大坂 なおみ全豪OP優勝!!4つの進化で 世界ランク1位へ【動画有】

大坂 なおみ(おおさか なおみ)
大坂なおみ選手は、2019年1月26日、チェコのペトラ・クヴィトワ選手に勝利し、全豪オープン優勝を達成しました‼
女子シングルス決勝の優勝賞金は、410万豪ドル(約3億3000万円)。
ランキング世界4位であった大坂選手が、同6位のペトラ・クビトバ(チェコ)を7-6(7-2)、5-7、6-4で制し、男女を通じて日本人初の全豪シングルス優勝を遂げ、1月28日発表の世界ランキングで、アジア人としても初のシングルス世界1位にもなりました。
大坂選手が世界ナンバー1となるまでの4つの進化についてお伝えします。
この記事の目次
全豪オープンでグランドスラム連続優勝!!
昨年の全米OP優勝に引き続き、グランドスラム優勝の大坂選手。
今大会の大坂選手は、これまでの力強いサーブやショットに頼った「パワーテニス」から、ラリーを続けて攻撃のチャンスを待つ「我慢のテニス」を身につけて勝利を重ねていったように思います。
プレースタイルとしても、「ビックサーバー」から「オールラウンダー」へと2018年9月全米オープンから短期間のうちに大きな成長を見せています。
主な進化した点を心技体とギアの4つからお伝えいたします。
下は、決勝戦のハイライトシーンの動画です。
技術
2018年オフは、ラケットを握ることよりも肉体改造のトレーニングに励んだ大坂。
唯一、取り組んだ技術的な変化がサーブ。
サーシャ・バジンコーチが、これまでのトスではボールが斜めに上がるなど安定しない「左手を下から弧を描くように上げていた」ものであったのを変更するように指導。
「左手を下からまっすぐに上げるように」としたことて、腕の動きを少なくした安定性のあるトスとなり、ボールをいつも同じところに上げることができるようになりました。
【裏付けデータ】 サービスエースの数は、試合で59本、1試合平均8.4本のエースを決めて、他選手と比べて、群を抜いてトップ。 1試合平均でも平均8.4本のエースを決めてトップ。 スピードも192キロで、3位です。 前年の全豪OP大会と比較すると ファーストサーブの成功率が46%⇒56%に上昇 そして、ファーストサーブだけでなく、セカンドサーブもサービスのコースや球種のバリエーションを増やす練習成果により セカンドサーブの成功率が42%⇒49%に上昇 |
大坂選手は、サーブについて
「間違いなく改善している。いいサーブが打てていれば負けることはないので、大事な武器として改良している。さらに磨きをかけた。」
「スピードよりも、打ち込む場所が良くなった」と語っています。
★サーシャ・バジンコーチは、大坂選手に「強く打つ以外にも打ち方があることを教えることのほうが多かった。あらゆるプレーを教えてきた。」と語っています。
大坂選手はかつてはどんなショットにも、思いっきりパワーでいっていた単調な攻撃でしたが、攻守のバランスのとれた試合運びに変化していっています。
さらに、時折見せたのがドロップショット。
「私がベースラインの中に入るときは、多くの人は強打をしてくると思っている」と意表を突くドロップショット。
決勝戦でも何度か試したが、ミスするか、あるいは相手のチャンスボールになる精度の低いものだった。
しかし、今後こうしたショットも使いこなして、幅広いプレーができる選手となっていくのだろう。
★サービスリターン
大会後のインタビューで、決勝試合での自分のナイスショットだったものを挙げるように求められ「ナイスショットはサービスリターンです。クロスで数回リターンを決めることができました。」
他選手に比較して、大坂選手のリターン位置は高い。
大会中のサービスリターンの位置として、ファーストサーブに対してはベースライン、セカンドサーブに対しては、ベースラインの内側へ入って、コートの中からライジング気味に早いタイミングでリターンして相手にプレッシャーをかけるシーンがよくあった。
【裏付けデータ】 今大会でのベースラインより、前に出て打った割合が71%、後ろで打った割合が29% 4か月前の全米オープンでは、ベースラインより前に出て打った割合が29%、後ろで打った割合が71% |
肉体
大坂選手のプレーは、強打を生かして短い時間でポイントを取るスタイルであった。そのため、対戦相手はストローク戦を仕掛けてくることが想定されたため、足腰の強さと俊敏性が必要だった。
長いラリーとなって、左右に走らされても耐えられも、さらにそこから強打できるようになったのは…
打つ時にバランスが崩れない、しっかりした体幹の強さによるもの。
「課題は、肉体面だ。肉体面は、彼女の戦いにおいて大事だと思っていた。」とサーシャ・バインコーチ。
2018年4月に「特定のレベルに到達した後は肉体的な能力も良くないといけない」と大坂選手がインタビューで語っていたように、技術力の高さを支えるフィジカルの強さがないと世界ナンバー1には到達しなかったでしょう。
大坂選手のフィジカル強化を担当するのは、2018年3月から就任したアブドゥル・シラー氏。
シラー氏は、3年間、S・ウィリアムズ(米国)のトレーニングを担当、17年全米優勝のスティーブンス(米国)も担当してきた経歴の持ち主。
ストレングス&コンディショニング担当のシラー氏は、「アメフトのNFL選手の俊敏さ、短距離走者のスピード、サッカー選手の持久力を併せ持った大坂を作り上げたい」。
と3つの要素を求め、コート内でのドリル、コート外でのトレーニング、日常生活での食事制限などのプログラムによって、厳しいハードトレーニングによって、絞り込んだ体となった大坂。
オフに長距離、短距離と徹底的に走り込み、「フルセットも自信を持って戦える」スタミナをつけた。
さらに、大会シーズン近くとなってからは、下半身を強化するメニューを導入し、フットワーク、反射神経、俊敏性を磨いた。
全豪OP前のインタビューで、大坂は「ボールにも早く反応できるし、良いプレーができるようになります。」と語っていました。
下の画像は、大坂選手を支える「チーム ナオミ」
サーシャ・ベインコーチは上段の右端。アブドゥル・シラー氏は上段の左端。
全豪の優勝が決まった後、杉山愛さんは
「フィジカルが鍛えられて走れるし、ボールの正しい位置に入れるようになったことで、ボールの正確性が上がった。さらに、幅が広がっているなと感じるのは、前も速いですし、横も速い。どんなショットでも自分の体勢で打てるようになっています。」
と大坂の肉体改造の評価をしていました。
さらに、シラー氏がのぞむ最高の選手は
「フェデラーのような熟練で、ジョコビッチのような安定性、そしてナダルのような攻撃性を持つ選手」。
そのためにも「彼女はもっと高いミッションを希望している」とのこと。さらなる進化が期待できそうです。
大坂選手も、優勝後のインタビューで
「ストロークは、以前より自信がもてるようになった。去年は勝てる試合でも勝てなかったことがありました。」と語っている。
【裏付けデータ】 前年の全豪OP大会と比較すると 5本以上のラリーでの勝率は、1試合平均で去年の32%⇒54%に大きく上昇 左サイドの得点率は、39%⇒61%とジャンプアップ。 課題と言われてきたバックハンドでも得点できるようになり、左・中央・右、どのエリアからでも60%のポイント獲得率となる。 |
メンタル
「開幕前3歳だった私の精神年齢は、5歳に成長したかな」と優勝後のインタビューで答えた大坂選手。
とはいえ、思うに任せないプレーにいらだち、叫び、ラケットを投げ、悔しがるシーンも見られました。
しかし、これは、自分の中に溜まっているイライラやもどかしさやつらさを表に外に出すことでコントロールしようという判断によるもの。
こうした時に、相手選手に背中を向けたり、こぶしを握り太ももを叩き、自分を励ますように小さいガッツポーズを作るなどの肯定的なボディランゲージで、気持ちを切り替えてリセット。
感情の揺れをその都度、懸命にコントロールしていく大坂。
特に、印象的であったのは決勝戦。
タイブレイークを制し1-0のセットカウントでリードした第2セット。
ゲームカウント5-3で、あと一打決めればチャンピオンシップポイントというところから、連続4ゲーム落として5-7で逆にセットを落として、目に涙を浮かべた大坂。
タオルを頭からかぶって、トイレットブレイクを取り、ポイントの間の時間を有効に使って、気持ちを前向きに切り替えて3セット目に挑み、6-4で制し優勝をつかむ。
悪い流れの時に、どう向き合って乗り越えるかはトップ選手にとっても難しい局面。
全米OPの優勝では、勝利の要因を『我慢』と答えていたが、全豪OPでは『均衡』と表現した。
感情を抑えて我慢するのではなく、気持ちや感情の揺れや乱れがあっても、落ち着いてコントロールする術を身につけたのかもしれない。
優勝後のインタビューで大坂選手は
「集中力を継続させることが、昨年最も向上させたかった点の一つでした。優勝したことで、少しは成長したのかな?何をするにしても常に成長をめざすべきだと思います。」
「常に一定の心理状態を保てるようになってきました。3年間常にこのレベルに到達することを目指し、ようやくこの感覚をつかむことができたと思います。」
「昨年なら勝てない試合にも勝てた。どんな状況でも諦めずに戦えばチャンスをつかめると学べた」
と振り返った。
使用ギア
全米オープン時との変化ということで言えば、ラケットは同じモデル、シューズも同じモデルを使っています。
変化したのは、ガットの仕様です。
2016年から、縦糸にポリエステルの「ポリツアープロ」と、横糸にナイロンとポリウレタン製の「REXIS130」を使っていましたが、全豪大会ではガットの色が変わっていました。
(記事内の下の動画で比較できます。)
縦糸には、はこれまでの「ポリツアープロ」より硬めで、スイングが速い上級者向けの「ポリツアーストライク」を選択することで、たわみやブレが少なく、コントロール性が向上。
さらに、もっとも変化となったのが横糸にナチュラルを使用したこと。(YONEXにはナチュラル製品を作っていないが、同社関係者は「彼女がトップ選手になっていくには必要なこと」と決断を後押し。)
ナチュラルは、打感、球の食いつき、飛びが最高の素材です。
パワーのある大坂選手は、ボールが飛びすぎることを嫌い、飛びにくくする傾向のあるナイロン製を選択していました。
しかしながらナイロン製は、プロでは耐久性が低いことで使用している選手は少数派です。
多くのプロ選手は、「ハイブリッド」仕様として、ポリエステルとナチュラルを合わせて使っています。
大坂選手も、以前試した時は独特の硬さに合わず球が飛びすぎてしまったが、パワーの伝え方が上達した今はしっくりきたそうで、オフの期間に様々な組み合わせを試してみて、昨年12月に今の組み合わせに落ち着いたそうです。
大坂選手もガットの変化によって「もっと強く打てるようになった」と語っています。
とはいえ、横糸をナチュラルにしているのは、大坂選手がパワーヒッターで、縦糸をナチュラルにすると球が飛びすぎるため。
縦糸は、横糸より長いため、球の回転や飛びにより影響を及ぼすので、短い長さの横糸にナチュラルという組み合わせに落ち着いたとのこと。
選手にとっては、ラケット以上にガットを変える方が大きい変化だそう。
感覚が変わり、打感や打球音に慣れるのに時間がかかるといわれています。
こうしたガットを使えることになったのも、大坂選手の成長の証といえるでしょう。
今後の目標
世界歴代26人目の世界ナンバーワンとなったにも関わらず、大坂選手は初の1位に関して喜びを見せなかった。
「私がこの大会(全豪)で優勝すれば、ナンバーワンになれると話していましたが、私はそれを成し遂げることができました。でも、ランキングは決して自分の本当のゴールではなく、この大会で優勝することでした。」
「優勝することが常に私の目標です。だから私の次の目標は、次の大会で優勝することです。インディアンウェルズでまた優勝したいですし、マイアミでも優勝したいです」
大坂選手にとっては、世界1位のランキングも「成長の過程で設ける目標の一つ」でしかない。
常に、次の目標に向かって進化していく大坂選手に、生涯グランドスラム(四大大会全制覇)達成に期待がかかるが、それよりも本人にとっては選手としてではなく、「人間としての成長することが自分にとっての最大の目標」と語る大坂選手。
今大会に見せた4つの進化は、それぞれ複合的にからみあって、大きな進化となっていった。
大坂選手の純粋な向上心とそれを支えるコーチやトレーナーのチームの力は、「スーパースター」NAOMI OSAKAをさらに進化させていくことだろう。
全米オープンでグランドスラム優勝!!
2018年全米オープン
世界ランキング19位、第20シードで出場した大坂なおみ選手は、2018年9月8日、「全米オープン」シングルス決勝で世界ランキング26位、第17シードの元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズ選手を6-2、6-4で破り、日本のテニス史上初めて4大大会のシングルス制覇を果たしました。
アジア勢の全米優勝も初で、優勝賞金380万ドル(約4億2200万円)を獲得しました。
大坂なおみ選手は、2018年年3月に初めてツアー優勝をし、さらに同年最後のグランドスラム大会で優勝という快挙を遂げました。
この勝利によって初のランキングトップ10入りをしました。
全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)シングルス。
3回戦をA・サスノビッチを6-0, 6-0の勝利し、4回戦でアリーナ・サバレンカを6-3、2-6、6-4で下すと、準々決勝では、L・ツレンコを6-1, 6-1のストレート、準決勝もマディソン・キーズに6-2、6-4とストレートで勝利。
決勝では、セリーナ・ウィリアムズを6-2、6-4のストレートで下し、20歳でのグランドスラム制覇を成し遂げました。
サスノビッチ戦をダブルベーグルで完勝した後の会見では、大坂選手は「自分は完璧主義者。否定的に思われたくないけど、最高のテニスではなかった。なぜなら、何かもっといいことができたと思えたから。それが自分のいいところの1つ。でも悪いところでもある。なぜなら、満足することがないから。試合中はスコアを考える必要はなかった。このまま勝ち続けることだけを考えていた」とコメントしています.
その後の4回戦ではサバレンカとの戦いは、同じ20歳同士の対決となり、唯一セットを落とす試合となりました。
大坂と同じ180cmの長身のサバレンカの強打に圧倒されて落とすと、ファイナルセットは先にブレークを許す苦しい展開に。サバレンカのサーブで迎えた第10ゲームで4回目のマッチポイントを握ると、粘り強く戦い、相手の8本目のダブルフォールトで勝利しました。試合後の握手のため、ネットに歩み寄る途中にすでに涙をぬぐう様子も見られました。
この試合に勝つためなら「脚を折る」覚悟だったという大坂選手は、「きょうの試合に負けていたら、自分のことが絶対に許せなかった」、「最終セットで先にブレークを許したときは、脚を折ってでもすべてのボールに食らいつくつもりだった」と涙ながらにコメントしました。
Naomi Osaka’s outlasts Aryna Sabalenka in R4 Thriller
準決勝の地元アメリカ選手のM・キーズは、昨年の全米オープン準優勝者で過去3連敗だった相手。
序盤から激しい打ち合いとなり、第1セット4ゲームで大坂は0-40とキーズにブレークポイントを握られるも、そこからポイントを連取してサービスキープすると、続く第5ゲームでブレーク。
その後もピンチを迎えるたびに、強烈なサービスでしのぎ、このセットを先取。第2セットは、第1ゲームで大坂のブレーク。第2ゲームでは6本のブレークポイントを迎えながらも、サービスキープ。その後も強打とフットワークを武器にストローク戦で主導権を握り、ストレートで勝利しました。
相手のキーズ選手は、試合後のインタビューで「信じられないようなショットが何度も返ってきた。彼女の方が私よりいいプレーをした」と述べています。
大坂選手は、次の対戦相手であるセリーナと全米オープンで戦うことを夢みてきました。
試合後のインタビューで、対戦したい理由を聞かれ「だって彼女がセリーナだから」と答え、さらにセリーナへのメッセージを求めれれると「大好き」と一言。観客からの温かい笑いを誘っていました。
そして迎えた決勝線。序盤から大坂選手が圧倒する試合展開となるも、第2セットでは鮮やかなドロップショットを決め、センターコートの多くのセリーナを応援する観客をわかせました。
しかし、試合内容ではサービスエースが大坂6本、セリーナ3本。ダブルフォルト大坂1本、セリーナ6本。ファーストサーブの入る確率大坂73%、セリーナ55%。ウィナー大坂16本に対し、セリーナ21本。アンフォーストエラー大坂14本、セリーナ21本という数字が物語ります。
大坂のサーブは絶好調で、リターンもミスが少なく、第2セットでストロークラリーを避けて、ネットに出てきたセリーナに対してパッシングを決めるなど圧倒します。
US Open Extended Highlight: Naomi Osaka vs. Serena Williams
セリーナは、試合途中で「違法コーチング」で主審に警告を受けたことで、ラケットをコートに叩きつけて壊したり、主審に暴言を吐くなどして、ペナルティーとして第2セットの第6ゲームでは1ポイントが大坂選手に与えられ、さらに抗議を続けたことで第8ゲームは戦わずして大坂選手のものとなるなど、何度も試合が中断され、試合の雰囲気は大荒れとなりました。
そうした雰囲気の中、初めての決勝の舞台でも集中を切らさずに最後までプレーを続けました。
女子ツアーを統括するWTA公式サイトは「大坂がセリーナをあ然とさせ、全米オープンで初めて四大大会のタイトルをつかんだ」と絶賛。
「20歳の大坂は、劇的な全米オープン決勝で、四大大会23勝を誇るセリーナをストレートで倒し、四大大会のシングルスを制した初めての日本人となった」と讃えています。
Naomi Osaka Captures First Grand Slam Title at 2018 US Open
表彰式でも、セリーナを支持する観客によってブーイングが起きる異様な雰囲気となりました。
ALL市販品を使用して優勝!?
大坂なおみ選手のプレーや言動に試合後注目が集まっていますが、もう一つ話題となっているのが大会で使用したギアについて。
トッププレイヤーは、ラケットやシューズなどは一般に市販されているそのものではなく、カスタマイズされたスポンサー提供の特注品を使っているのがふつうです。
ところが、大坂が使うラケットは、YONEX「EZONE98」(税抜き3万3000円)同社が販売する中・上級者向けモデルのラケットとしては一般的なモデルです。
ただし、グリップ部分のみは多くのプロ選手が好むように、レザー仕様に変更しています。
さらに、ラケットの内側に重りをつけて調整して使っています。
(2018年9月15日追記)
ヨネックス社は9月14日、「市販品という説明は事実と相違していました」と訂正を発表した。
同社によると、大坂選手の要望に応じたカスタマイズを施し、フレーム重量平均312グラム、バランスポイント308ミリ。この数値は販売している商品との差がともに約2%だったという。(市販品は、レーム重量平均305グラム、バランスポイント315ミリ。)
そのため「カスタマイズの内容が少ないことから『ほぼ市販品』との回答となった次第です」と説明しています。
「その後、同選手の要望にあわせて調整を施しており、結果、現在販売している商品とはラケットの形状グロメットも厳密には異なっております」とした。これまで同社は「ほぼ市販品」と説明してきたため、多くのメディアが「市販品」と報道。しかし、厳密にはラケットの形状なども異なっているとのこと。
ガットは、縦糸にポリエステルの「POLYTOUR PRO125」(定価2300円プラス税)、横糸にナイロンとポリウレタンでできた「REXIS130」(定価2800円プラス税)のハイブリッドガットを使用しています。
多くの選手が使う牛の腸などで出来たナチュラルガットと比べると、価格は3分の1から4分の1です。大坂選手は、ボールの飛び過ぎを防止するため、ナイロンにしたそうです。
ヨネックスは、2018年9月20日に大阪選手が使用している「ポリツアープロ×レクシス」を組み合わせたセットを全米オープン優勝を記念して、10月上旬に数量限定で発売すると発表しました。
ハイブリッドガットについては、こちらの記事をどうぞ
さらに、この大会では絞った体での軽快なフットワークが目に付きましたが、市販品のシューズを履いてのプレーでした。
通常、足型を採って特注するのがトッププレイヤーでは、市販品でのあの動きをしていました!
また、ウエアも動きやすく特注されたものではなく、こちらも市販品でした!!
【2018全米大会 大阪なおみ使用モデル】
大坂選手の活躍で、大会で使用したシューズ、ウエア売れ行きが好調とのことで完売の店が多く、入手困難となっているようです。
ラケットを大坂選手と同じ仕様にしたければ、元グリップのテープを外し、自分でYONEXの販売する本革テープ(定価1800円プラス税)も合わせると、大坂選手仕様に近いラケットは5万円以内で完成します♪
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東レ・パンパシフィック・オープン準優勝!
2018年9月23日、アリーナ立川立飛で行われたシングルス決勝。それまですべてのセットを落とさずに勝ち進んできた世界ランキング7位の大坂選手でしたが、元世界ランキング1位の東レ大会時点で世界ランキング8位のカロリナ・プリスコバ(チェコ)に対して4-6、4-6とストレート負けを喫してしまいました。
全米オープンからわずか1ヶ月で11試合をこなし、メディアが殺到した大阪選手。
決勝の試合中のコーチングタイムで「ストレスをとても感じる」と訴え、その後プレーの精度が落ち、それまでの試合になかったダブルフォルトやミスが目立つようになりました。試合後のインタビューでも「こんなに疲れたことは、これまで一度もなかった」とのコメントを出し、東レ決勝後の夜には次の試合の「武漢オープン」に出発する予定であったが、ウイルス性疾患のため武漢オープンを欠場することを発表しました。
「来年がんばります」と表彰式では日本のファンの期待に応えようとした大阪選手。来年は、ベストコンディションで試合に挑める状況であって欲しいものです。
BNPパリバ・オープンでツアー初優勝!!
2018年3月18日、米カリフォルニア州インディアンウェルズで行われた「BNPパリバ・オープン」の女子シングルス決勝は、世界ランキング44位(当時ランキング)の大坂なおみ選手と同19位でダリア カサトキナ選手という20歳同士の決勝戦となりました。この試合で大坂選手が6―3、6―2のストレートで勝ち、ツアー初優勝を飾りました!!
大坂選手の優勝した大会がどのような大会であるかというと
「BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open)」は、四大大会に次ぐ格付け大会で、参加ドローの多さから第5のグランドスラムとも呼ばれています。また、開催地の名前から「インディアンウェルズ・マスターズ」とも呼ばれています。
女子の大会としては、年間4回開催されるWTAプレミアトーナメント(プレミア・マンダトリー) の内の1つです。
賞金額や世界ランキングを決める獲得ポイントが高い大会であるため、世界のトップ選手が参加しています。
女子ツアーが現在のクラス分けとなった2009年から、この格付けの大会で日本選手が優勝するのは大坂選手が初めてです。
大坂選手のこの大会のスコアです。
ラウンド | 対戦相手 | ランキング | スコア |
1回戦 | マリア シャラポワ(ロシア) | 41 | 6-4 6-4 |
2回戦 | アグネツカ ラドバンスカ(ポーランド) | 32 | 6-3 6-2 |
3回戦 | サーシャ ヴィッカリー(アメリカ) | 100 | 6-3 6-3 |
4回戦 | マリア サカーリ(ギリシャ) | 58 | 6-1 5-7 6-1 |
準々決勝 | カロリーナ プリスコバ(チェコ) | 5 | 6-2 6-3 |
準決勝 | シモナ ハレプ(ルーマニア) | 1 | 6-3 6-0 |
決勝 | ダリア カサキナ(ロシア) | 19 | 6-3 6-2 |
2018年3月 「インディアンウェルズ」優勝
元世界1位のマリア シャラポワ、カロリーナ プリスコバ、現世界ランキング1位のシモナ ハレプを撃破して7試合を勝ち抜き、初優勝を果たしました。
大坂のプレースタイルといえば、一度の強打で形勢を逆転できるような攻撃的なストローク力を持っていて、フォアハンド、バックハンドどちらのサイドからでもウィナーを打つことができる。
男子プロ選手レベルの 非常に強力なサーブを持っていて(女子選手で200km/hのサーブが打てる選手は非常に少ない)、また様々なスピンサーブも打てて、緩急をつけることもできる。
といった女子選手の中でも抜きん出たパワーが印象的な選手です。
これまでは、メンタル面から急に崩れてしまうことも多かった大坂選手でしたが、2017年11月に新しいコーチとしてサーシャ・ベイジを迎えてから変化が見られます。
サーシャ・ベイジンは、セリーナ ウィリアムズのヒッティングパートナーを努めた経験があり、ビクトリア・アザレンカのコーチ、キャロライン・ウォズニアッキのアシスタントコーチと世界ランキング1位経験者に関わってきた人物です。
ベイジンコーチの指導のもと、毎日4時間の体幹トレーニングをするようになり、走り回る場面でも安定したバランスでショットを打つことができるようになりました。
さらに、ベイジンコーチから8割程度の力でいいとのアドバイスがはまり、去年までは全力を使ってプレーすることで力みからミスが出ていましたが、終始、冷静な試合運びを行えるようになってきました。
大坂も、ネガティブになりがちな自分の性格に対して、常にポジティブなサーシャ・ベイジンの姿勢は非常に良い影響を与えているともコメントしています。
インディアンウェルズの大会でも、ベンチ脇でサーシャ・ベイジが朗らかな表情で「オンコートコーチング」をしている姿を見ることができました。
完璧主義者でもある大坂は、自分が思う通りにならないとイライラして切れることが多かったのですが、ベイジンコーチがそうした思いになった大坂をオンコートコーチングの際に、ポジティブな方向へ導くように話しかけることで、大坂の顔に笑みが戻るシーンがこの大会で見ることができました。
技術面、メンタル面ともに、さらなる進化が期待できそうで、今後のポジティブなプレーが楽しみです。
サーシャ・ベイジンコーチと大坂なおみの練習風景動画です。
Osaka and Big Sascha
愛されキャラ
大坂なおみは、明るく、謙虚で誠実で非常にシャイな性格であると言われていますが、本人曰く少し皮肉屋さんなところがあるそうです。
インタビューでは、天然っぽい発言をしたり、ユニークな発言や誠実な発言によって注目されており、インディアンウェルズの大会直前にも「大爆笑したい? それなら、新星ナオミ・オオサカの発言すべてに耳を傾けるべし」と特集を大手スポーツ専門局「ESPN」がするほどとなっています。
プレースタイルだけでなく、そうしたキャラも人気を集め、試合会場でも声援が多くファンが増加している様子が伝わってきます。
ツアー初優勝となった「インディアンウェルズ」の優勝スピーチでは、天真爛漫なナオミ節が炸裂。
段取りをすっかり忘れ、「これは、おそらく史上最悪の受賞スピーチになりそうです」と自虐発言も飛び出した130秒のスピーチをWTA公式ツイッターは動画付きで紹介しています。
それに対して、海外ファンからの「ナオミ・オオサカを愛さずにはいられない」といった声が次々と寄せられています。
セリーナ ウィリアムズに勝利
「BNPパリバ・オープン」の初優勝後の週には、フロリダ州で行われた「マイアミ・オープン」に出場。
「マイアミ・オープン」は、「BNPパリバ・オープン」と共に「春の祭典」と称され、プレミア・マンダトリーの大会の一つです。
この大会の初戦、大坂選手の最も憧れてきたセリーナ ウィリアムズ選手に対して6-3, 6-2で勝利しました。
女子ツアーを統括しているWTAの公式サイトでは、この試合について「大坂がマイアミでセリーナを沈める」と紹介。
四大大会最多23度の優勝を誇る元世界女王に快勝した大坂を絶賛しています。
マイアミ・オープン 一回戦 ビーナス ウィリアムズに勝利
大会後のインタビューで大坂は、
「最初はとても緊張したセリーナは私が大好きな選手で、セリーナと試合をするだけで夢のようですごく光栄だし、勝つことができてもっと嬉しいです」
「セリーナを驚かせたかった。彼女にもう一度『カモン!』と言ってほしくて、それができたと思うからよかった」
と尊敬するセリーナに『カモン!』を叫ばせるまで真剣に試合をしてもらえた試合ができたことへの喜びを語っています。
セリーナ ウィリアムズは、2017年1月の全豪を最後に産休に入り、2017 年9月に女児を出産。
大坂初優勝の「BNPパリバオープン」が復帰戦だった。
産休、産後と1年以上、ツアーから離脱したため、世界ランキングは491位にまでに落ちていました。
セリーナ ウィリアムズ選手の強さの秘密は、こちらの記事をどうぞ
そして、2回目の対戦となるのが2018年の全米オープン決勝です。
こちらは冒頭でお伝えした通りに、大坂選手のストレート勝ちとなりました。7kg減量して、強打とほかにフットワークがよくなり、課題とされていたメンタル面もベイジンコーチのおかげでポジティブとなった大坂は、前回対決以上にセリーナを圧倒します。
この試合について、セリーナは大坂選手について彼女のテニスは、果てしなく安定していたと思う。とても集中していた。彼女から学ぶことが沢山あった」と褒めたたえています。
「WTAファイナル」初出場
2018年10月22日には女子テニスの年間の成績上位8名によるツアー最終戦の「WTAファイナル」に初出場を果たしました。
シンガポールで行われたこの大会、日本女子としては2003年の杉山愛さん以来の出場です。
これは、どういう大会であるかというとA組、B組と4人ずつに分かれて、総当たり戦(ラウンド・ロビン)を行い、上位選手2名が決勝トーナメントに進出。その4名で準決勝 → 決勝が行われ、優勝者が決定するというもの。
大阪なおみ選手はA組となり、結果は下記の通り。
大坂なおみ | 1 |
5-7 6-4 1-6 |
2 | スローン・スティーブンス |
大坂なおみ | 1 |
4-6 7-5 4-6 |
2 | アンゲリク・ケルバー |
大坂なおみ | 棄権 | 3-6 | キキ・ベルテンス |
1次リーグの2戦目で痛めた左太ももが悪化し、3戦目は力ないサーブのミスを繰り返し、棄権を申し出て、2018年の日程を終えました。10月29日のランキングは、前週にマークした自己最高位の4位から5位へと後退しました。
Naomi Osaka v Elina Svitolina highlights (2R) | Australian Open 2016
もっと上手くなりたい、もっと試合に勝ちたいと思っているならば ![]() |