意外に知らなかった? テニス ラケットのパーツの名前【動画有】
コーチから「ラケットのスロートを左手で支えて!」と言われたことはありませんか?
と言われても「スロートって何? どこ??」っていう方は大勢いらっしゃるかと思います。
何百年も前に生まれたテニスラケット。
テニスラケットの各パーツの名称はウッド(木製)ラケットのころからの伝統が息づいています。
テニスラケットの歴史を振り返るとともに、その名称を確認していきましょう。
また、素材がウッドからカーボン(炭素繊維)になったことで、新しく加わったパーツがあります。
パーツの名称が分かると、テニスラケットの歴史が分かるかもしれませんよ。
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この記事の目次
テニスラケットの構造
テニスラケットのフレームは、「ヘッド」(スロートを含む)と「ハンドル」に大きく分かれます。
ヘッドはさらに、ヘッドとハンドルをつなぐ「スロート」に分かれます。
画像はダンロップスポーツ株式会社ホームページより
フレーム
硬式テニスラケットは、ルール上、フレームの全長73.7cm(29インチ)、全幅31.7cm(12.5インチ)を越えてはいけません。
現在のラケットのフレームの多くは、カーボン繊維を筒状に成形し、U字形にしてラケットの形にしています。
丸いフェイスとシャフトをつなげた構造ではありません。
カーボンを使用した初期モデルを見るとそれが良く分かります。
画像はYAMAHAホームページより
カーボン繊維をシート状にし、繊維の角度を変えて、重ねながら筒状にした「ラミネート製法」と、カーボンの糸を編み込んだ「ブレード製法」の2種類のフレームがあります。
下の画像を見てください。
編まれたものがブレード製法で、従来のカーボンとなっているのがラミネート製法です。
画像はブリジストンスポーツホームページより
ハンドル(グリップ)
普通、「グリップ」と呼んでいますが、ルール上は「ハンドル」と呼びます。
ハンドルは人が手で握るところで、滑り止めのためにグリップレザーが巻かれています。
以前は牛の皮が巻かれていましたが、現在では合成皮革のものが主流です。
詳しくはグリップレザーのところで説明します。
ハンドルのグリップサイズには0、1、2、3、という表示があります。
これはグリップの外周の長さを表す数字です。
0は4インチ(10.16cm)ちょうどです。これを基準とします。
1、2、3という数字は、4インチ+8分の何インチの何の部分です。
の各外周になります。
ウッドラケットはグリップサイズが5までありました。
今では信じられない太さです。
グリップサイズは細くなればなるほど、手首が使いやすくなります。
ウッドラケットは手首を使わずに、押すように打っていましたが、現在の軽くて高反発のラケットは、体の回転を使ってリストワークを使い、高速スイングをするために、グリップサイズはどんどん細くなっています。
ナダル選手やフェデラー選手は、グリップサイズ2を使用しているようです。
これも驚きです。
グリップサイズのおススメは、女性が1、男性は2が平均です。
オーバーグリップテープを巻くと、0.5ほどグリップサイズが太くなります。
また、太いとストローカー向き、細いとボレーヤー向きといえますので、プレースタイルによってグリップサイズを決めてみてください。
画像はダンロップスポーツ株式会社ホームページより
ヘッド(フェイス)
ルール上、硬式テニスラケットの打球面(フレームの内側)は縦39.4cm(15.5インチ)、横29.2cm(11.5インチ)を越えてはいけません。
ボールを捉えるための糸が網目状に張られていますが、この糸のことを「ストリング(ガット)」と呼びます。
ストリングは、十文字に交差していなくてはならなくて、交互に編み込まれている必要があります。
網目が三角形や六角形になっているとルール違反です。
また、中央部より外側の網目が細かくなってはいけません。
案外、知らなかった人も多いのでは?
ちなみに、ウッドラケットのフェイス面積は約70平方インチでした。
現在のラケットのフェイス面積の標準は100平方インチです。
道具の進化は、私たちに多くのメリットを与えてくれているのですね。
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パーツ名
グロメット
「グロメット」は、紐(ひも)状のものを通したことで本体が傷ついたり、通したものが本体でこすれて傷ついたりしないように、差し込まれた管(くだ)のことをいいます。
テニスラケットの場合は、ストリング(ガット)がフレームとこすれて、傷がつかないようにするためのものです。
ウッドラケットの時代は素材が柔らかかったため、グロメットはありませんでした。
素材がカーボンになり、そのフレームに穴を空けただけでは角がきつくて、ストリングがあっという間に切れてしまうようになりました。
そこで登場したのが、グロメットです。
当初は、一つの穴に一つのグロメットを単独で挿していましたが、現在ではつながっている連続グロメットになっています。
グロメットが痛むとストリングが切れやすくなりますので、ストリングを張り替えるタイミングで交換しましょう。
交換用のグロメットが手に入らないのであれば、ラケット買い替えの時期だと思いましょう。
グロメット交換【動画有】
PD Grommet Replacement(Mr10sStringer)
バンパー
ラケットの「バンパー」は、車のバンパーと同じような役割をしています。
本体に傷がつかないように守ったり、コートなどに打ち付けてしまったときの、衝撃緩和に役立っています。
ブリッジ(ヨーク)
「ブリッジ(Bridge)」は和訳すると橋です。テニスラケットでは、左右のフレームを渡す架け橋(A bridge)の部分です。
「ヨーク(Yoke)」は和訳すると頸木(くびき)になります。
頸木は牛や馬を牛車や馬車につなぐときに頸(くび)を挟む二本の棒のことで、二つのものを結びつけるという意味もあります。
画像はウィキペディアより
言葉の意味を調べると、なるほどなと思わされますね。
ウッドラケットの一本シャフトのラケットには、ブリッジが存在しませんが、素材がカーボンになりシャフトが二本になったことで、ブリッジが存在するようになりました。
画像はYAMAHAホームページより
ウッドラケットでも二本シャフトのラケットがあり、この穴の部分をオープンスロートと呼んでいて、それにはブリッジが存在しました。
画像はダンロップスポーツ株式会社ホームページより
スロート
「スロート(Throat)」を和訳すると喉になります。テニスラケットでは、ヘッドとハンドルをつなぐ部分を指します。
一般的には「シャフト」とも呼ばれています。
ウッドラケットでは、この部分に穴が開いているものを、オープンスロートと呼んでいました。
何で、シャフトのことをスロートと呼ぶのか分かりますね。
グリップバンド
「グリップバンド」は、グリップレザーを留めているテープの剥がれを防止したり、オーバーグリップの最後を、テープを用いずに留めたりするときに使います。
オーバーグリップを巻く人がほとんどの昨今、便利なものが付くようになりました。
グリップレザー
ハンドルには滑りを防止するために、「グリップレザー」が巻かれています。
現在では合成皮革のグリップレザーが主流で、原材料の多くはポリウレタンが使用されています。
牛の皮でできたグリップレザーは汗には弱いですが、グリップの角が立ちやすく、面の向きがつかみやすい特長があり、合成皮革のグリップレザーから、牛の皮でできたグリップレザーに巻き替えるプレーヤーもいます。
画像はkimony JAPANホームページより
合成皮革のレザーグリップは、その素材の多くがポリウレタンからできているので、長く使っていると、ポリウレタンがヘタって潰れてきます。
潰れてしまうと、クッション性が落ちますし、グリップ力も落ちてきます。
そうすると、手首や肘の故障につながりますので、リプレイスメントグリップを購入して巻き替えましょう。
画像はダンロップスポーツ株式会社ホームページより
リプレイスメントグリップにはいろいろな厚さのものがありますから、元グリップのレザーの厚さと、なるべく同じ厚さのものを選ぶようにしましょう。
あまり違ってしまうと、グリップの太さが変わってしまいます。
リプレイスメントグリップ巻き替え方をナイトミッドさんの動画からご紹介します。
「テニス」元グリ巻替え(ナイトミッド)
エンドキャップ
画像はダンロップスポーツ株式会社ホームページより
グリップエンドには、「エンドキャップ」が装着されています。
試合をするとき、コイントス代わりにラケットを回しますが、これでラケットの表と裏が分かりますよね。
まとめ
硬式テニスのプレースタイルは、ラケットが変えて来たといっても過言ではないしょう。
そんなテニスですが、ラケットが進化しても、ラケットパーツの名称にテニスの歴史が残されています。
これからも、どんどん新しいラケットが出て来きて、歴史を刻んでいくことでしょう。
そして、テニスのプレースタイルも、これから開発される新しいラケットによって、さらに進化していくのでしょうね。