テニスの栄養は、マレー選手も大好物な寿司から!
男子プロテニス選手のトップには、長らくBIG4と称される4選手が君臨しつづけています。
BIG4の選手とは、アンディ・マレー、ノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダルですが、その中でランキング1位になったことがなかったのがマレー選手です。
しかし、2016年、ついにアンディ・マレーが29歳で初のランキング1位になりました。
いわゆる「遅咲き」で1位となったマレー選手の食生活は、どのようなものなのでしょうか?
この記事ではマレー選手がテニス後に食べる寿司について、ほかのトッププロ選手たちにも人気であること、寿司の栄養についてなどをご紹介します。
アンディ・マレー選手の食生活
画像 インスタグラム アンドリュー・バロン・“アンディ“・マレー (Andrew Barron “Andy” Murray) 身長190cm、体重85kg イギリス国籍 スコットランド・ダンブレーン出身 1987年5月15日生まれ |
アンディ・マレー選手と言えば、ミスの少ないグラウンドストローク、的確で広い範囲の守りを基本として、そこからカウンター攻撃に切り替えるスピードが武器の選手です。
タフな長い試合をすることが多く、スタミナが豊富です。
スタミナを維持するために、激しいトレーニングを重ね、自身の肉体について徹底的な管理をしています。
食生活としては、一日に6,000キロカロリーの食事と6リットルの水を摂取しているそうです。
ヨーグルト、ピーナツバターを塗ったベイグルにプロテインシェイクの朝食から始まり、赤身の肉、パスタ、ライスなど間食も入れて一日6食を食べるといいます。
そんなマレー選手が、試合のハードなプレーによって失われた炭水化物とタンパク質の補給に、試合後1時間以内に「あるもの」を食べるようにしているそうです。
それが、「寿司SUSHI」です!
英国国内だけでなく、他国での試合の時はTwitterで「この辺りでsushiが食べられるところを教えて?」と滞在地の寿司屋さん情報を求めているとか。
さらに、マレー選手のチームは試合会場近辺の高級寿司店を常に把握しているそうです。
そういった寿司大好きなマレー選手は、英国メディアThe Daily Mailの公式サイトMail Onlineによると、一度に50個の寿司を食べることもあるそうです。
ウィンブルドン選手権では、試合終了時刻が遅くなった場合に備えて、寿司をクーラーボックスに入れて持ち運んでいたそうです。
マレー選手をコーチしたNino Severiho氏によると、マレーが試合後に寿司を食べる理由として
「アンディーは自分の肉体を削ってプレーしている。このため、プレー後は失われたたんぱく質を補給する必要がある。たんぱく質は肉体の復元における重要な要素だからだ。(試合後の)肉体は、筋肉と肝臓にグリコーゲンを補給するため炭水化物とたんぱく質を必要としている。」と説明しています。
2015年の英国対米国のデビスカップ選手権では、自身の試合後のジェームズ・ウォード選手の試合中に寿司を次々に食べる姿が放送されました。
healthy, high protein snack を食べているとの表現が使われていましたが、英国人にとって、寿司はヘルシー、ハイプロテインスナックなのですね。
さらに、Mail Onlineによると、オーストラリア国立スポーツ研究所はすべてのアスリートに対し寿司を食べることを勧めていると伝えています。
寿司がテニメシな理由
寿司飯からは、筋肉と肝臓に栄養を補給する炭水化物
食酢からは、疲労回復効果
ネタとして使われているサーモンなどからは、肉体の復元に重要なたんぱく質
(サーモンは、オメガ3が豊富といわれています)
巻き物で使われている海苔からはヨウ素。ヨウ素は新陳代謝を促し、たんぱく質の代謝を促進します。
欧米の調理方法だと、サーモンなどは油を使うことが多いので、寿司として摂取することで余計な脂肪分を取らずに済むのも利点なのでしょう。
短時間で栄養補給をするのに、寿司は理にかなった食事なのかもしれません。
◎寿司ネタの栄養成分
寿司ネタとなる魚は大きく3色の種類に分けて考えることができます。
たんぱく質の他にどのような栄養成分があるのかを紹介します。
①赤(赤身)まぐろ、かつお、えびなど
赤身にはDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)に加えてビタミンD、Bが多く含まれていて疲労回復効果があります。
脂肪分が多い傾向にあり、白身魚とくらべて濃厚で旨みが強いのが特徴です。
②青(光物) いわし、さんま、アジ、サバなど
DHA、EPAに加えて、カルシウム、タウリンが豊富に含まれています。
③白(白身)タイ、ヒラメ、サケ、マスなど
サケやマスは色が赤いので赤身ではないのか?と思ってしまいますが、アスタキサンチンという色素を体に取り込んで赤くなっているので、分類としては白身となります。
白身魚はたんぱく質が豊富なわりに脂肪分やコレステロールが少ない、いわゆる高たんぱく低脂肪食品です。
疲労回復には赤、ヘルシーに栄養を取るには青、良質なたんぱく質が欲しいなら白、といったように必要なものを、色を目安に取るようにしてみてはいかがでしょうか?
◎寿司のカロリーは?
寿司1カンの寿司飯の量は、おおよそ20g。カロリーは32キロカロリーです。
さらに、寿司ネタを乗せるので、寿司1カンあたりは37~85キロカロリー位となります。
(ご飯の量やネタのサイズ、寿司ネタによるカロリーの差がお店や時期によっても大きく異なります。)
寿司並一人前 588Kcal
画像 カロリーSLISM
食べやすいので、パクパクと必要量以上に食べてしまうことの多い寿司です。
寿司だけで、多くのカロリーを取ってしまいすぎるかもしれません。
一日の必要な栄養素のバランスをしっかり取るようにも気を付けましょう。
こちらも参考にしてみてください。
全豪オープンでも人気SUSHI
テニス選手では、寿司好きとしてほかにセリーナ・ウイリアムズ(ウィリアムス)選手やラオニッチ選手、ベルディヒ選手などもいます。
世界的な日本食ブームの影響もあるのでしょうが、アスリートに必要なたんぱく質と炭水化物をおいしく食べられるからといった理由もあるようです。
また、テニスの4大大会(グランドスラム)の中でも、全豪オープンは選手の間で「ハッピースラム」と呼ばれているそうです。
画像 WOWWOW
というのは、他の大会に比べて色々な特典が多く、運転手の送迎や観光、トラベルバウチャー(航空運賃、宿泊費に使える金券)、様々なギフトをもらえるなどがあります。
さらに、2016年からは選手が一番ツアーで楽しみにしている食事が「無料かつ無制限!」になり、選手とコーチは食事カードを提示すれば好きなだけ食べることができるそうです。
中でも寿司は大人気で、双子で知られる男子ダブルスのマイク・ブライアン選手(米国)によると、
「寿司には大行列ができているし、食べ物をテイクアウトするのもいるし、家族全員分を持っていくやつもいる」と言っています。
さらに、ボブ・ブライアン選手はこの大会から
「食べ物が無料なら人は(いつもより)たくさん食べる」という教訓を学んだそうです。
【追記】
マレーの義父のナイジェル・シアーズ氏もマレーを上回るような寿司好きであることが判明。
女子選手アマンダ・コッツァー、ダニエラ・ハンチュコバ、アナ・イワノビッチ、アネット・コンタベイトなどのコーチをしてきたナイジェル・シアーズ氏。
英The Guardian紙によると、2020年1月に「全豪オープン」会場のロッド・レーバー・アリーナにアネット・コンタベイトのコーチとして登場。
実は、4年前にこの会場で大量に食べた寿司のせいで観客席で倒れて病院に救急搬送されたことがあったそうです。
シアーズ氏によると、いまだに寿司を愛好している模様。コメントを紹介します。
「実は、今でも寿司を食べるよ」と明かす。「あの時はすごく運が悪かったんだよ。オーストラリアの寿司は本当に素晴らしいんだから。あの時、他のコーチに『気分が良くない』と言ったら、『10日も連続で寿司を食べたら、おかしなものに当たって当然だよ』って言われたよ」
【関連記事】
テニスプレーヤーに大切な「間食」について
トッププロのテニス選手たちは、練習やトレーニング、試合で激しく体力を消耗するので、一般プレーヤーにくらべて1日に必要なエネルギー量が1,000~2,000キロカロリー多くなります。
通常の食事2~3食分くらい多く食べなくてはいけないため、朝・昼・夕の3食だけでは補給することができません。
そこで、食事の間に簡単な「間食」を摂って不足するエネルギーや栄養素を補うことが大切になります。
間食は、運動の前後や前の食事から3時間以上空いてしまうタイミングに必要になります。
一般プレーヤーで、それほど運動によるエネルギー消費をしていない場合、かえってカロリーオーバーになりますので、自分の基礎代謝量と身体活動量から「推定必要エネルギー」を把握して食事量をコントロールするようにしましょう。
まとめ
マレー選手をはじめとするトップテニス選手たちに、寿司が大人気なのがわかっていただけたでしょうか?
アスリートに必要なタンパク質と炭水化物を手軽においしく食べられるSUSHI。
寿司好きのために、日本へ試合に来てくれる選手もいるそうです。
食事としてだけでなく、手軽な栄養補給の間食としての寿司の一面についてお伝えしました。
テニメシとしての寿司、試してみますか?
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