テニス スプリットステップの正しいやり方【動画有】

スプリットステップのやり方、役割とともに、スプリットステップを使っての動きのコツをお伝えします。
スプリットステップは相手が打つ瞬間、すべてのショットで行っている動きなので、基本中の基本となる大切な動きです。
上達してくるとほとんど意識せずにやれている動きですが、身につくまではある程度意識しないと自分のものとなりません。
また、「スプリットステップはできているよ!」という方でも、実は正しく効率的なスプリットステップを行えていないかもしれません。
相手のボールへきちんと反応できるステップを身につけましょう。
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この記事の目次
スプリットステップとは
「スプリットステップ」は、テニスのフットワークにおいて重要な要素の1つです。
どのショットでも使う動きですので、テニススクールなどでテニスを始めるときに、
最初にスプリットステップをして動き始めるように教わっているはずです。
動きとしては、両足を開いた下のような形で「軽くジャンプ」します。
テニスは常に動きながら行うスポーツで、スプリットステップは相手が打つ前には必ず行う動きです。
テニスのキャリアが長くなってきたり上達してくると、
無意識のうちにスプリットステップを習慣的にやっていると思います。
といっても、初心者や初級者などまだスプリットステップの習慣が
身に付いていないうちは相当意識をしないと足が止まってしまいがちです。
また、年配の方でずっと足を動かしているのは体力的にツラいという人もいます。
でも、上手な人達の動きをよく見ると絶えず足を動かしていませんか?
逆に、あまり上手くない人は足が止まっていることが多くありませんか?
これをきちんと行なう習慣がついているかどうかで、ボールに対する反応が大きく変わってきます。
テニスが上手くなるために、やることの意味を理解して常に行うようにしていきましょう。
スプリットステップの役割
なぜ「スプリットステップ」をやるのか?というと…
相手から来るボールへの反応をよくするためです。
状況判断
相手をよく見ることで、相手がどこに打とうとしているのか、
どのようなボールを打とうとしているのかの状況を判断できます。
「相手の打球に集中」することが、スプリットステップの大切な役割です。
それが「相手が打つ時に両足でジャンプする」や「サーブ&ボレーであそこまで進んだら止まる」
といった意識では、本来の目的をなかなか上手く果たせません。
どこに打つかわからない相手のボールをよく見よう!と意識していれば、
ボールが打ちだされた瞬間に次の動きに移れるはず…とさえ言えます。
まずは、相手を見る意識を持つようにしましょう。
次の動きへの準備
できるだけ早く、相手が打ってきたボールへスタートを切るためには、
運動効率の良い動き方をしたいものです。
その準備をすばやくするキッカケとして、スプリットステップを行うことが
効率良く動き始めるための良い姿勢になります。
正しいスプリットステップの方法
動き方の3つのポイント
スプリットステップはいつもやっているから特に問題ない!とか、ちゃんとやっているはず?
という人も自分の動き方が正しくできているか確認してください。
スプリットステップの動作を間違えている人の多くは
スプリットステップ≠止まる
動作であると認識されているようです。
なぜ、間違っているかというと、「止まる動作」をしてしまうと
そこからはなかなか動き出しにくいからです。
止まってからの漕ぎ出しは大変!
人間の体だけではなく、何事についても言えることですが、
「どっしりとした」状態を作ってしまうと動き出しにくくなります。
では、どのようにしたら一歩目をスムーズに出すことができるか?というと
「不安定さ」を生かすことが大事です。
「不安定」なものは、簡単にちょっとした力を加えることで動く状態です。
あえて、不安定な状態を作っていくことで、一歩目をすばやく「ポン」と出すことができます。
どのような姿勢がそうした状態かというと…
皆さんがスプリットステップの開脚した姿勢をとった時に、
後ろから背中を軽く押されたら動くような状態です。
次への動きがすぐにできる姿勢
この姿勢であれば、少ない力で効率よく一歩目を出すことができます。
では、具体的に姿勢のとり方についてのポイントを説明していきます。
下半身の3つの箇所の「曲げ」がポイントです。
膝の曲げ、股関節の曲げ。
この2つは、多くの人が気をつけているかと思います。
ただ、この2つを曲げるだけでは、下の画像のようにお尻が後ろにちょっと出るような形になってしまいます。
重心が後ろにかかってしまうこととなるので、不安定な状態ではあるのですが、
この状態からは動き出しにくくなります。
不安定な状態といっても、安定した状態との微妙なバランスを取る必要があります。
そこで、動き出しをしやすくするためには、若干「前傾姿勢」をとる必要があります。
→「足首」も曲げることで、体は少し前屈み(かがみ)にすることができます。
逆に、下の画像のように足の裏全体がコートにつく「どっしり」とした姿勢をとってしまうと、
安定してしまって次へ素早く動くことができません。
どっしりと構え、次への動きがとりづらい
「不安定さ」からの動き出しを意識するようにしましょう。
3箇所をしっかり曲げることを意識して、ちょっと「体を沈ませる」動きをすることで
スプリットステップからの動き出しが早くなります。
この時の着地する足の「重心移動」もポイントとなります。
重心を足裏全体ではなく、「重心点」を意識して親指下の拇指球から、小指下の小指球へ
と重心を移動させることで、スムーズな移動の流れができます。
拇指球→小指球へ移動
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タイミングのとり方
いつ、スプリットステップを行うのが良いかというと相手がテイクバックをした時です。
相手のラケット面がボールに当たる直前に飛んで、相手が打つ瞬間にちょうど着地しているようにタイミングを合わせます。
ラケット面に当たる直前に飛ぶ
打つ瞬間には着地
着地をしたら、そのまま「パッ」と動き出すことができます。
次の動きへ
スプリットステップの理想的な動きとしては
・ジャンプして身体が空中に浮いている状態でボールの行方を予測
・着地時にはすでにどちらに動くかが決まっている
・動く方向に対してパワーを出せるような姿勢ができている状態です。
スプリットステップの習慣ができてきたら、こうした動きができるように意識していきましょう。
※とはいえ、スプリットステップのタイミングは、いつも同じではありません。
自分の打ったボールのスピードや自分や相手のポジションによっても変わってきます。
最初は、スプリットステップを常に行うという意識を持ち、意識しなくともやっているようになる頃には
状況に応じたステップを行えるようになっているはずです。
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スプリットステップを使っての動き
スプリットステップを使うことで、一歩目が早くなるのはボレーでもストロークでも同じです。
スプリットステップを使った後、どのように動いて相手からの球に備えるか、
この動き出し方やラリーでどのように使うのかも重要ですので、紹介していきます。
動き出しのコツ(一歩目の足)
スプリッストステップ後の動きのコツは、動きたい方向へ一歩目の足を出すことです。
右方向へ動きたいのならば→右足
左方向へ動きたいのならば→左足
足を動きたい方向へ、外側にある足を出します
ただし、外側の足を出すだけでは後ろ足が残って「前のめり」になりやすくなります。
そこで、どうするかというと
- 右足を出したら→左足を蹴る
- 左足を出したら→右足を蹴る
というように、出そうとする反対側の足を「蹴る」ことで「前のめり」にならずに腰がついていきます。
足だけを出そうとすると、腰が残ってしまいスタートが遅くなってしまいます。
スプリットステップをして重心を沈ませた時に、左足を出したければ
その反対側の右側の足を蹴る動きをすることで、腰がついていってスタートがしやすくなります。
蹴りやすいように、蹴る側の足はちょっと「内股」にするように意識しましょう。
「ガニ股」の足の形はNGです。
また、反対側の足を蹴る時には「作用・反作用」の力を上手く利用しましょう。
スプリットステップで浮いた体を地面に沈ませる時にしっかり踏みつけて、
その分のエネルギーが反作用で返ってきます。
その力を利用することで素早く動くことができます。
スタートが早いということは一歩目の加速が速いということで、これまで取れなかったボールが取れるようになってきます。
スプリットステップ
ボールの来る側の足を出す
反対側の足で蹴る
動き出しのコツについては、こちらの動画をどうぞ
下の動画内では、河合幸治校長がデモンストレーションしています。
「スプリットステップからの『はじめの一歩』」Tennis Rise テニス・レッスン動画
ラリーでのコツ(膝の曲げ具合)
スプリットステップをどのように、ストロークラリーで使うかについても説明します。
スプリットステップの動作としては、軽く体をジャンプさせることよりも、
そのあとの「体を沈める」動作が重要です。
体が上がってしまうと逆に動きづらくなってしまいます。
むしろ、沈める動作がボールへ反応して飛びだしていく準備としては大切です。
といっても、上がる動作と沈む動作はラリーの速さによって、どの位の大きさで動いた方が動きやすくなるかが変わります。
ゆっくりなラリーの時と速いラリーの時の「膝の曲げ方」を使い分けるようにしましょう。
たとえば
・皆さんのやっているラリーがそれほど速くない場合は
あまり「上がる」イメージよりも、しっかり「沈む」意識だけでスプリットステップは終了となります。
膝を曲げて「沈む」を優先する
「沈む」動作の反動を利用して動くイメージで練習してみてください。
・プロのように速いラリーであれば
遠くへ飛び出していかなければなりません。そのためにはジャンプしてから少し大きく「沈む」ことが必要です。
下の画像は、ゆっくりなラリーと速いラリーの比較画像です。
「膝の曲げ」に注目してみてください。
左側:遅いラリー 右側:早いラリー
「上がる」
「沈む」
スプリットステップをしたいけれどずっとやっていると疲れるという人は、
この膝の曲げ具合を意識してみてください。
速い動きに対応しなくてはいけないのか、遅くてもいい動きなのかで、
自分がリズムを取りやすいように調整してラリーをするようにしましょう。
あまりラリーが速くなければ、その場で軽く膝を落とす動作位にしておくことで、
体力を温存できます。
ラリーでのスプリットステップの使い方についての動画はこちらです。
河合幸治校長がデモンストレーションしています。
「スプリットステップからのラリー」Tennis Rise テニス・レッスン動画
まとめ
スプリットステップは、テニスのフットワークにおいて必要不可欠なものです。
当たり前にきちんと行う習慣ができているかどうかで、ボールへの反応が大きく変わります。
スプリットステップがどういう役割のものであるかをしっかり理解して、正しい方法で行うことで、「当たり前」なだけのものから意味のあるものとなります。
意味のあるスプリットステップを行えるように、日頃から意識して使っていくようにしましょう。