ショートラリーのコツ これでテニスが上手くなる!【動画有】
ショートラリーの重要性、意識するポイント、ショートラリーをするための2つのコツについてご説明します。
ショートラリーはきちんとやればテニスのストロークの上達にとても役立ちますが、互いの距離が短い分、手先だけのコントロールでもラリーができてしまうので、打ち方がいい加減だと逆効果となってしまいます。
テニススクールや仲間同士のテニスの練習で、アップの時にショートラリーをすることも多いと思います。
けれども、ある程度上手かったり試合に出たりしていてもショートラリーは苦手…という人が結構います。
これを読んで、安定してショートラリーができるようになりましょう。
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この記事の目次
ショートラリーとは?
Q ショートラリーとは、何でしょう?
A ショートラリーとは、お互いのプレーヤーがサービスライン辺りの短い距離で行うストロークのラリー練習の事です。ミニラリーとか、ミニストロークと言うこともあります。
テニス初心者から上級者まで、練習メニューの初めによく練習に取り入れられ、ウォームアップとしてやられることが多いものです。
何となくやっているショートラリーですが、実は様々なストロークの技術を盛り込めるので、これを見ればその人の実力がわかると言われています。
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ショートラリーはなぜ重要
ショートラリーが苦手という初心者は多いようです。スクールの中上級レベルの方でも苦手な人が結構います。
通常のベースラインのラリーと比べて距離が短く、スピードも比較的遅めのため一見簡単そうですが、強く打ってしまうとサービスラインをオーバーしてしまいます。
ラリーを続けるために、手先でチョンと当てるだけでラリーをしている光景はよく目にします。
また、苦手な人は打つときに手先だけで操作してしまうので、あちらこちらにボールが飛んで行ってしまい、ラリー自体があまり続かないということもしばしばあります。
実は「ショートラリー」は、ショットを安定させるのに大変役に立つ練習法です。
ショートラリーをする時に、普通のストロークのように体をしっかり使って安定したラケット面で振り切って打つというのはなかなか難しいものです。
また、ラリーの中で打つ方向の精度を高めたり、フォアハンド、バックハンドを打ち分けて打ったり、相手から前後に来るボールの処理の練習にもなります。
ある程度のレベルの人ならば、ラリーの中でスピン、スライスの回転をコントロールしながら打ったり、打球の軌道を変えて打ってみたり、タイミングを変えてライジングで打ったりと様々な球種を試すことができます。
ショートラリーは、それぞれのレベルに応じた課題に対して感覚をみがいていくのに有効な練習方法です。
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まずは、これを意識する
ショートラリーをする時に意識したいのは、普通のストロークのようにしっかり打つことです。
いまのテニスの主流、ボールをしっかり強く打つことです。そのためにはラケット面がボールの真後ろにまっすぐ当たらないとインパクトは強くなりません。
どんな球でもボールにしっかり厚く当てに行くことができないと良い球になりません。
ショートラリーの際に、意識したいのは以下の2つです。
①グリップと打点の確認
②体幹を使ったスイングを行う(手打ちにならないように)
手打ちの原因としては、利き手に頼ったスイングをしていることも考えられます。
非利き手を使うようにしましょう。こちらの記事を参考にしてください。
グリップと打点の確認
“正しい打点でインパクトできるようにする”ことがまずは必要です。
自分にとって、どこが理想の打点となるのかを確認してみましょう。これは、2人1組となって行ってください。
●フォアハンドの打点について
- フォアハンドの握り方をしてみて、インパクトの位置で止めた形を作ります。
- インパクトのラケット面を保ったまま、下の画像のようにもう一人の人にラケットの先を垂直にした状態で自分のラケット面を押してもらいます。
- 押される位置を少しずつずらしていって、一番力が入るところがどこなのかを自分で確認してみましょう。
手の形を保ったまま、どこなら力が入って、どこなら抜けてしまうのかを確認していき、打点とするのに適切な場所を覚えるようにします。 - 適切な打点とするところへ自分で足を動かし調整して入るようにします。
- 自分の一番よいインパクトの時の面を残したまま体の捻り戻しをして、何回も同じ場所にラケット面を保ったまま戻ってくるように練習します。
一番いい打点はどこかを確認する
●バックハンドの打点について
こちらも、フォアハンドと同様のことを2人組でします。
両手バックハンドの方と片手バックハンドの人がいますので、それぞれの打ち方の握り方をして確認するようにしましょう。
「手打ち」で打つって!?
「手打ち」ではなく、自分の体を上手く効率よく使って打てるようになると、自然とボールのコントロールがよくなりますしスピードも速くなります。
打った時にボールから腕への衝撃が少なくなり、手首や腕、肘、肩への負担が減るので、故障をせずにプレーし続けられます。
とはいえ、「手打ち」で打つ…って、何なのかわからない。
コーチや仲間に「手打ち」と言われたことがあるけれど自分ではそんなつもりはない、という人もいると思います。
「手打ち」の意味を正しく理解することで手打ちを直していくことができます。
「手打ち」をここで定義してみます。
自分の打ち方が当てはまっているかチェックしてみてください。
・体の回転をせずに、手や腕の動きだけでボールを打っている
・腕の動きと体の動きが同調していない
・スイング中、手や腕の力に頼っている
テニスは、手で握ったラケットでボールを打ちますので、手を使わないことはありません。
ラケットを持つ手の平や手首には、ラケットの面の向きを調整する役割があります。
けれども、ラケットを振るためのパワーにそれらが使われてしまうと、ラケット面をコントロールする役割を果たす担当がいなくなってしまうために、ボールはどこへ飛んで行ってしまうのか自分でもわからなくなってしまいます。
「手打ち」で打ち続けると、ボールの衝撃を腕だけで受け止めることになります。
それが続いていくことで手首に負担がかかり、さらには肘にも負担がかかるようになり、それぞれの箇所に痛みが出るようになります。人によっては肩に負担がかかって肩に痛みが出るかもしれません。
そうしたことで故障してしまうと、しばらくはテニスができなくなるか、ずっと痛みに耐えながらプレーするようになります。そうならないためにも、できるだけ早く手打ちから卒業するようにしましょう。
手打ちをしないためには、体を使ったスイングを行うことです。
どうやったらよいか、次で説明していきます。
運動連鎖を行い、体幹を使ったスイングを行う
「手打ち」ではなく、体幹を使ったスイングでショートラリーをやりましょう…
と言っても、では具体的にどうしたら良いかわかりませんよね?
手打ちになる人の多くは、体の末端を強く動かそうとしてしまっています。
ここで、体の中でパワーとコントロールを担う場所について整理してみます。
体は胴体部分がパワーが大きく、末端にいくほどパワーは小さくなり逆に繊細な動きができるようになります。
つまり、胴体や腰、脚といった体のコアの部分にスイングのパワーやスピードを出す役目をさせて、手首や手の平でラケット面の調整をするように分担させたいのです。
そこで、行いたいのが「運動連鎖」(キネティックチェーン)という動きです。
人間の体は多くの筋肉からできているので、動くとき時にさまざまな筋肉が協調しあって動いています。
ストロークでは、体の上体から順にひねっていき、下の部分でタメを作ってから、それを下から順に戻して上で開くように連動することで、腕が勝手に振れるような体の使い方が「運動連鎖」の動きです。
「運動連鎖」で動くようにすると、疲れませんし、ボールにパワーが乗り、ボール自体が安定するようになります。
運動連鎖を使ったサーブについてはこちらの記事をどうぞ
ここで、体幹を使ったスイングのイメージを作っていただき、体の使い方を練習するのに役立つ動画をご紹介します。
テニスラケットを使わずにサッカーボールを使っての練習になりますが、どういう順番で体が動いていっているかといった「運動連鎖」に注目して見てください。
ボールを打ったあとは、後ろと前の肩の位置が完全に入れ替わります。
体の中心軸がずっと保たれたままであることもチェックしてください。
▶河合校長が動画で解説しています。
手打ちでなくしっかりとしたストロークができるための練習方法です。
腕の動きを抑えたショートラリー
「運動連鎖」を使った動きでショートラリーをやってみようと思っても、ついついショートラリーが苦手な方はどうしても手が体から離れてしまい、ラケットのスイング軌道が不安定になってしまって打球が安定しなくなります。
この時、修正していくにはベースラインの距離でやるような大きいスイングから小さいスイングをイメージするのではなく、腕の動きを抑えて小さいスイングを大きくしていくように練習します。
これによって、距離が長くなっても大きく振れるようになっていきます。
2つのポイント
- 自分の体の前で小さく前ならえをして、体のひねり戻しを使って打つ。
- 自分の前で8の字を描くようにして、スイングの中でリズムを作る。
このコンパクトな打ち方に慣れてきたら、膝も使って下から上の動きを大きくしていくと、ボールにより回転がかかるようになります。
▶河合校長が動画で解説しています。
インパクトの面を常に同じ形で入れるようにします。
手の引きを小さくして、体のひねり戻しで同じ面で当てるようにします。
どうしても強く打とうとすると手が強くなりやすいのですが、ボールに勢いを出したいのなら体の回転を速くすることを意識してください。
“腕を引く”のではなくて、“ひねった状態から戻す”力をボールに伝えるという意識して練習しましょう。
ショートラリーは、「ゆっくり」からスタートするのが効果的です。
最初から、パワー全開では練習の意味がなくなります。こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
ショートラリーはウォームアップとしてだけでなく、ストロークの基本としてやっていただきたい練習方法です。
普通のストロークのように足をよく動かして、運動連鎖の体の使い方で最後まで振り切ってもコントロールできるようにしていきましょう。
スピードは落としてよいので、最後まで振り切るようにして、常に同じインパクト面で打てるように意識していくことで安定感を高めるようにしていきます。
不慣れな人同士でショートラリーをする時は、お互いにフォアハンドばかりで打ち合いがちですが、バックハンドにも意識的に打つようにしてバックハンドの回数を増やすようにもしていきましょう。
基本はトップスピンでのショートラリーがおすすめですが、コツがつかめるようになってくるとフラットでもスライスでもサービスエリア内でラリーが続くようになります。
様々なショットのバリエーションでショートラリーを試して、ショットの感覚を養うとともにショートラリーを楽しめるようになってください。