テニス ウォーミングアップとしてのショートラリーのやり方【動画有】
ウォーミングアップとしてのショートラリーを、プロもやっている3つのポイントに気をつけて、実戦に役立つやり方で行うようにしましょう。
試合や練習前に行われるショートラリー、ミニラリーや、ミニテニス という言い方もされますが、互いにサービスラインの辺りに立ってこれから激しく動く前のウォーミングアップ として行います。
このショートラリー、一般プレイヤーで間違ったやり方で行っている人も多いようです。
間違ったやり方で行うとその日1日のあなたのテニスを残念なものにしてしまうかもしれません。
正しいやり方で自分のストロークの向上にも役立てましょう。
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間違ったやり方でショートラリー?
互いにサービスラインの辺りに立って試合や練習の前に行うショートラリー。
ハードな練習や試合に入る前、これから激しく動くための準備のウォーミングアップの1つです。
このショートラリーですが、ソレダメ!なやり方を一般プレイヤーがしている姿を見かけることあります 。
あなたは、コートに入るなりいきなりハードな回転をかけたり、フルスイングで打ったりしていませんか?
陸上競技の100メートル走の場合であれば…
走る前には、足の筋肉を伸ばしたり、心拍数を上げるような準備運動をして体を温めたり、
ほぐしたりしてから本番に望んでいます。
短距離走でいきなりアップせずに走りますか?
ショートラリーで、いきなり激しく打ち合うのは、100メートル走でアップなしにいきなり全力で走ろうとするようなものです。
間違った導入で始めてしまうと、そのあとの練習や試合の精度が低くなります。
ショートラリーをするのにあたって、絶対こうしなければいけないというものはありません。
本来は、練習する人がしたい内容や目的を決めて行えばOKなものです。
しかし、正しいショートラリーをすることで、その後の精度が高くなるともいえます。
この後に説明する正しいショートラリーのやり方を読んで、もしいきなり全力でやっていた人は正しい方法でやるようにしましょう。
プロのラリーが原因?
間違っている方法をしていた原因は、ボールのコントロールをまだ自分のものにできていないのかもしれません。
スクールの中級や上級者でも、まだショートラリーが苦手という人も少なくありません。
ショートラリーをすることでその人の実力がわかると言われています。
様々なストロークの技術を盛り込むこともできるので、ショートラリーをしっかりやれるようになりましょう。
ショートラリーが苦手な方やコツを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください
もうひとつの間違っている原因としては、トッププレイヤーの試合を見ての勘違いです。
選手がコートに入ってきて行う試合前の3~5分のウォーミングアップ練習で、最初からかなり速いペースでラリーをしているので、このようにやればいいのかと思っているのかもしれません。
実は、選手は試合コートに入る前に別のコートで練習をしてきています。
15~30分間位体をほぐしてから、自分のコーチやヒッティングパートナーと打ち合ったあとに試合のコートへと移動しているので、いきなり速いペースからではないのです。
試合時間となって移動してきた試合会場のコートで、あらためて対戦相手とウォーミングアップをしてから試合を始めます。
対戦相手との練習でも、最初は少しゆっくり目から始めています。
では、実際の選手の事前練習というのはどのようにしているのでしょうか?
ロジャー フェデラー選手の練習コートの動画で紹介します。
コートに入場、軽くフットワーク、チューブを使った動的ストレッチをしてからゆっくりとラリーを初めて、終盤でラリーのペースを上げてコートを退出するまでの9分45秒の動画です。
ラリーを始めるのは、4分13秒位からのところです。
ベースラインでのラリーで、ショートラリーではないのですがどのくらいのスピードでやっているのかを見てください。
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ショートラリーのやり方
3つのポイント
ロジャー フェデラー選手の動画を見ていただくと、かなりゆっくりのペースでラリーをしていることに気がついたかと思います。
最初から速いペースでラリーをしてしまうと、その後の練習や試合での精度が悪くなってしまいます。逆に言えば、正しいショートラリーを行うことで精度が高くなります。
どうせやるのでしたら、以下の3つのポイントに気をつけてラリーを行うようにしましょう。
1.「ゆっくり」なペースで行う
あなたが試合で出している力を「100%」として、「20%」位のペースで力を抜いてゆっくりと丁寧に。
2.「ボールとの距離」を適切に取る
ボールを打つ時には、身体とボールとの間の距離を適切に取ることでボールをとらえやすいスイングになります。
ショートラリー用ではなく、実戦と同じ距離感をとれるように意識しましょう。
3.「スイートスポット」でボールをとらえる
必ず、ラケットのスイートスポットでボールをとらえるように。
スイートスポットを意識することで、相手コートの狙ったところへとコントロールすることができるようになります。
[ゆっくりで丁寧なショートラリー]
この3つのポイントに気をつけながら、2人がお互いにゆっくりとしたリズムを作る中でラリーを行います。
相手のコートへ丁寧にボールを入れて、ラリーを続けられるようにしましょう。
こちらの動画で、スピンを基本としたショートラリーを行っています。
ネット上のどの辺りを通した軌道となっているかなども見てください。
下の動画内では、河合校長が解説、デモンストレーションしています。
ストロークの技術 ショートラリー Tennis Rise テニス・レッスン動画
動画にあるように、基本はトップスピンを互いに使ったショートラリーです。
色々なバリエーションで、双方がスライスでやったり、片方はトップスピン、片方はスライスといったようにやってみてショットの感覚をつかむようにしてみてください。
トップスピンについては、こちらの記事を参考にしてください
ベースラインでのラリーと同じように
ベースラインでのラリーとは違って、短い距離なので、ショートラリーが苦手な方は「ショートラリー」用の手先で当てるだけの打ち方に変えてラリーをしようとしている人もいます。
ショートラリーを続けるための当てるだけの打ち方では、かえって自分の打ち方を崩してしまいます。
あなたも、ショートラリーのための練習であるかのように、通常のストロークと違った打ち方をつい自分で工夫してやってしまっていませんか?
どういう点に気をつけてやるべきかを理解していないために、当てるだけの打ち方となっているのかもしれません。
イメージとしては、短い距離で、タッチの感覚をつかむようにしながら「小さいラリー」を行うようにします。
次のショートラリーの要素を気をつけながら、丁寧にラリーをしてみましょう。
ショートラリーの要素 ・打点 ・体の向き(を作るフットワーク) ・スイング |
基本的には、ベースラインで打ち合うロングラリーと同じようなフォームで打つように。
ラリーを続けるためには、ちょっとコツがあります。
・テイクバック、フォロースルーは小さくして、全体的にフォームはコンパクトに。
・短い距離でも、しっかりと足を細く動かしてラリーを続けるように。
実戦に生かすには
ショートラリーが目的となってしまっては、本末転倒なので、実戦に役立つような意識を持って練習をしましょう。
たとえば、ラリーとなると力任せのショットを打って満足してしまっている人もいます。
強く打つだけで勝てるならよいのですが、そうはいきません。
ボールをしっかりコントロールできるように、ショートラリーの場合であれば、相手の足元に落とせるように回転をちゃんとかけたラリーを目指してください。
ボールをとらえるときに、相手からどのようなボールが来たとしてもラインから下がらない!と決めてコントロールをするのもいい方法です。
そうした場合は、相手から深いボールが来たとしても、ライジングで処理したり、ドライブボレーを使うなどを意識的に行ってボールコントロールするようにします。
ショートラリーは、ストレートだけで行うことが多いですが、クロス、逆クロスでも行うと角度をつける練習となります。
タッチの感覚をみがくのにも役に立ちます。
スライスやドロップも使うとさらに、あなたのショットの幅が広がりますので、時間があるときには取り入れてみてください。
また、ショートラリーからベースラインへと徐々に距離を伸ばしていくのもよい練習方法です。
その際には
薄いタッチ→厚いタッチへと変える、フォームを大きくするといったことを意識しましょう。
実は、ショートラリーはクールダウンとして取り入れていただくのも有効です。
その際には、一日の練習の終わりとして、ラリーしながらフォームの乱れを確認、修正を行うようにします。
まとめ
テニスを始める時は、まだ身体が温まっていない状態です。
軽い運動から始めていくべきなので、 ショートラリーから始めるのは理にかなっています。
いきなりベースラインからのフルスウィングで始めないほうが、体にとって望ましいのです。
また、ショートラリーはウォームアップの目的で行いますが、それだけのためにするのではなく、ショット練習としても役に立ちますので、甘く見ることなくしっかり活用するようにしてください。
ショートラリーを苦手として、通常のスイングとは別ものとしてしまう方も多いですが、ふだんのスイングよりもコンパクトにしてゆっくり丁寧に打つことを心がけましょう。