フォアハンドトップスピンの打ち方 現代テニスのストロークは「トップスピン」が必須!【動画有】
現在のテニスでは、トップスピンがよく使われる基本のストロークになっています。
こちらの記事では、フォアハンドストロークを中心にトップスピンとはどういうものなのか、どうやって打つのかを説明いたします。
錦織圭選手の活躍で、テレビでテニスの大会が放映される機会が増えています。
かつてテニスをしていた方や昔からテニスを続けている方は、最近のトッププロの試合を見て、テニスのプレースタイルの変化に驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
現代テニスでは、かつての薄いグリップでまっすぐ押し出すようなフラットストロークから、厚いグリップで強く回転をかけて高速のボールを打つトップスピンストロークが主体のものへと変わっています。
テニスという球技は、左右だけでなく高さも使ってプレイすることが大切です。
空間を使うことにより、時間を作ったり、より相手を動かしたりする事が可能になるのです。
そこで役立つのが、トップスピンです!! こちらの記事を参考にして、トップスピンを使ったプレーをできるように練習していきましょう。
この記事の目次
現代テニスのストローク
現代テニスでは、ストロークのスピードがとても速くなっています。
試合でよく使われるショットがフォアハンドのトップスピンストロークですが、プロテニス選手で特にトップスピンの回転が強い選手というとスペインのラファエル・ナダル選手が有名です。
左利きのナダル選手は、チャンスがあれば回り込んでフォアハンドで強烈な回転のストロークを打っていきます。
ナダル選手は、下半身からの運動連鎖の力を上手く使って、体の回転によるパワーを生み出し、スイングスピードを上げることでボールに強い回転を掛けています。
こうしたトップスピンストロークが、どのようなものなのかを説明していきます。
トップスピンと言えば、ナダル選手の強烈な回転が有名
画像 Instagram
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トップスピンストロークとは
トップスピンストロークは、現代テニスではプレーの中でもっとも使用頻度の高いショットです。
どのようなボールであるかというと
飛んでいく方向に転がっていくような順回転(ドライブ回転)が強くかかったボールです。
打ったボールが回転に伴う空気抵抗によって下方向に曲がって落ちていくため、着地点が短くなります。
ラケットの反発力が大きくなり、かつ軽量化が進んだことで、一般のプレーヤーでもスイングスピードを上げて速いボールが打てるようになりました。
けれども、速いボールはアウトになる確率が高いため、ボールに強い順回転を掛けてコートに収める技術が重要になりました。
そこで、トップスピンがストロークショットでよく使われるショットとなったのです。
トップスピンの軌道
トップスピンは、高い軌道で打ち上げられた後に相手コートに急激に落ちます。
コートにバウンドしたあとは強い順回転によってボールが勢いよく伸びていくので、相手にとって打ちづらいボールとなります。
強い攻撃的なボールを打っても、コートに収まるのでミスになりにくくなります。
「縦方向」のボールの軌道の変化で スピードもパワーも得ることができる |
昔テニスの打ち方では、強いボールを打つためには前方向に体重を移動させて打つフラットなドライブボールが主流でした。
速くて強いボールを打とうとすると球足が長くなってアウトしてしまいますし、アウトしないようにしようとするとボールスピードを抑えることでコントロールしていました。
☆テニスが上手くなりたい方におすすめ↓
昔テニスと現代テニスの違い
40年位前より以前のテニスをこちらのブログでは、「昔テニス」という名称としています。
そんな昔テニスと現代テニスのトッププロのフォアハンドストロークを比べてみます。
クリス・エバート選手と大坂なおみ選手のフォアハンドストロークの動画をご覧ください。
Youtube動画 Chris Evert Tennis Tips: Basics of Forehand, Backhand & Serve
Youtube動画 大坂なおみ選手【練習風景】ストローク Naomi Osaka 【Stroke Play Fore & Back】 2019 Indian Wells
相手のボールの勢いを利用して打つ、直線的なテニス
・スクエアスタンスで、薄いグリップの握り方
・体重移動をして踏み込んで運ぶように打つ
・フォロースルーは前へ大きく取る
腰や体を回転させて、より速く強い力を自分で生み出すテニス
・セミオープンスタンス※、オープンスタンを主に使い、厚いグリップ※(セミウエスタン、ウエスタン)の握り方
・体のひねり戻しを使った運動連鎖の動きで、引っぱたく様に打つ
・フォロースルーは、体に巻きつけるように必要最低限の動き
こちらの河合校長の動画を参考にしてください。
イースタングリップ、セミウエスタングリップ、ウエスタングリップでのフォアストロークの打ち方の違いがわかります。
ストロークの上達にはグリップによる違いを理解しておくことが必要です。こちらの記事をどうぞご覧下さい。
トップスピンショットは、セミオープンスタンスを使うことで身体のひねり戻しを使って打ちやすくなります。こちらの記事をご覧下さい。
昔と今では、ラケットの変化でテニスは大きく変わっています
反発性が大きくなってボールに大きなパワーを与えることができる。軽くなって楽に速く振れるためトップスピンが掛けやすい。 →完全なフラットボールでは、アウトしやすいので、ボールをコートに収めるためにトップスピンを使う。強い回転がかけられ、なおかつ高速のボールを打てるようになった。
反発力が今のラケットに比べて低い。重くて速く振れないためスピンを掛けづらい。 →ボールに威力を出すためにフラットショットが主体となる。回転をかけるとスピードが落ちてしまう。速いテンポとするために、サーブ&ボレーのプレースタイルが流行した。 |
ラケットは最新のモノを使っているけれど、昔のままの体の使い方で打っていたり、今のテニスが以前とは違っているのはわかっているけれど、
「どのように打ったらいいのかわからない」
「昔テニスと今のテニスが混じってしまう」
という方は、まずは体の使い方を覚えるようにしていきましょう。
下の動画で、河合校長が腕の力ではなく体全体を使った打ち方と練習方法を説明しています。
「コアスイング」を使うと効率のいいストロークが打てます!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
トップスピンを使えるようになると手に入るもの
トップスピンの特徴~縦方向の回転が掛かるので、ボールが ネットを越えてから大きく沈んでいきます。
この特徴から
→アウトしにくくなる「安定感」
→強い球が打てる「威力」
強くて速いのにミスのリスクが少ないため、攻撃的なボールを安全に打てるようになります。
さらに、トップスピンをベースとして、それを応用して回転量、スピード、方向性をコントロールすることで様々なボールを打つことができるようになります。
・高い山なり軌道のロブ
・角度のついたアングルショット
・肩くらいの高さのボールを強打する
・相手の足元に沈ませる
・ネットの上を低く越えるパッシングショット
などなど・・・トップスピンを使った色々な打球の「バリエーション」が手に入るようになります。
肩くらいの高さでも打ち込むことのできるストローク
画像 錦織圭試合結果速報
これまでフラットボールが主体であったベテランプレーヤーの方は、ボールコントロールは優れていると思います。
さらにトップスピン系のショットを使うことでボールの高低差をつけることができて、ゲームプランの幅を広げられます。
スピンを使いこなすことで空間をより広く使っていくことが可能になります!!
空間がうまく使えるようになれば、攻めも守りもう上手くなります。
トップスピンストローク(フォアハンド)の打ち方
あなたもトップスピンをかけて打ってみたいと思うようになってきたでしょうか?
トップスピンをかけることによってボールがコートに入りやすくなり、回転が掛かっているため着弾してから伸びるボールになります。
よくある勘違い
あなたのトップスピンストロークは、回転はかかっているけれども、軽いボールになっていませんか?
回転を掛けようと思ってボールの上側をこするような形の「かすれた」当たりで打っていると、球に威力が出てきません。
こすりあげて打つとラケットヘッドがまわりすぎてしまい、回転はかかるけれどもボールに推進力がなく、早く落ちすぎて伸びもない球になってしまいます。
ラケットとボールの関係が下の絵の上側の絵のようになっているということです。
回転はあるが推進力が弱い
回転も掛かって強い勢いがある
これが正解!トップスピンの打ち方
覚えて欲しいのは、無理にスピン回転をかけようとするのではなく、ラケット面はフラットにしっかり当てて、なおかつ回転がかかるようなラケットの振り方です。
「かける」ではなく、「かかる」が正解です。
上で見ていただいたイラストの下側のイラストのように、回転も掛かって強い勢いがあるスイング軌道です。
ボール軌道の下からラケットがまっすぐ入っていき、ボールを打ちたい方向に対して直角な面でボールを打ってから、ラケット面を相手に向けたまま回転させるような打ち方です。
それによって、しっかりした回転が掛かってかつスピードのあるボールとなり、着弾してからもボールが伸びていきます。
ボールの下側からラケットが入っていく
ボールの真後ろを打つ
そこから、ふくらんでいく
こちらの河合校長の動画を参考にして下さい。
トップスピンストロークの説明と、しっかり当たりを出した打ち方とかすれた打ち方の比較があります。
スイングの軌道イメージ
トップスピンを打つ時のスイング軌道のイメージについてです。
こちらも、いい例と悪い例で説明します。
ラケットヘッドを回して、スイングで回転をかけることは必要なのですが…。下の画像のように、「ラケットの面が返ってしまう」とヘッドが回り過ぎてしまい、インパクトでラケット面が安定せず精度の低いショットになります。
また、ボールに強い勢いを与えることができません。
やっていただきたいのは、「体はまわすが、ラケット面を返さない」動きです。
外に向かってラケット面を出していくことで、ボールの真後ろをしっかり押すことができるようになります。
さらに、スイング軌道について説明します。
下の画像のように、自分の手のひらを相手に見せるようにずっと外に向けていきながら返していく動きを目指してください。
この動き方を「パームアウト」といいます。(フィニィッシュで手の平を前に向けること)
手の平を相手に見せる
インパクト
フィニッシュは手の平を外へ
フィニィッシュは、自分の体に巻き込むようにします。
このラケット面が常に相手を向いている動きで、ボールに強い推進力を与えられますし、自分の打ちたい方向に対して面が崩れないで安定したボールが打てるようになります。
強い威力のあるトップスピンを打つコツは、「体はまわすが、ラケット面を返さない」です。
面を外に向かって振りながら、面の方向はずっと前を向いた状態のままとなります。
こちらの河合校長の動画を参考にして下さい。
スイング軌道の説明とダメな例、パームアウトの例があります。
「パームアウト」の動きに慣れない、どのように動かせばよいのかよくわからない…といった方へはこちらの動画を参考にしてください。
一人でできる練習方法を紹介しています。
トップスピンで打つことに慣れてきて、さらにもっと威力を出して打っていきたいという方は、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
テニスにおいて、フォアハンドストロークは大変重要な武器です。
昔テニスの時にはなかったトップスピンの打ち方を覚えて、ファオハンドの質を上げて、テニスのレベルをランクアップさせましょう。
もしあなたが、スライスを主体としたテニスをしていても、そこに数本トップスピンが混じることで、相手としては大変やりづらくなるはずです。
今回、紹介したコツをしっかりと身につけて、伸びがあって強い回転がかかったトップスピンボールを打てるように練習してください。