでいくように考えてください。
スピンサーブは、フラットやスライスよりも習得が難しいイメージがあります。
注意すべき点を3つ。
①ラケットの軌道をイメージ
スピンサーブはボールに縦回転を与えることでボールに落ちる軌道を与えるのですが、ラケットワークとしては、ラケットを斜めの前方向に振り出す途中で縦の軌道を作るということがイメージをしにくいせいもあるかと思います。
そうした方は、動画を見てイメージのすり合わせをしてください。
②手首のコックを保つ
また、斜めにラケットを傾けた状態でインパクトするためには、手首のコック(手首とラケットの角度)が保たれている必要があります。
手首のコックを保ったままスイングする
スイングすると、ラケットは遠心力が働いて振り出されますので、手首の角度を維持するのが女性やジュニアには難しいかもしれません。
手首のコックについては、河合校長によるこちらの動画でどうぞ。
③トスの位置
頭の上か真後ろの位置に上げる
トスが思ったところに上がらないと、サーブが打ちにくいのでトスアップに困っている方はこちらの記事をご覧ください
④足のジャンプ
膝を曲げて地面からの力を使って蹴り上げて、腕が勝手に振られるように運動連鎖を意識する
こんなに楽にサーブって打てるんだ!サーブを身につけるには…>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方はこちら
まとめ
サーブの基本的な打ち方の3種類を解説しました。
サーブは唯一自分から打てるショットなので、「狙った場所に最初に打てる」という優位性があります。
サービスで3種類の球種を打ち分けることができれば、サービスのバリエーションが増えて、サービスキープ率も格段に上昇します。
ただサーブの練習は普段あまりしない方が多いようです。一人でもできるので、試合で自信を持って打てるようになるまで練習していきましょう。