テニス ボレーの種類やショットの特徴、打ち方のポイント【動画有】
ボレーについての基本的な説明をこちらの記事ではいたします。
ボレーの特徴と打ち方、練習方法も紹介します。
ボレーはコツをつかめば、打ち方がシンプルなのですぐに上達しやすいショットです。
ボレーが難しいのは、ストロークにくらべて相手との距離が近いため打つまでの時間が少なくて慌ててしまったり、決めようと思ってつい力が入ってしまうなどの理由によるのかもしれませんが、ボレーの基本がわかっていないという人も多いように思います。
ダブルスをする上では、ボレーは欠かせないショットですし、シングルスでもボレーを打てた方がより幅の広いプレーができます。
ストロークだけでなく、ボレーにも自信を持てるように練習していきましょう。
この記事の目次
ボレーとは?
「ボレー」とは、どのようなショットのことをいうのでしょうか?
ウィキペディアによると、スポーツの球技において「空中に浮いたボールを、地面に着く前に直接ヒットすること。」とあります。
つまり、ノーバウンドで打ち返すショットということです。
それで、時間的に余裕がないため難しいと感じてしまう人も多いと思います。
また、ネットに近い場所で打つために、相手との距離が近い分ボールに対しての反応や用意を早くしなくてはいけないので、振り遅れてしまいがちです。それもボレーに苦手意識を持ってしまう理由の一つとなっています。
初級者の方は、ボールの速さや距離感がつかめないためにボレーをミスしやすくなります。
どうしたらミスをしないようにプレーできるか、これから説明していきます。
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ボレーの種類
「ボレー」は、ボールの高さと打ち方によってそれぞれ名称がついています。
◆高低による名称
ボールを打つ高さによって、高い時はハイボレー、肩から腰くらいの高さの時はミドルボレー、それより低い時はローボレーと呼びます。
◆打ち方の名称
・ドライブボレー
ストロークのようにラケットをスイングさせてボールを打つボレーです。
ストロークと同じように順回転がかかります。
・パンチボレー
チャンスボールを叩くようにして決める時に、打点より少し上から押さえつけて打ちます。
・ドロップボレー
ボールの勢いを殺して、ネット際に落とすように打ちます。
・ポーチボレー
ダブルスでパートナーに向かって打たれたクロスボールを、センター付近まで飛び出してカットしてボレーします。
このようにその時の状況や打ち方によって色々なボレーがありますが、ボレーは基本的には相手のパワーを利用するショットです。
相手の球が遅ければゆっくり、速ければそれだけ速い球が返ります。
それに対して自分が詰めていって打つとか、体の移動を使ってボールに距離を出したり速さを出すという打ち方をします。
ポーチボレーについては、こちらの記事で動画をまとめています。
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ボレーのメリット・デメリット
◆メリット
①「相手の時間を奪える」
相手が打ってきたボールに対して、ベースラインから打って返す場合は相手に返すのに時間がかかります。それがネットに近いところで打つことによって約半分の時間で相手にボールが返せます。
つまり、ボレーで返すことでテンポが速くなるので、自分がそんなに強く打たなくても相手のパワーを利用して相手が構える時間を少なくすることができます。
②「角度がつけやすくなる」
ベースラインとネットに近い位置、それぞれから同じ場所にアングルに打った場合、ネットに近い位置から打った方がボールにより角度が付きます。
ベースラインからでは、サービスライン辺りまでしか角度をつけたボールをコントロールできませんが、ネット近くから打つことで広く角度をつけることができるようになります。
③「短いボールを打ちやすい」
短いボールを打つ場合、ベースラインの位置から打つのとネット際から打つのであれば、ネットに近ければ近いほど短いボールは打ちやすくなります。
相手が後ろに下がっている時に、自分が前にいる状態でドロップショットのような短いボールを打つのは有効なショットとなります。
④「前にいることでプレッシャーになる」
後ろの位置にストローカーが二人いるよりも、前に二人いた方が相手にプレッシャーを掛けられます。
とはいえ、ボレーの技術がないとプレッシャーにはなりません。
ボレーをしっかり打つことを見せつけられれば、相手の時間を奪ったり、角度をつける、短く打つということができるため、相手が脅威を感じてミスをしてしまうことが考えられます。
◆デメリット
メリットとしたことが逆にデメリットにもなります
①「自分の時間もなくなる」
相手の時間を少なくしたということは、自分にも早くボールが返ってきてしまうことにもなります。
そこを意識して、後ろで打っているときよりもボレーの場合はもっと構えを早くしていかなければなりません。
②「相手からの切り返しの角度が広くなる」
自分がボレーをワイドに打っても、その返球を相手から余裕をもって打たれた場合は、より広い角度に打たれることになり、今度は自分の守る範囲が広くなってしまいます。
そこで、アングルにボレーを打つときは、ある程度決められるか、相手が切り返せないくらいのキレのあるショットを打つ必要があります。
③「速く打たれるとコントロールがしづらい」
最近のテニスではラケットの性能が良くなっていることもあり、ストローク力が向上してショットが速くなってきていて、ボレーの方がストロークに対して負けてしまうことが多くなってきています。
ラケットの反発力が高くなってきているので、しっかりとベースラインから打たれたストロークに対して「ポン」と当てただけでは、負けてしまうか飛び過ぎてしまうので、それをしっかりコートの半分の距離に収めてコントロールするボレー技術が必要になってきます。
ボールを殺して入れる。殺すけれどふわっとしないようにするという相反することをしなくてはいけないので、そこが難しいところです。
④「低いボールが攻撃できない」
ベースラインから打つ場合、多少低いボールでもスピンをかけてネット際に打てますが、ボレーだと低いボールはネット際からベースラインに強く打つのはなかなか難しいので、低いボールに対してはボレーよりもストロークの方が打つ幅が広くなります。
ボレーヤーの足元へと沈ませてくる低いボールへの返球は、ネットを越すために一度上げて返すようになってしまうので、スピードのあるボールで切り返すのはなかなか大変です。
特に、速くて低いボールに対応するのは難しいものです。
また、低く来たボールに対して強く打とうと思い過ぎてオーバーしたり、速いボールに対して倍にして返そうとしてアウトしたりしますので、まずはつなぐのか打っていけるのかをしっかり判断して、コントロールして返すようにしましょう。
ボレーのメリット、デメリットを把握することで、メリットは上手くいかして、デメリットはできるだけ少なくできるように練習していきましょう。
ボレーのポイント
ボレーのグリップ
- 基本のコンチネンタルグリップ
ボレーの基本となるのは、「包丁を持つような握り」といわれるコンチネンタルグリップです。
小指と薬指と中指の3本が力を入れる指で、この3 本でラケットを引っ張り込むイメージです。
中指と親指で支えているイメージで持ってください。
指のつけ根のポイントAで握り、「ヒール」と呼ばれるポイントBでしっかりグリップを支えることでラケットと手の角度が崩れにくくなります。
中指と人差し指の間には少し隙間をあけます。このように握ることで面の向きを感じやすくなります。
この握りで、小指の側から動かすようにします。
人差し指は「方向指示」です。
自分の打ちたい方向に対してその向きを示すように、打ちたい方向に対して人差し指を出していきます。
人差し指の力が強いとラケット面が下向きに返ってしまいます。ラケット面が返ってしまうと自分が思っているよりもボールが左に出て、サイドアウトしたりネットしたりします。
親指は、バックの場合はラケットを押す力に、フォアの時は2点の支えになります。
それぞれの指の役割を確認して手の感覚を養ってください。
●時には、握り変えて
グリップは基本のコンチネンタルで握っていて、打つときに多少はずれても構いません。
強く打ちたいときはイースタン気味に変えると打ちやすくなります。
高めのボールなどに対して時間があれば厚めに握り変えて打ちにいくということもできるようになるといいですし、バックのハイボレーなども握り変えると強く打てるようになります。
ストロークで行っているグリップチェンジと同じで、それを素早くできるように練習の中で実践していくようにしましょう。
ボレーに適したグリップの「コンチネンタルグリップ」をせずに、厚い握り方をしている方も多いです。こちらの記事で、ご自分の握り方を確認してみて下さい。
こちらの記事も参考にしてみて下さい。
手首の角度がグラグラしていてボレーが苦手な方はこちらをどうぞ
ボレー時の面感覚
ボールをラケット面でバウンドさせる「ボール突き」を練習することにより、ボレーの時のインパクトの感覚がつかめるようになります。
①ボールをラケット面でバウンドさせて、ボールが当たるときに中指と親指を軽く握ってみてください。
できるだけ腕を振らないで、グリップを「緩める」、「握る」を繰り返して、グリップの握りこみだけでボールが跳ねるように、その感覚をつかんでみてください。
②次に反対のバック面でもボールをバウンドさせて、ボールが当たるときに中指と親指を握る練習をしてください。
③今度はもう一度フォアに戻って小指と薬指で少し引っ張ります。
面を横にスライドさせますが、腕を振るというよりはグリップを握り込むことでラケットを横にスライドさせてボールに回転が掛けられるようにしてください。
④次にバックでもボールを突いてください。小指と薬指を引っ張り込むイメージで握ってみましょう。これができるとボレーは良くなると思います。
■ボレーの注意点■ ①手首の角度を一定にする ボレーは当たる時に、手首が伸びてしまうと力が入らなくなります。また、手首の角度を一定にしないと面がぶれてしまいます。 できるだけ、ボールが当たるときの手首の角度が一定になるようにしましょう。 ボレーは当たる時に、手首が伸びてしまうと力が入らなくなります
②ボールの上下の高さが変わった場合、これはダメというケース □手首の角度を変えることで、ラケット面を上げ下げさせるとボールコントロールが安定しません。手首が起きている状態のままで打ちにいくことを意識してください。 □自分で腰を折ってかがむのはダメです。ラケットヘッドは手よりも下がってもいいのですが、膝を曲げて体全体で上げ下げができるようにしてください。 ラケットヘッドは、手よりも下がってもOK、体全体で上げ下げができるように。 |
⑤今度は、肘先を回す動きをして、フォアとバック交互でボー ルを突いてみます。ラケットで横の「8の字」を作るようにやってみてください。
できるだけ自分の目の前で、回転を交互にかけられるようにしてみましょう。
動きは大きくなりますが、小指から 引っ張り込むイメージで打ちます。
ラケットを横の「8の字」の形に動かして、ボールに回転をかける
この練習をすることによって手の感覚が養われます。
ボレーは手の感覚が大切です。
ボレーのタッチを決める動きなので、このボール突きで練習してください。
■注意点■ ボレーは、握手するように握ります。 上からまっすぐ下向きに握ったハンマー(トンカチ)グリップで握る方もいらっしゃいますが、これは握っている面積が狭いので強い当たりに負けやすいのと、ラケット面がぶれやすくなります。 シェイクハンド(握手)の形ですと斜めに握っていて握る面積が広くなりますので、多少面ぶれをしても安定しやすくなります。 コンチネンタルグリップで、握手するように握ることで安定する |
ボレー面のセット方法
ボレーは、飛んでくるボールの軌道にしっかり面をセットすることが重要です。
初級の方の中には、ボールが飛んでいる高さのところにセットしてしまう方が結構いらっしゃいますが、ボールが落ちてくるところを予測してラケット面をセットする必要があります。
そのセットした面を保ったまま、ボールの真後ろを打つようにします。
◆ボレー練習①
軽く山なりの軌道になるようにして、ボレー・ボレーで練習をしてみましょう。
しっかりセットできていれば、ラケット面の真ん中に当たるようになってきます。
慣れてきたら、打ちたい方向にちょっと押して、グリップを握り込むようにすることで面の当たりがしっかりしてきます。
なるべく、セットした後のボールを待つ時間を長くとれるようにすると、自分の動きに余裕を持てるようになりますので、これも意識してみてください。
ボレー面のセット方法については、こちらの動画を参考にしてください。
ボールの高さに応じた2種類の動かし方
ボレーは2種類の動かし方があって、面を寝かしたところから起こしてくる動かし方と、面が起きたところから寝かして入る動かし方があります。
高いボールは・・・上から打ち下ろしていきたい~面を寝かしておいて起こしていく
低いボールは・・・上へ上げたい~面が起きたところから面を開いていく
2種類の動かし方ができるように、練習してみてください。
ネット近くの高さのボールについては、その時の自分の技量によっても動かし方が変わると思いますが、目指すのはネットより少しでも高ければ起こして打てるようにすることです。
フットワーク
足を使って、ボレーを飛ばすようにします。
ボールの放物線に面を作って待つと同時に、後ろ足をセットします。
上体をひねるのと一緒に、フォアだったら右足、バックだったら左足の股関節をひねってかまえて、後ろ足で蹴る力で体を前に出します。
ボレーのフットワークについては、こちらの動画を参考にしてください。
◆ボレー練習②
二人一組でやる練習です。
互いに、一人がノーバウンドのボールを投げて、一人が横向きの蹴りの力でボレーをする練習方法です。
手を動かさないで、蹴り足だけでボールが飛ぶようにしてみましょう。
タイミングとしては、地面を「蹴る」、ボールを「当てる」、地面に「着く」の順番です。
打った後、戻って正面で構えるまでが1セットとして、繰り返し練習します。
■注意点■ ・グリップの方がラケット面より少し前にあるように構えてください。面が前になるとボールの威力に負けやすいので、面は少し後ろ目にして構えてください。 ・打点が後ろになりやすいので、打点は少し前で打ちましょう。ラケットの位置は、ラケットを持っている肩の前ではなくて、前になった肩の横です。 |
◆ボレー練習③
今度は、ボレー・ボレーで練習をします。
ボレー・ボ レーの方がテンポは早くなるので、体の向きと蹴り足が速さに対応できるようにしてみてください。
まとめ
ボレーについて、基本的なショットの説明と、打ち方、練習方法をお伝えしました。
ボレーは、基本的にノーバウンドで打つショットなので、手首を動かしたり、腕を振ったりすると打点とラケット面が不安定になります。
しっかり面を作ってから、下半身の動きでボールに力を伝えるボレーをするのが基本です。
シングルスでも、ダブルスでもストロークの力だけではなかなか勝ち上がれません。
ボレーの力もつけていきましょう。