テニスの試合で勝つための戦略心得
この記事ではテニスの試合を進める中で知っておきたい戦略と、プロトップ選手の名言を参考に試合で心得ておきたいことをお伝えします。
テニスのトッププレーヤーのように、カッコいいプレーやショットを打って、勝ち上がっていく…。というような試合は、よほど対戦相手との差がなくては難しいことです。
現実的には、テニス漫画『ベイビーステップ』のように自分のできるベストは何かを試合の中で探って、何が自分の中と相手の中でのプラスとマイナスとなっているのかを考えて戦略を立てて行き、その中でベストを尽くしたプレーをすることで勝っていくことができるのです。
気持ちよく試合するのではなく、試合に勝つための戦略を考えましょう。
☆テニスが上手くなりたいあなたにおすすめ↓
この記事の目次
今できるベストを尽くす
試合は、理想を追求する場ではありません。
いまできること、今のベストが何かを考えその技術の中で対戦していくことが重要になるのです。
つまり、今現在練習で確実にできることをフルに生かして戦略を立てる必要があります。
そこで考えなければならないポイントは3つです。
★ショットスピード
★スピン量
★コントロール
自分の技量がそれぞれどれだけなのかをイメージして、その中で自分の戦略を決めていくのです。
この3つは相関関係にあります。
ショットスピードを上げようとすると⇒スピン量とコントロールが落ちます。
コントロールを良くしようと思えば⇒スピードとスピン量を落とすべきです。
スピン量を上げたければ⇒ショットスピードとコントロールは落ちていきます。
こうした関係であることを理解して、試合で打ち続けられるショット選択をし、 3 つのベスト配分を把握して試合に挑んでいきましょう。
調子が悪いのは当たり前
試合と言うのは一つ一つのショットを楽しむものではなく、ポイントを重ねてゲームを取り、相手よりもゲーム数を取ってゲーム差を広げ勝っていくものです。
本番の試合になると「調子が出なかった」などと嘆いて、結果が思うように出ないでいる人を多く見かけます。
というのも、練習の時はプレッシャーを感じないでプレーしてのびのびと打つことができるのが、ポイントがかかると手が縮んでラケット面が安定せずショットスピードも遅くなってしまうからです。
試合に挑む場合には、調子の良い自分のプレーをイメージするのではなく、調子の悪い状況を想定してプレーに挑んでください。
その方がプレー自体も堅実になります。また、堅実なプレー状況からスタートして調子が良くなっていくことができれば自然にプレーにも余裕が出るようになりますし、そのままであってもそれをキープしていけば済むことです。 調子をピークにしてプレーし続けることはできないのです。
●調子に左右されるようなプレーの場合
調子の良い時には波に乗って強い相手にたまに勝てるかもしれません。しかし、試合に勝ちあがっていくにはムラが出てしまうので、調子に左右されるようなショット展開をしないことを心がけましょう。
強いプレーヤーは調子が悪くても勝ち上がっていく術(すべ)を持っています。
その術は、調子の悪い自分を想定しながらその中でできることを常にイメージしているからです。
調子の良い自分のプレーをイメージするのではなく、調子の悪い状況を想定してプレーに挑む
錦織 圭選手の名言
やりたいプレーと勝つプレーが違うので、今、自分と戦っています。
相手に自分のすべてを見せる
試合が始まったら、自分が持っていてできるすべてのことをやりきって勝利を目指してください。
「相手がストローカーだからそれを打ち負かしてやろう」とか
「ネットに出てくる相手をカッコ良くパスで抜いてやる」とか
ショットを気持ち良く打つために、試合でプレーするのではありません。
また、ついつい相手が弱いと見えたり、練習で上手く行った方法で勝ちたがったりしがちです。
しかし、自分の持っているものを出し惜しみしてポイントを取り続けられると相手が調子に乗ってきてしまい、自分のショットがより入らなくなってしまうこともあります。
それと、自分が「このパターンになればポイントを重ねて行くことができる」という展開を常に相手に対してイメージし、成功していることを続けていくことが試合に勝ちあがっていくための重要なパターンです。
試合の中で自分が今できるすべてのショットを総動員して(堅実なショットで)、相手のプレーに対してどれをすれば有効かを瞬時に考えながら対応していくことが重要です。そうすることで、より強い相手にも互角以上のプレーができて試合に勝てるようになっていくようになります。
☆テニスが上手くなりたいあなたにおすすめ↓
テニスでポイントを取るための2つの戦略
今までは、試合の考え方についてでしたが、今度は『テニス』でポイントを取るための2つの戦略について意識していただきたいことです。
それは
「相手に先にミスをさせるボールを打つ」 と
「相手よりも先にミスをしないこと」 ことです 。
相手に先にミスをさせるボールを打つ」
「相手に先にミスをさせるボールを打つ」と言うのは中ロブやスライスで変化をつけて相手のバランスを少しでも崩してミスを引き出す、もしくはスピードで押して体勢を崩して取れないようにさせる、その作戦で常に先手を取って相手に思うようなプレーをさせない目的をメインにプレーするのです。
もしあなたがこれから大会を重ねていき、大きい大会でも上位を目指していきたいならば、この作戦を常に高いレベルの目標で実行しなければなりません。
「相手よりも先にミスをしないこと」
テニスは確率のスポーツです。実際同じレベルの人とプレーをしたらその時にミスが少なくできた方が勝利をつかむことができるのです。
無理をしてポイントを 1 ポイント取るのに 3 ポイントミスを先にしてしまっては、ゲームには勝つことができないのです。
シンプルに相手に一つでも多く返す、そのためにはミスを少なくする。
厳しく狙いすぎてミスをしてしまってはしょうがないので、最低限相手コートに返ればOKです。多少甘くなっても相手コートに返す。
相手に主導権を取られることが多くなりますが、リスクを抑えてミスを減らすことでポイントを重ねていくのです。
このプレースタイルは相手が自分よりも格段に強いレベルであれば、自分のほうがミスをしてしまうことが多くなってしまいますが、実際実力の差が格段に違うレベルというのはそんなにあるものではありません。
photo credit: IMG_9736 via photopin (license)
テニスの勝率を上げるには「相手よりも先にミスをしないこと」
あなたがもし、今の状況で勝ち上がることができていないのであれば後者の作戦をおすすめします。
それである程度勝ち上がれるようになって、それ以上勝つことができなくなってくるレベルになったら、打ち続ける力をつけていけるようにしていきましょう!
アンディ・マレー選手の名言
テニスで恐れるべきは相手ではない。怖いのは、失敗を恐れる事と、ボールに手が届く位置にいるのに、届かない事だ。
自信のあるショットを選択し、相手にミスをしてもらう
テニスは相手のいるスポーツです。
相手のプレーよりも少し上回ることができれば、あなたは対戦相手に勝利することができます。
ラリーを続けて行く中で、自分が相手に対して余裕がある場合、ショットの選択肢は多くなります。
その時に、「決まったらカッコイイ!」 と思うショットをチョイスするのではなく、
「これは打ち続けられて相手が嫌がる」というボールを選択してもらいたいのです。
例えばシングルスでクロスのラリーをしていてクロスとストレート両方の選択があった場合
①ストレートに打ち込めばカッコいいけれど、入る度合い 60 %の確率
②クロスに打っていればミスの確立 10 %。でも、相手にじわじわ効いてミスを誘える。
そうしたらあなたは迷わず、②のクロスに打ち続ける選択をしてください。
つまり、常にショットを選択するときは
「8 割はコートに入れる自信のあるボールを打つ」のです 。
相手側としては、あなたからエースを取られてしまった時は、
「仕方ない、次に取れるようにするぞ~」とモチベーションが上がっていきますがじわじわ押していくショットによって、相手がじれることでミスを重ねれば
「なんだろ~、自分が情けない…」 とテンションが下がってくれます。
同じ 1 ポイントを取るのでも、相手にミスをしてもらって取ったポイントのほうが相手にとってはダメージが大きいのです。
これはあまりお気づきでないかと思いますが、相手にミスをしてもらうショットを考えて打ち続けるプレーができれば、多くの勝利を手にすることができるのです。
あなたも明日から、「自分が打ち続けられるショットでベターは何か!?」 を考えて練習してみてください。
photo credit: IMG_1995 via photopin (license)
ノバク・ジョコビッチ選手の名言
ベストを尽くすためだけにコートに出るのではなく、自分を信じて、勝てると信じる。それが大きな試合で、フェデラーやナダルに勝つ唯一の方法です。
最初の 2 ポイントを絶対取る!
試合をする中でゲームを取るには、 4 ポイントを先に取る必要があります 。
4ポイントを先取する中で、先に最初の2ポイントを取ることの重要性ははかり知れません。
ゲームの最初の 2 ポイントを取れれば、相手はそこから 4 ポイント連続で取らなければゲームを取ることができないのです!
あなたは最初の 2 ポイントを取ることによって、圧倒的にそのゲームを優位に進めることができるのです。
多くの人はゲームの最後のポイント、ゲームポイントや30-30やデュースなどのポイントを重要視しますが、最初のポイントは注意を払わずにショットを打って、簡単に逆に0-30にされたり、競ったり離されてから、神経を使って 30-40を迎え、疲れるゲーム展開をする人が多く見られます。
最初の 2 ポイントをしっかりと押さえて、相手にプレッシャーを与えることで、相手はその後の1ゲーム中は常に集中してショットを打たなければならず、さらに劣勢であればよりミスの少ないショットを打とうとしますから、あなたはそれだけ自分から先手を取れる機会が増えて行くのです。
1 ゲーム中の集中力を最初の 2 ポイントに集中して取れればかなりの確率でゲームを奪うことができるので、絶対に最初だからと気持ちを抜かずにゲームを進めていきましょう。
機先を制することが勝利に近づくための重要なポイントです。
最初の 2 ポイントはゲームポイントと同じ価値があるのです。
機先を制し勝利するには最初に2ポイントを取る
常に2ポイントリード
最初の 2 ポイントは最重要だと言いましたが、取れなかったからといって終わりではありません。
先に相手にポイントを取られてしまっても、まずは離されないようにイーブンにするべきですし、そこからできれば 3 ポイント連続で取れるように頑張らなければなりません。
必要なのは常にリードを保つ意識を持つこと。最初の 2 ポイントで離すことが最善ですが、次に良いのは 2 ポイント差を常に付ける意識で戦うということです。
2 ポイント差ができれば 1 本取られてもまだリードアドバンテージが残ってます。相手は 1 本取っても、もう一つミスをしないでポイントを重ねなくてはならなくなります。
2 ポイント差を常に付ける意識で戦う
自分のミスの確率を低くしてプレーするのは当然ですが、「精神的にリードしていて、確率を上げてプレーする」 のともう 1 ポイントでゲームを取られると思って
「精神的に負担が大きいまま、ミスを少なくプレーする」のでは精神的にかなりの差があります。
あなたは、少しリスクを高めても余裕があるのでショットの精度も高くなり 、相手は少しのミスもしてはいけないと、プレッシャーを感じながらプレーしなくてはならなくなります。
「ファーストポイント」が主導権を握る!!
あなたが試合をするうえで一番重要なポイントはどのポイントだと思いますか?
「マッチポイント!」 「ゲームポイント」 「ブレークポイント」 ?
ゲームの主導権を握るのに大切なのは、各ゲームの「ファーストポイント」 です。
なぜならば、あなたがファーストポイントを取るだけで、相手はあなたにリードするために2 ポイント余分に取らなければならないのです。 しかも、2 ポイント差をつけるためには 3 ポイント連続で取る必要があります。
あなたはファーストポイントを取り続けることによって常にゲームの主導権を取ることができ、2 ポイント差をつけるにはあと 1 ポイントを頑張ればいいのですから、 圧倒的に優位になるのです。
今度、あなたが実際にゲームを行った時にファーストポイントの取得率とゲーム取得率をつけてみてください。
かなりの確率でファーストポイントの取得がゲームに影響しているかがわかると思います。
例えば、練習試合で誰かにスコアの流れをつけてもらってください。その中でお互いにファーストポイントを取ったゲームのゲーム取得率や、先ほどの 2 ポイント先取した場合の取得率や 2 ポイント差になった場合の取得率など、傾向が一目瞭然でわかってきます。
あなたのポイントを取る癖や、取られるパターンもわかってくるので、一度と言わず何度もお互いにデータを取ってみてください。
そうすれば、ファーストポイントの重要性がより鮮明に自分の気持ちにしっかりと刻まれていくはずです。
photo credit: Yellow – Jaune via photopin (license)
常に2ゲーム離す
テニスの試合では必ず、「2つ離す」ことがキーワードになります。
「2ポイント離してゲーム」
「2ゲーム離してセット」
相手と2 つ差をつけないとゲームやセット、試合を終わらせることができないのです。 (最近は、ノーアドや6ゲーム先取の試合も増えてますが… )
「2つ離す」ことに集中することで、あなたの試合における集中力の方向性を良い方向に持っていけるようになるのです。
プロレベルの試合になるとサービスブレークをされて2ゲーム差がつくと、もうセットを取られてしまうぐらいの優位性がありますね。
そこまではいかないまでも、2 ゲーム差を挽回することは、相手にとっては精神的にも疲労することなのです。
「1ゲームリード」というのは、サービスの順番によってリードできやすいですがリードといえるようなリードではありません。けれども、「2ゲームリード」は相手のサービスゲームを取って 2つ離すということですから大きな優位になるのです。
強い意志を持って2ゲームリードする
2ゲーム続けて取っていくという、強い意志を持って試合に挑んでいきましょう。
●サービス力があるのならば~自分のサービスゲームを優位に進めてゲームをとり、相手のサービスゲームでは集中してブレークする目標を作れます。
●サービス力がなければ~サービスゲームもリターンゲームも同じようにゲームプランを作って、ゲームを重ねて「2ゲーム離し続ける」ことを目指していきましょう!
自信を持つ
試合が始まったら、あなたが今まで行ってきた練習のすべてのショットや試合運びに関して自信を持ちましょう。
自信を作るには下記の5つの要素があります。
「これだけ練習してきて、できるようになったから大丈夫」という自信
2 体力に対する自信
テニスのトレーニングを積み重ねてきた自信
3 心理面に対する自信
「自分は緊張をコントロールできる」と思える自信
4 勝敗に対する自信
「競ってきたら、自分の良いショットが出る!この前もそうだった!」という自信
5 目標達成、実力発揮に対する自信
最初に目標を明確にして、スケジュール通りに進んで試合を迎えられた自信
と複数の自信の方向がありますが最後には自分を信じて試合に挑んでください! 信じ切れるのはあなた自身しかいません。
ダブルスであればパートナーも信じるべき相手ですが、自分自身を信じることができなければ勝利の女神はやってこないのです。
そして、試合中はあなたが行うこと、打つショット、試合の流れ、相手のショットへの対応、すべてが自分に良い流れになると思ってください。
そして、今日は一番良い試合が出来ると信じてください。
精神論に少なからずなりますが、先ほどの 5項目に対する自信はすべて揃っているのが良いのですが、1つでも 2つでもかまわないのです。
あなたがこの試合に向けた行動に対する自信が1つでもあれば、それが試合中に大きな支えになってくれるのです。
気持ち良い試合はしない
試合は、1ポイント1ポイントの積み重ねです。
自分がミスをすればへこみますし、相手に決められると情けなさや怒りが湧いたりします。
自分が気持ち良くエースを相手から取っても1ポイントには変わりませんし、そのあとに簡単なミスで1ポイント取られてしまっても、さっきのエースと同じ1ポイントなのです。
気持ち良く狙い通りに打てて相手からエースが取れると、そのポイントがすごく大きいイメージになって3ポイントも4ポイントも取った気分になることがありますが、そのイメージを持ち続けてしまうと、簡単なミスを忘れてしまいやすく、結局トータルでポイントを多く失っていることがあるのです。
ですから、1ポイントの重みを常に一定に思って、1ポイントの積み重ねに注意して試合に挑んでください。
「ミス待ち」をして粘れと言っているのではありません。
1ポイント1ポイントの積み重ねをどうすれば優位にできるかを思いながら試合を進めてもらいたいのです。
エースを取って気持ちがノってくる効果はありますが、そのポイントはすぐにリセットして次のポイントを取るために行動をする習慣を持って試合をしてみてください。
- あなたがポイントを取るパターンは何ですか?
- それは確率60%以上ありますか?
- 他に60%以上ポイントを取れる作戦はありますか?
ラファエル・ナダル選手の名言
テニスはポイントの積み重ねで勝負が決まる。 だから、全部のポイントが大事で、大事じゃないポイントなんてない。 ひとつひとつ積み重ねて、結果として勝敗が分かれるんだ。
相手を気持ち良くさせない
試合で重要な要素の1つに「相手に良いプレーをさせない」という戦略があります。
これは、相手のレベルが自分よりも高ければ高いほど考えなければならない要素です。
テニスの面白いところは、実力差があっても相手に実力を出させなければ相手になるというところです。
相手が得意なパターンや戦術をしっかり把握して、そのパターンをさせない努力をすれば勝機は誰にでもあるのです。
「相手はフォアハンドに自信があるようだから、バックに集めよう」とか
「ストロークを強く打たれないように、中ロブでバックに打とう」とか
「速いボールが相手は好きで速く返されて劣勢になるから、遅く打とう」とか
「高いボールは打ち込むのが得意だから、スライスで低く打とう」等々
相手の有効なパターンを多くすることで相手は乗ってきますし、自分はへこんできますから実力差がドンドン開いてくるのです。
出来るだけ相手が苦手なショット、展開をイメージしてポイントを積み重ねていってください。
- 相手は何が得意ですか? (ショットやパターン)
- それをさせないためには何を打たせますか? (複数)
- それをあなたがさせないショットは何ですか?
まとめ
ここまで試合についての考え方や心構えについて、お伝えしてきましたがいかがでしたか?
これまでの試合でのご自分のプレーや考えとは、違ったものでしたでしょうか?それとも、近いものでしたでしょうか?
1ポイントずつを大切にして、どのようにしたら取れるのかを考える。
自分のプレーに自信を持ちながら、大事なポイントをしっかり取ってリードしていくことでようやく勝利が手に入るのです。
ここで紹介した勝利のためにできることを習慣として身につけ、これまでより勝てるように頑張ってください。
著名なトッププロ選手のコーチとして有名なブラッド・ギルバードさんの名言
実はテニスプレイヤーのほとんどが、カッコよく勝つことをイメージしている。カッコよく勝つことしか考えてないために、自分が勝てるチャンスを潰しているということに気づかないのである。
無料でテニスレッスンのメルマガを毎日読める! ここをクリック‼ ↓↓↓↓↓↓↓ |