覚えておきたい!テニスシューズのパーツ名称と機能
テニスシューズは、沢山のパーツが組み合わされてできています。そうしたパーツには、それぞれに名前があって、ショップなどでの商品説明にも使われています。
テニスシューズを買おうとシューズ売り場やネットでの説明文で、見かける「アッパー」「アウトソール」といった専門用語を見かけることもあると思います。
けれども、そうしたシューズのパーツ名は何となく見かけてるけれども、あまり理解していないという方も多いのでは?
シューズは、テニスにおいて「重要アイテムの1つ」です。
自分に合ったシューズを履くことで、良いフットワークにつながり、試合に大きく影響します。
基礎的なテニスシューズのパーツ名称と機能を理解しておくことで、商品の説明文を理解して、自分にあったものを選ぶことができるはずです。
そこで今回は、テニスシューズでよく用いられる各部の名称と、それぞれの機能についてお伝えします。
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この記事の目次
テニスシューズの基本構造
テニスシューズは、どのメーカーでもほぼ同じ基本構造で作られています。
テニスシューズの構造を「車」に例えるならば・・・
アウトソール⇒タイヤ
ミッドソール⇒サスペンション
アッパー⇒ボディ
といったところでしょうか?
そういえば、テニスシューズのメーカーには、タイヤメーカーでもある「ダンロップ」「ブリジストン(現在は生産していませんが)」があります。
また「バボラ」には、ミシュラン社と共同開発したアウトソールを使用しているモデルもあります。
画像:バボラ
パーツ名称と機能
テニスは、「足ニス」とよく言われます。
テニスシューズには、様々な機能が込められています。
進む、止まる、跳ぶ、蹴る、着地する、踏ん張る、スライディングする…など
試合中の過酷な状態にさらされる状況で、足がそれに耐えられるように、なおかつプレイヤーがもつ技術や力を最大限に発揮できるように、シューズには様々な素材やテクノロジーが注ぎ込まれたパーツを組みあわせて作られています。
シューズの基本構造やパーツ名を知ることで、どのような機能のために、どのような素材やテクノロジーを使っているのかが理解できます。
そうした知識によって、自分に合うシューズが見つけやすくなりますので、少しずつでも覚えていきましょう。
アウトソール
アウトソール=靴底のことです。(上の画像の③部分)
唯一、地面に触れるパーツ。
テニスシューズの基本的機能の「ストップ&ダッシュ」に大きくかかわる部分です。
素材や形状を変えてグリップ力を高めたり、蹴り出しや踏み込みといった荷重移動をスムーズにする機能があります。
また足裏が曲がりやすいように縦、横方向に溝がもうけられ、屈曲しやすいように工夫されております。
コートサーフェスの種類により、それぞれに合ったソールパターンを各メーカーがモデルごとに開発をしています。
足の動きが有効に、それぞれのサーフェスをグリップできるように、また適度なスライドが可能であるように設計されています。
下は、スリクソンの『プロスパイダー・アルファグリップ2』モデルの説明です。
オールコート用とオムニ&クレーコート用では、異なったソールパターンを用いています。
画像:スリクソン
どんなコートサーフェスでも使える「マルチコート」仕様のシューズが2018年にアディダスから発売されています。
ハードコートでも砂入り人工芝、クレー、芝生でも、プレーできるシューズです。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ。。
「マルチコート」仕様が登場!!以外にも、2019年人気、おすすめシューズについても紹介しています
テニスのパワーは、踏ん張って蹴る足の力をシューズに伝えることで得られます。
その力をロスなく伝えるのが、アウトソールです。
メーカーやモデルによっても、どういった部分を重視して作成しているかが違いますので、自分のプレースタイルや好みに応じて選ぶことで、試合で勝つ力となってくれたり、プレー上達に役立ってくれます。
また、ソールパターンで、かなり地面のグリップは変わってきますので、同じオムニ・クレー用でも、そのデザインによってオムニコート寄りの作りだったり、その逆のクレー寄りのこともありますので、自分が使用するコートのサーフェスに合ったものを選ぶようにしましょう。
主なテニスシューズの特徴(サーフェス別)については、こちらの記事を参考にしてください。
テニスシューズの寿命を見極めるためには
アウトソール(靴底)が、硬化していないか、擦り減り消耗し、滑りやすい状態になっていないか、時々確認してください。
ミッドソール
アウトソールとインソールとの間に入るパーツで、アッパーと接着されているソールの一部分です。(上の画像の⑦部分)
テニスシューズの衝撃吸収性や優れた履き心地は、このミッドソールのクッション性にあると言ってもよいでしょう。
シューズメーカーの技術を終結させているパーツで、最もパーツとしては熱い!部分です。
衝撃吸収性のあるコンプレッションEVA※やポリウレタン、ジェル素材などを使用しているモデルが多いです。
※E.V.A.とは EVA素材とは合成樹脂のことで、Ethylene Vinyl Acetate Copolymer(エチレン・酢酸ビニル共重合体)の頭文字をとった略称です。 柔らかく軽量でクッション性も高く、水や紫外線に対し劣化がしにくく、耐久性・耐衝撃性に優れた性能を発揮するし、形成や弾力性の調整などの自由度が高い。 スニーカーのミッドソールや、crocs(クロックス)などに使用されている合成樹脂です。 ほとんどすべてのテニスシューズのミッドソールの材料として使われています。 |
シャンク
ミッドソールの前足部と後ろ足部をつなぐ連結部分のパーツです。
ここの捻じれによって、後ろ足部分では体のバランスを保ち、前足部分では地面を効率よく踏み込んでグリップしてパワーを伝えることができます。
シャンクには、足に負担のかかる捻じれ過ぎを制御する役目があります。
下は、スリクソンの『アクティベクター』モデルのシャンクの説明です。
画像:スリクソン
また、シャンクには足のつま先が曲がる位置を決める役割もあります。
指の曲がり位置とシューズの曲がり位置が合っていることが大切です。
画像:いい足どっとCOM
インソール(インナーソール)
インソール=中敷きのことです。(上の画像の⑥部分)
足を入れた時に、足に一番近いパーツのためフィット感を左右します。
ちなみに、取り外し可能なインソールは、「カップインソール」と言います。
ほとんどのシューズは「カップインソール」なので、オムニコートでプレーをした後は、外して中の砂を出しておくようにしましょう。
汚れたら取り出して、洗うこともできます。
また製品シューズに挿入されていたオリジナルではなく、インナーソール専門メーカーが発売しているものと入れ替えることもできます。
(シューズ本体とのマッチングを考慮の必要はあります。)
ほとんどのプロ選手は、自分の足型に合わせた特注のものを既成のものと取り換えて使っています。
テニスシューズの商品の中には、あらかじめ2タイプのインソールが用意されているものもあります。
下の画像は、スリクソンの『アクティベクター』のインソール。
1足で柔らかい履き心地で軽いフットワークを求める時には、「コンフォート」、高いレスポンスを求める時には「スリム」を選べるようになっています。
画像:スリクソン
なぜ2タイプも用意しているのか?というと
インソールは実は、シューズ以上に?絶大的な効果があるからです。
インソールの4つの効果というと 効果① コートカバーが広くなる インソールがフィットすると、ダッシュ時の足の力が効率よく地面に伝わり、コートカバーを広くすることも可能になります。 効果② 捻挫しにくくなる また、テニスでジャンプした後に足首が倒れて捻挫しないようにサポートします。 かかとをすっぽり包むことで、足首は倒れにくくなります。 効果③ 足のアーチを保てる テニスをしていて疲れてくると、足の「アーチ」が下がってきます。 アーチは、筋肉と靭帯でできていますが、このアーチが下がってしまうと足底腱膜やアキレス腱を引っ張ったりするので、足に障害を引き起こす可能性が出てきます。 足のアーチは、3つ。外側縦アーチと内側縦アーチ、そして横アーチの3つがあります。
市販のシューズにあらかじめついてきているインナーソールには、「縦アーチ」「横アーチ」が盛り上がっているものも多くあります。 このアーチがついているものであれば、アーチが落ちてこないようにサポートをしてくれます。 効果④ グリップ力をあげる インソールによって、シューズと足の一体感が増して下半身が安定します。 腕力に頼ったストロークでは、力んでしまったり、精度も落ちてしまいます。 より強力で安定したストロークが可能になります。 |
足や膝に悩みがある方は、インソールが強い味方になってくれるかもしれません。
インソールについては、こちらの記事を参考にどうぞ。
アッパー
シューズの足の甲を包む上側全体部分です。(上の画像の②部分)
足をシューズのフィット性や安定性、通気性、動きやすさに影響する。
テニスシューズの顔の部分で、製造メーカーのブランドの個性が一番出ているところです。
下の画像は、スリクソンの『アクティベクター』
画像:スリクソン
様々な素材を使用しており、いくつものパーツを組み合わせて立体縫製されています。
ほとんどのシューズの表面は、軽さ・強度・通気性・屈曲性などに優れているRPU(ラバーポリウレタン)樹脂が使われています。
シューズ寿命をチェックするポイント
シューズの寿命の判断をアウトソールだけでしているという方が多いと思います。 実は、アッパー素材もチェック・ポイントなんです!
アッパーが柔らかくなってしまうと足に力が入りにくくなってしまい、疲れやすくなったり、瞬間的な動きにも反応しづらくなってきてしまいます。 その寿命の目安としては、レベルや体力に関係なく… 1週間に2回以上テニスをする方なら、「1年」です。 足や膝などの呼称を抱えている方であるなら、早めの買い替えを検討した方がよいでしょう。 |
☆テニスが上手くなりたい方におすすめ↓
シューレース
シューレース=靴紐のことです。(上の画像の①部分)
シューレースは、その時々に応じたフィット性を保つための重要なパーツです。
ちなみに、シューレースを通す穴のことはアイレット(EYELET)または鳩目(ハトメ)と言います。
平紐タイプ
テニスシューズの現行モデルのほとんどが、平たい紐状の「平紐」を使っています。
「平紐」は、結ぶ時は、緩みにくく、結びめもしっかりし、脱ぐ時も緩めやすいタイプです。
足は、体調により日々変化します。
一度、履いた紐をそのまま緩めて、次に履く時にはそれを締めるだけて履いていませんか?
毎回、使用前に甲にフィットするように、シューレースを改めて調整するようにしましょう。
自分に合ったテニスシューズを吟味して購入したとしても、ちゃんと靴紐を結べていないと、せっかくのシューズが生きてきません。
テニスシューズを吟味して購入しても、正しく履かなければ価値が下がってしまいます。
こちらの記事を参考にして、正しい履き方を覚えてください。靴ひものむすび方も載せています。
結ばない靴ひも
従来のシューレースとは、異なる商品も生まれています。
2013年に発売したキャタピランの「結ばない靴ひも」は、ゴム紐のように伸び縮みします。
コブ状のふくらみとゴムひものような伸縮性を持ったキャタピランは、伸びるゴムと伸びないナイロンを混合して編み込んでいる商品です。
すぐ履けて、ほどけにくい。足裏全体で着地できる。心地よいフィット感がウリです。
画像:SHOP TWINS
ワイヤー(ダイヤル式)タイプ
さらにモノグサ?な方に向いているシューレースがあります!
「Boa®フィットシステム」というシューズの紐の代わりにワイヤーが採用されたダイヤル式なら、ダイヤルを回すだけでワイヤーが巻き取られ、シューズが締めつけられていきます。
ダイヤルを回すだけで、 均等に締まり、足を包み込む絶妙のフィット感をミリ単位で調整できます。
緩めた状態から締め付けまで、約5秒でOKの手軽さがウケています。
緩める時も、ダイヤルの部分をカチッと引っ張ればOK。
下の画像は、ヨネックスの『パワークッションコンフォートワイドダイアル2GC』
画像:ヨネックス
シュータン(タン)
シューズの足入れ部分から、シューレースを編んである甲部を覆う縦長のパーツです。(上の画像④の部分)
「ベロ」とも言います。
アッパーの一部分で、足の甲部分の保護や砂・小石などがシューズに入ってこないような役割もあります。
シューズを足にフィットさせるのに重要な役割をになっていますが、これが無いテニスシューズもあります。
タン
タン(TONGUE)は、通常、甲中央部分の内側についている舌状のパーツです。
シューズを履くときにタンが奥に引き込まれないように、シューレースを通すループ(紐を通す筒)が中央やや上部に着いている場合が多い。
モノソック型
ベロとアッパー一体型構造になっているタイプ。足首周りの安定感が抜群です。
下の画像は、アシックスの『COURT FF』
画像:アシックス
ソックス型
ライニング(靴のアッパーの内側(肌に接着する側)の布)とタンが一体化したソックス構造のタイプは、フィット感は抜群によく、足全体をサポートします。
下の画像は、アディダスの『ウーバーソニック3』
画像:アディダス
ヒールカウンター
踵(カカト)の部分に搭載されている芯材です。(上の画像⑤の部分)
直接目にすることができない部分ですが、硬い樹脂のパーツが入っています。
シューズを履く時は、足を踵に合わせてから履きますが、足の踵を安定させる役目を果たしています。
踵がグラつくと、全身が安定しません。
人間の構造上、踵位置の骨がそのまま、その上の膝関節や股関節、上半身と連動してきます。
コート上でも、スリップしたり、相手から逆をつかれた時にも、安定した踵ならリカバリーもできます。
フットワークが激しいプレーヤー用に設計されたシューズには、よりしっかりしたものが内蔵されますが、その分重くなってしまうのが当たり前でしたが、技術の向上により、安定性を高めながらも軽量を実現したモデルも発売されてきています。
履き方として、気をつけて欲しいことがあります。
「シューズの踵をつぶして履いてはダメ!」と言うのは、ヒールカウンターの性能を壊してしまうから。
履き口の開口が不十分な状態で、足を押し込むように履くのも、履き口が踵で押されヒールカウンターの破損原因となります。
ヒールカウンターがつぶれ、変形すると、足の損傷や不安定な動作を招くおそれがあります。
絶対に、踵は潰さないようにしましょう。
画像:ニューバランス
まとめ
テニスシューズは、前へ進む動きを繰り返すランニングシューズなどどは違って、前後左右に動かなければなりません。
プレイヤーがシューズに求められる要望も様々です。
安定性もほしいし、軽量でもあってほしい……。
砂入り人工芝でしっかり止まってほしいけど、止まりすぎても困る…。
使用するプレイヤーのレベルやプレースタイルにも、応じたものでなければなりません。
そうした要望に応えるべく設計されたシューズは、ラケットほどコダワリを持って追及している方はそれほど多くないかもしれません。
けれども、シューズによって、プレーだけでなく、体への負担も大きく変わってきます。
この記事を参考に、シューズを探す時に困らないだけの基礎的な知識を持っていていただきたいと思います。