【テニスの学校2020年最新】このラケットには、このガットがおススメ

ガットの種類を変えたら打った感じも飛び方も全く変わった、という経験がある方も多いと思います。
テニスラケットの種類もかなりの数になりますが、ガットとなると、星の数ほど(?)存在します。
こんなラケットに合うのはこんなガット、こんなプレーヤーにはこんなガット、と開発してきたらこんなに多くなってしまった、ということなのでしょう。
自分に合ったガットが分からないで、テニスショップやテニスコーチにお任せという方も多いのでは?
今回は、2020年の人気ラケットモデルをもとに、ガット(ストリング)の種類別の特徴を考えて、こんなラケットやプレースタイルにはどんなガットが合うかなどをご紹介していきます。
あなたにぴったりのラケットとガットを見つけるヒントにしてください。
この記事の目次
ガット(ストリング)の種類
ガット(ストリング)の素材は、天然繊維または化学繊維が使用されています。
天然繊維は、現在主に牛の腸が使用されています。
日本ではナチュラルガットの事をシープと呼んだりしますが、昔は羊の腸を使用していたことに起因しています。
この腸のことを「ガット」と言うことから、ストリングの事をガットと呼ぶようになりました。因みにクラシックギターの事をガットギターといったりもします。
これは、クラシックギターの弦が羊などの腸で作られていたからです。
音楽つながりでいうと、オーケストラの弦楽器をまとめてストリングスといったりもします。
クラシックのオーケストラではガットギターはあまり使われていませんが、テニスと音楽のちょっとしたつながりですかね。
さて、ガットの種類ですが、
BaboraTのTENNIS 2017カタログによりますと、
■ナチュラル
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牛の腸から作られる伝統的なストリング。天然繊維ならではの伸縮性から生まれる反発性、快適な打感、テンション維持性など、すべての特性に優れ、トータルな性能において、ナチュラルを超えるストリングは存在しません。 |
■ハイブリッド
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メインとクロスのストリングに、素材や性能の異なるタイプを張り分けるストリング。反発性や耐久性の向上をはじめ、数多くのアドバンテージを付加でき、多様なプレーヤーニーズにきめ細かく対応することができます。 |
■マルチフィラメント
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ナチュラルに近い性能を発揮するストリング。極細い数百本のファイバーを束ねた中芯をよじることで、優れた伸縮性と柔軟性を実現。主な特長としては、やわらかな打球感で、反発性とテンション維持性に優れています。 |
■ポリエステル系モノフィラメント
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一本の糸にコーティングを施したシンプルな構造のストリング。一般的にはポリエステルと呼ばれており、ストリングの中では最も硬いタイプに属し、主な特長としては、耐久性、コントロール、スピンに優れています。 |
■ポリアミド系モノフィラメント
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シンセティックストリングの常識を変えた革新的なストリング、バイオベースのポリアミドの採用により、モノフィラメントにも関わらず、従来のマルチフィラメントを超えた比類なきパワーと快適性を実現しました。 |
■ラップ
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一本の中芯に細めのフィラメントを巻きつけたような構造のストリング。中芯は耐久性を高める役割を担い、巻きつけられたフィラメントが適度な柔軟性を発揮。プレースタイルに関わらずオールラウンドに使えるストリングです。 |
画像と解説はBaboraT TENNIS 2017より
となっています。
こちらではラップとなっていますが、一般的にはこれがモノフィラメントですね。
ラケット別のおススメ
ラウンド形状黄金スペック
今回「テニスの学校」が最初にご紹介するのは、
「DUNLOP SX 300」です。
画像:DUNLOP
ダンロップ契約選手の多くが使用する『黄金スペック』ラケットです。
黄金スペックラケットの説明は、こちらの記事をどうぞ
ダンロップが満を持して発売したラケットです。
このラケットのスペックは、フェイス面積100平方インチ、重量平均300g、バランス平均320mm、フレーム厚23~26mmですので、まさに黄金スペックのど真ん中。
なのに、抜群のホールド感を持っています。
さらに、フェイスのトップ部にストリングの可動量と、可動方向が異なる2種類の楕円グロメットを配置して、オフセンターショットにおける各打点(高/低)でのボールの喰いつきやストリングのスライドを最適化。
打点のばらつきによる弾道のブレを自動的に補正し、より安定した飛びを実現しています。
このラケットに合うプレースタイルは、トップスピンを使って高弾道のストロークで相手を後ろに下げて、浅くなったボールをアングルに打つという展開を得意とするプレーヤーに向いています。
◎ポリエステルガットのおススメ
ダンロップのガットは、欧米を中心に展開していたのですが、今回日本で企画、開発を行ったガットがデビューすることになりました!!
何件か問い合わせをいただきましたが、ダンロップストリングはこれまで欧米を中心に展開してきましたが、今回発売するモデルについては、日本で企画・開発したもので、これまで販売していないものになります‼️
— Dunlop Tennis Japan_ダンロップテニス (@dunloptennisjp) March 2, 2020
「EXPLOSIVE BITE 127」(2020年7月発売)
画像:DUNLOP
柔らかめのポリエステルを使用することで、ポリガットとしてはかなり柔らかい打球感です。
それに3つの突起を付けることで、ボールとの引っ掛かりを良くして、驚異の食いつき感を得られます。
高弾道、ハイスピンのガットと言えます。
SX300のスピン性能と柔らかな打球感に相性抜群のガットです。
◎ナイロンガットのおススメ
ポリは使いたくないという方には、「ナイロンマルチ」ガットがおススメです。
「ICONIC SPEED」(2020年7月発売)
画像:DUNLOP
今やDUNLOPの顔となりつつある久美香奈恵(ひさみかなえ)プロのお気に入りなのがこのガットです。
久美プロのTwitterから素敵な笑顔の画像をお借りしました。
ありがとうございました#久見香奈恵#靭テニスクリニック pic.twitter.com/6isv7uPz8r
— ディアス (@asoukoujifhh) November 9, 2019
硬めでスライド性に優れたコーティングを採用しているため、耐久性に優れ、スピンも良く掛かります。
しっかりとした打球感で、より攻撃的なスピードボールを実現しています。
ナイロンマルチについては、こちらの記事をご覧ください。
◎ハイブリッドのおススメ
「RPM Blast+ VS」
画像:Babolat
精悍なブラック・コンビネーションで、ハイブリッドガットを格好よくバシッと決めましょう。
スピンを重視し、最高レベルのパフォーマンスを求めるハードヒッターに最適です。
ハイブリッドについては、こちらの記事をご覧ください。
シルバースペック・トーナメントモデル
「BRIDGESTONE X-BLADE BX 315」です。
画像:BRIDGESTONE
『黄金スペック』のラケットはフェイス面積100平方インチ、重さ300g、フレーム最大厚26mm、バランス320mmのラケットですが、それでは飛び過ぎるのだけれど、ボックス形状の薄いラケットだと飛ばないというプロが増えてきました。
そこで増えてきたのが『シルバースペック』・トーナメントモデルです。
どんなラケットかというと、フェイス面積98平方インチ、重さ305g、フレーム最大厚22~24mm、バランス315mm前後のラケット群です。 |
これは最近のテニスがヘビートップスピンのストロークから、厚い当りのトップスピンへと変わってきているところにあります。
トップスピンをかけながらも、よりスピーディーな展開をするプロテニスプレーヤーが増えてきていますよね。
X-BLADE BX 315のスペックは、フェイス面積98平方インチ、重量平均315g、バランス平均320mm、フレーム厚21.0mm/21.0mm/21.0mmです。
この重さが気にならなければラケットの重さがボールの重さに繋がり、サーブやストロークの破壊的な威力と、ボレーの安定感を生み出します。
しかもラケットを自分仕様にカスタムすることが可能です。
ラケットの長さやバランスなどを変えることができますので、自分好みのラケットに仕上げられるのも良いですね。
画像:ブリジストン
◎ポリエステルガットのおススメ
「Tecnifibre BLACK CODE 124」
画像:Tecnifibre
ポリエステルにしては柔らかめの打球感と、五角形の形状がボールとの引っ掛かりを良くして、スピン性能が良いガットです。
重めのラケットにポリエステルガットという組み合わせは、ボールを潰して打ちたい人に最適です。
ポリエステルガットの説明については、こちらの記事をご覧ください。
◎ナイロンガットのおススメ
ポリは使いたくないという方には、「ナイロンマルチ」ガットがおススメです。
「Tecnifibre X-ONE BIPHASE 124」
画像:Tecnifibre
このガットはナイロンマルチガットとしては、一番ナチュラルガットに近いと言われているガットです。
相性の悪いナイロンとポリエチレンを融合させたガットであることから、「バイフェイズ(二相)」と名づけられました。
これを上回る性能は、本家のナチュラルガットを使うしかないかも?
少し軽量なプラチナスペック
黄金スペックやシルバースペックのラケットの重さは300~305gですが、この重さでは少し重すぎるという方がいらっしゃいます。
そんな方に向けて同じモールド(形状)で10~15gほど軽量化し、その分少しバランスをトップヘビーにしたラケットが、『プラチナスペック』と呼ばれるラケットたちです。
今回ご紹介するプラチナスペックのラケットはこちら
「YONEX EZONE 100 L」
画像:YONEX
爆発的なパワーと柔らかい打球感を兼ね備えたラケットです。
スピードボールで攻めたいプレーヤーにおススメの、軽量オールラウンドモデルです。
フレームのトップ側断面をスリムにして振り抜きを良くし、ボールのホールド感も増しました。
さらに、特殊なメッシュ状の新振動吸収素材「VDM」がグリップ部に内蔵され、前モデルより衝撃吸収性がかなりアップされています。
フェイス面積100平方インチ、重量285g、バランス325mm、フレーム厚23.5mm-26.0mm-22.0mmというスペックです。
やや非力だけど、しっかりとラケットを振っていきたいプレーヤーや、取り回しも良いので、ネットプレーが得意なダブルスプレーヤーに向いたラケットです。
ちなみに「EZONE 100」は重量300g、バランス320mmで、フェイス面積とフレーム厚は同じです。
◎ポリガットのおススメ
「POLYTOUR PRO 115」
画像:YONEX
YONEXのポリガットのロングセラーですが、今回新しく115ゲージが登場しました。
極細ゲージのため、少ないパワーでもポリガットの性能を引き出せます。
115ゲージでは直ぐに切れてしまう方は120ゲージにしましょう。
◎ナイロンガットのおススメ
ポリは使いたくないという方には、「ナイロンマルチ」ガットがおススメです。
「REXIS 125」
画像:YONEX
高強度ナイロンに特殊高弾性ポリウレタン(フォルティモ®)をコーティングすることで、ナイロンマルチガットながら、しっかりとした弾き感を演出します。
ボックス形状クラシカルモデル
今回、テニスの学校がご紹介するラケットは
「HEAD Prestige MID」
画像:HEAD
HEADの中だけでなく、全メーカーを含めた中で、ロングセラーと言ったら「PRESTIGE」ですね。
その中でもこの「MID」は使用者を選びます。
このラケットを使いこなせるのは真のハードヒッターのみです。
しかし使いこなせれば、小さな面と重い重量で、低弾道の重いボールを相手コートに突き刺すことが可能になります。
新しいグラフィン360+ テクノロジーを採用することで、衝撃吸収と究極のコントロールを実現させることに成功しました。
フェイス面積は93平方インチ、フレーム重量は320g、バランスは310㎜、フレーム厚は20㎜均一です。
フラットが得意なハードヒッターにはボールコントロールがしやすいラケットです。
ボックス形状のラケットについてはこちらの記事をご覧ください。
◎ポリガットのおススメ
「Hawk Touch 17」
画像:HEAD
人気のポリガット「HAWK」に柔らかさを加えたガットです。
このガットで寸分狂わぬハードヒットショットを、相手コートに叩き込みましょう。
◎ハイブリッドのおススメ
「Intellitour 17」
メインガット用に「RIP TOUR」、クロスガット用に「RIP FEEL」を使用したナイロンのハイブリッドガットです。
メイン用のガットには細い繊維のナイロンマルチフィラメントを、クロス用のガットには芯のあるナイロンマルチフィラメントを割り当てています。
メインの柔らかいガットがゆっくりしたスイングでは飛びを演出し、速いスイングではクロスの固めのガットが程よい弾き感を演出します。
まさにインテリですね。
◎ナチュラルガットのおススメ
「VSチーム 125」
バボラのナチュラルガットの最高峰「VSチーム 125」。
トーナメントプレーヤーのリクエストによって生まれた、ナチュラルガットとしても非常に品質の高いガットです。
ナチュラルガットについては、こちらの記事をご覧ください。
オーバーサイズ・ハイパワーモデル
魔法の団扇(うちわ)ともいわれるオーバーサイズ形状のラケット群は、コンパクトなテークバックから、スライスやボレーを得意とする方にとっては、非常に相性の良いラケットです。
そんな中でテニスの学校がおススメするラケットはこちら
「SRIXSONREVO CS 10.0」
画像:DUNLOP
「SRIXSONREVO CS 10.0」は、ダブルブリッジで縦糸を長くとり、ボールの飛びを演出しています。
ソニックコアを進化させたソニックコアVGにより、軽量ながら反発力とマイルドな打球感を両立させています。
ボールに当てれば返る、魔法のラケットです。
ラケットの反発を生かして、ショートスイングのスライスやボレーを駆使するダブルスプレーヤーに最適です。
結論を言いますと、このようなラケットに一番フィットするガットは「ナイロンマルチ」ガットです。
◎ナイロンガットのおススメ
「ICONIC TOUCH 125」(2020年7月発売)
柔らかなポリウレタンを使って、さらにナイロンフィラメントの撚りを緩めにしてあるので、非常に柔らかい打球感に仕上がっています。
ゆっくりなスイングに、非常にマッチしたガットです。
マニアック?なラケット
「DIADEM Elevate 98」
画像:DIADEM
アメリカはフロリダ発のストリング(ガット)メーカーが作るラケットです。
元ATPプレイヤーが集結して開発したプレイヤー目線のブランドで2015年設立。
DIADEMは、ダイアデムと読みます。今年から日本でも展開されるようになりました。
DIADEMには、中厚系の「Nova 100」もあります。
2020 model 1st delivery will be as of March 1st in Japan #Diadem, #Elevate98 #Nova100 pic.twitter.com/rK6XMMJOg8
— Diadem Inc. (ダイアデム) (@DiademInc) February 23, 2020
はじめの一歩#DiademSports, #本物ブランドhttps://t.co/1kHtKqCunt
— Diadem Inc. (ダイアデム) (@DiademInc) February 27, 2020
今回、テニスの学校では、「Elevate 98」の方を取り上げさせていただきました。
なぜなら、デザインが格好良いから!
さて、中身の方はと言いますと、
フェイスサイズは98平方インチ、ウエイト305g平均、バランス320mm、フレーム厚21.5mm均一です。
このモデル群としては少しヘッドが利いている感じですね。
フレームは3層構造で捻じれにくく設計されています。
画像:DIADEM
そしてフレーム内部全周に高密度ウレタンが詰まっており、打感も芯があるのを感じるそうです。
カーボンは何と日本製。
それをアメリカの会社が採用(生産は中国です)して、日本で売るということになりますね。
◎ポリガットのおススメ
「Solsice Power 16」
画像:DIADEM
何と星形のガットです。
六角形なので六芒星ですね。
張るのは大変そうなガットですが、ボールの引っ掛かりは凄く良さそうですね。
DIADEMの中では柔らかなポリになります。
◎ナイロンガットのおススメ
「EVOLUTION 17」
ナイロンモノフィラメントのガットです。
表面にシリコンがコーティングされていて滑りが良く、スピンが良く掛かります。
ナチュラルガットに近い爽快な飛びが特徴的なガットです。
まとめ
テニスを仕事に例えると、あなたが上司で、ラケットとガットは大切な部下です。
部下に良い仕事をさせるためには、あなたと部下、それと部下同士の相性が非常に大切です。
あなたに合うラケットを部下に持つだけでもダメですし、あなたに合うガットだけを持つだけでもいけません。
あなた自身のことを考えて、あなたの部下二人の相性を良く考えて、その二人がバディになった時に、しっかりとあなたのために仕事をしてくれることが大切です。
そんなラケットとガットに巡り会えたとしたら、あなたにとって、かけがえのないものになることでしょう。

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