テニスシューズの選び方は? テニスギア対談②【動画有】
「テニスの学校」とテニスマニア中居さんとのテニスギア対談第2弾は、テニスシューズについてです。
プレーヤーの味方となってくれるようなシューズを選ぶための基礎知識をテニス用具全般についてなんでも知っているテニス用具ご意見番の中居さんに伺いました。
シューズを取り上げたのは、フットワークが大切なテニスにとってラケットと同じくらいシューズ選びが重要だからです。
この記事で、沢山あるテニスシューズの中から快適なプレーができる1足を選びやすくなることでしょう。
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コートサーフェスによる選び方(靴底の違い)
中居 晃(なかい あきら)さん
大手スポーツ専門店に勤続33年
その間に発売されたラケットはほぼ全て試打し、体にいいもの、テニスが上手くなるグッズを日々探されています。テニスマニアなら押さえておきたい情報満載の「マニアック通信」を2017年まで16年続ける。
河合 幸治 (かわい こうじ)
埼玉のテニススクール「テニススタジオ川口」校長&テニスwebレッスン「テニスライズ」代表
元全日本ランカーにして数々の公式戦に優勝してきた経験から、テニス上達のコツをわかりやすく伝えることに日々燃えています。
まずは、コートサーフェス(コートの材質の種類)からテニスシューズを選んでください。
◆砂入り人工芝(オムニコート)用
日本で今一番多いコートは、砂入り人工芝(オムニコート)です。
公営コートでは、大半のコートがこれです。
オムニコートが増えた理由としては、手入れが比較的簡単であることと、ハードコートでは少しの雨でも滑って危なくなるけれども、オムニコートでは多少の雨でもプレーができてしまうからです。
砂が表面にかなり撒かれていて滑りますので、オムニコート用の靴の靴底(ソール)はグリップ力のあるドットパターンになっています。
砂の量によってはかなり滑りますので、溝のないソールの場合はツルツルしてしまってスケートのようになってしまいます。
ソールにいぼいぼのパターンがつくことで溝の部分がグッと入り込んで、砂のある所でも滑らずに一歩目の蹴りだしがスムーズにできます。
もし、一歩目が滑ってしまいますとボールを取りに行けなくなります。
特にコートのサイドには砂が溜まっていることが多いので、サイドに振られたときにズルっと滑ってしまってセンターに戻れなくなります。
これが専用のものを履くことで起こりづらくなります。
オムニ用は砂でも滑らないイボイボのあるものを
出典:スリクソン
◆カーペットコート用
インドアのテニススクールコートでは、カーペットコートを使っているところがあります。
カーペットに近い砂のない人工芝のコートでもそうですが、こうしたところでオールコート用を履いたのではキュッと止まってしまいます。
そうすると、衝撃を吸収できなくてつっかかって、捻ってしまうこともあり、足首や膝を痛めたり負担が大きくなったりします。
カーペット用は少し滑ることのできる平らなものを
そういったところでは、ソールは平らなものが合います。着地したときに、少しスライドして力を逃がすことができるので引っかからなくなります。
インドアコートの場合は、専用のものを使った方が体にも良いですし、プレーの質も上がります。
◆クレーコート用
ほとんどなくなってきたのが、クレーコート専用の靴です。
昔は、アシックスのアドバンテージが有名でしたが、今は廃版になっています。
クレーコートが少なくなってきてしまっているので、あまり作られなくなってきました。
ヘリンボーン(魚の骨模様)のパターンがクレーコート用シューズのソールの特徴です。
クレー用は滑りやすいのでグリップ力のあるヘリンボーンパターンで
画像:gooブログ
◆オールコート用
テニスシューズの種類としては、「オールコート用」と言いますが、コートとしては「オールコート」というコートはありません。
「オールコート用」は、何にでも使える中庸な靴、逆に言えば、ちょっと中途半端な靴といえます。
本来はプレーするコートに合わせた種類の靴が良いのですが、テニスを始めたばかりでどういうところでプレーするのか分からない、いろいろな種類のコートに行くかもしれない・・・
そういった方は、違った種類のコート用のものを一度に2足はなかなか買えないので、オールコート用を買っておけばどんなところに行ってもとりあえずプレーできるので、最初の1足として良いものです。
出典:スリクソン
テニスの学校から |
オールコート用は、どのコートでも使えるように聞こえますが、実際はハードコートやカーペットコートでの使用向けのものです。 本当は、ハードコート専用やカーペットコート専用シューズがベストですが、あまりメーカーから販売されていません。オールコート用の中で、目的に合ったものを選ぶようにしてください。 ただし、オールコート用の中には引っ掛かりの強いソールパターンのものもあり、カーペットコートでは危ない場合もありますのでテニスショップで相談の上、購入されることをおすすめします。 |
オールコート用シューズ どのコートでも一応対応可能(これから始められる方向け・最初の1足として)出典:スリクソン
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オムニ・クレー用シューズ オムニコート・クレーコート兼用で使用できるタイプです 出典:スリクソン
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各コート専用シューズ カーペット用 出典:スリクソン
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ハードコート用 出典:asics
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オムニコート用 出典:asics
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クレーコート用 出典:NIKE |
各コート専用のシューズというのはあまり販売されていません。カーペットコート専用のシューズならば、まだある程度販売されています。 |
シューズを足型、サイズから決める
シューズの形は、幅広のものと細いものとがあります。
それと、何センチの靴を選べばよいかも重要です。みなさん頭の中では「自分は何センチ」と思っていても、足型を測ってみますと意外と小さい方が多くいらっしゃいます。
足の測定は右、左両方を行う。 ポイントは、『捨て寸』として5ミリ~1センチをプラスすること。
実際に、測定した長さの数値が25cmだった場合は、そこに『捨て寸』として5ミリ~1センチをプラスして、シューズの大きさは25.5cmか26.0cmを選ぶことが正解です。
右と左とでは0.5 cm位サイズが違う方が多くいらっしゃいます。
右足が25cm、左足が25.3cmの場合、25.5cmを選んでしまったら、左足の爪がシューズに当たってしまいます。
お客様は、ゆとりのある方が楽でイイという感じでご自分の足のサイズよりも大きすぎる(長すぎる)靴を買われる方が多いのですが、それですと靴の中で足が動きすぎてしまいます。
また、幅が広い方がゆとりがあってラクでいいという方もいらっしゃいますが、そういう方に限って足が細いケースが多くみられます。
そうすると、サンダルでテニスをしているような状態になります。
幅はジャストで、長さは足の指先に指一本(5~10ミリ程度)余るくらい余裕のある靴を選んでください。
◆ショップで計測してもらう(アートスポーツさんの場合)
足型や幅だけでなく、本格的に足のカカトの角度とか土踏まずの上がり方とかを測る機械もありますので、自分の足のサイズに不安な方は相談できます。
メーカーによる違い
それぞれのメーカーによる特徴としては、おおまかにいうとまず幅の違いがあります。
欧米諸国のメーカーのものと日本のメーカーのものとでは、幅が少し違います。
◆すらっとした足型の欧米タイプ
アディダス、ナイキ、バボラなど外国メーカーのものは細めです。外国の方の足型はすらっとしています。
ですので、足の先が幅広いという方にはちょっとツライ場合があり、小指が靴に当たってしまうということもあります。
◆ゆったり幅の日本人向け
アシックス、ミズノ、ヨネックスなど日本メーカーの靴は日本人の幅に合わせてあります。こういったメーカーは、大体幅がゆったりしています。
また、プリンスは日本のメーカーではないのですが、日本規格となっています。
◆足幅が選べるメーカーも!
中には、足幅が選べるメーカーもあります。
アシックスの靴の中には、スリム、レギュラー、ワイドが選べるものがあります。
ニューバランスも、D(やや細い)、2E、4Eが選べるモデルがあります。
同じ機種で幅が選べる例としては
アシックスの『プレステージライト』という軽量機種に、スリム、レギュラー、ワイドがあります。
けれども、こうした同じ機種の中から足幅が選べるモデルは少ないので、まずはメーカーから選んでいただいた方が無難です。
人によって、靴の中で足が当たる場所も違うので、まずは販売店に行ってフィッティングした上で選ぶと自分に合った靴を見つけることができます。
YouTube『テニスの学校』テニスギア対談②
まとめ
テニスマニアの中居さんにテニスシューズの選び方についてお聞きしました。
テニスショップやスポーツ店によっては、異なるサーフェスのマットまで用意されていますので、実際のコートでの使用感まで体感できるようになっています。
そこまで備えてくれている店舗はなかなかないですが、それでもシューズを購入する際には、必ず実店舗に足を運ぶようにしましょう。
自分の思っていた足のサイズが違っている場合もありますし、実際に履いて動いてみた感触を確認することが大切です。
また、シューズ選びの専門的な知識を持ったテニスショップの店員さんであれば相談しながら選べる安心感があります。
ただ、一般のスポーツ店の店員さんではそれほど期待できないことも実状ですので、今回の記事も参考にして自分に合ったシューズを選んでください。