テニス タイブレーク(タイブレイク)のやり方【動画有】
タイブレークのやり方、いつ採用されるかなどを紹介します。
タイブレークは、スポーツの試合などで用いられる用語で、同点の試合に決着をつけるための特別なルールです。
友達との練習試合や、テニスの試合に出始めた頃はタイブレーク方式を行う機会はなかなかないため、いざ試合でタイブレークを行うことになった時にルールがよくわからずにあわててしまったという話をよく聞きます。
本番であわてずにすむように、タイブレーク方式のルールをしっかり理解しておきましょう。
少ない時間を効率的に使って上達したいなら、「テニスライズ」の無料メルマガ登録!>>>>
この記事の目次
タイブレークとは
タイブレークとは
テニスのポイントは、30-15のように15ポイント刻みかと思うと40-15となったり、ちょっとわかりづらいところがあります。
ルールの中でもわかりづらいのが「タイブレーク」です。
テニスの試合では、ふつうのゲームポイント形式で行うときと、「タイブレーク」というポイント制で行うときの2通りがあります。
タイブレーク形式のルール
基本的に、テニスの試合で1セットを取るためには「6ゲームを先に取った方の勝ち」というルールです。
けれども、対戦していて両者ともに「5-5」となった場合は、「2ゲーム差をつけなければいけない」という別のルールにしたがってゲームを行います。
互いに「5-5」
次のゲームで、どちらかがゲームを取ると「6-5」になりますが、そこで終了とはならずに、「2ゲーム差をつける」ために、更にゲームを行う必要があります。
(6ゲーム先取となっている試合の場合は「6-5」でセット終了です。)
「6-5」の場合、次のゲームで「7-5」になればセットは終了します。
B選手「7-5」で取りました
「6―6」になる場合もあります。
ここで、2ゲーム連取できなかったら、2ゲーム差がつくまで試合を続けなければいけないルールへ。
もう一つのルールが、ゲームカウントが「6-6」になったら次のゲームをタイブレークというゲーム方式で行ない、その勝者をこのセットの勝者にするというものです。
互いに「6-6」タイブレーク突入
タイブレークはポイント方式で、7ポイントを先に取ったほうがそのセットを取ります。
このタイブレークは“first-to-seven”と呼ばれ(12ポイント方式と呼ばれていたこともあった)、7ポイントを先に取った方がセットを取得します。(9ポイント方式と呼ばれていた5ポイント先取方式は、現在は使われていません。)
タイブレークのポイントも、6-6になった後はデュースと同じように2ポイント差がつくまで試合を続けます。
タイブレークは、1ゲームとして数えますから、タイブレーク後のゲームカウントは「7-6」になります。
タイブレーク例①
タイブレーク A選手「7-3」で取りました
2ポイント以上の差をつけて7ポイント以上取ったA選手がセットを取ります。
タイブレーク例②
タイブレーク B選手「9-7」で取りました
6-6となった後、互いにポイントを取り合い、B選手が2ポイントの差をつけこのセットを取りました。
対戦相手のサーブゲームを取ることをブレイクといいますが、タイブレークでの相手サーブのポイントを取ることはミニブレーク(ミニブレイク)と言います。
ポイント(得点)の数え方については、こちらの記事を参考にしてください
タイブレークのサーブは?
タイブレーク方式の場合、通常のゲームのときとはサーブのやり方が異なります。
サーブの順番
サーブは、そのセットの最初にサーブを行ったプレーヤーから順番に行います。
最初にサーブするプレーヤーは1ポイント、以降は2ポイントずつサーブします。
タイブレークが終わったあとのサーブ順は
タイブレークの最初のポイントでレシーブをした人(チーム)がサーブを打ちます。
ダブルスのチーム内での順番は、次のセットに入ったので前のセットと変えることもできます。
サーブを打つサイド
通常のゲームとは、タイブレークでのサーブを打つサイドは異なります。
1ポイント目
|
「デュースサイドから」サービスを始めます。
|
2ポイント目
|
サーブ権が相手に移り、「アドサイドから」打ちます。
|
3ポイント目
|
「デュースサイドから」2ポイント目と同じプレイヤーが打ちます。
|
4ポイント以降
|
2、3ポイント目の繰り返しです。
|
1ポイント目のサーブは、「デュースサイドから」
2ポイント目以降の各選手のサーブは、すべて「アドサイド」から始まります。
2ポイント目以降は、2ポイントずつサーブを交代していきます。
アドサイド→デュースサイドの順に2ポイントサーブを打ったら
↓
サーブを相手選手へとチェンジし、アドサイドからサーブを始めます。
自分、相手関係なしに、サーブ毎に「サーブを打つサイドは必ず交代する」を忘れずに。
お互いに取ったポイントの総数が奇数になったら、サービスチェンジです。
デュースサイド、アドサイドについてはこちらの記事をどうぞ
タイブレークで知っておくべきもう1つのポイントは、コートエンドをチェンジするタイミングです。
タイブレークでは、お互いに取ったポイントの総数が「6の倍数」の時にエンドチェンジをします。
つまり、3-3、5-1、4-2や、6-6、9-9などのときにエンドチェンジを行ないます。
この時は、休憩ではないのでベンチに座ってはいけません。
エンドチェンジをしたときには、サーブの順番やサイドを間違えないように。
たとえば「6-0」でチェンジエンド。エンドを変わる前と同じプレーヤーがサーブを行います。
→6ポイント目のサーブはアドサイドから、
エンドチェンジ後
→7ポイント目のサーブは、デュースサイドから。
シングルスの場合
サーブをするサイドと各プレイヤーのサーブ順
試合で困らない為の【タイブレーク講座】シングルスでやってみよう! Tennis Rise テニス・レッスン動画
ダブルスの場合
サーブ順はそのセットの最初にサービスをした選手(12ゲーム目のサービスをした選手の次の選手)から順番に行います。
最初は1ポイント、以降は2ポイントづつで回っていきます。
サーブをするサイドと各プレイヤーのサーブ順
シングルスの場合と同じですが、ダブルスの場合の気をつけるポイントは
誰からサーブを始めるのか
奇数ポイントでサーブ権が変わるので変わった時はアドバンテージサイドから始まる
を押さえておきましょう。
6-6になった場合、合計12ゲーム=全員が3ゲームずつサーブをした状態なので、
そのセットの始めにサーブを打った人からタイブレークが始まります。
ファイナルセットにマッチタイブレーク方式を採用した場合は、新しいセットになるので、
前のセットの最終ゲームでサーブを打っていないチームのどちらかの人からサーブを始めます。
タイブレークのカウントコール
タイブレークのときのカウントコール(得点の数え方)も覚えておきましょう。
タイブレーク A選手「7-4」で取りました
スコアの書き方
試合終了をしたあとに、スコアカードを自分で書いて提出する大会があります。
タイブレークとなったときのスコアの書き方も覚えておきましょう。
A選手が「7-3」でタイブレークを取った
この様な結果になった場合は、ゲームカウント「7対6」で、スコアーの表記はセットを取られたプレーヤーのタイブレークでのポイントを( )書きで後ろに書きます。「7-6(3)」
タイブレークは、「7-3」
カッコ内の数字が0~5のときは、タイブレークを取ったプレーヤーは7ポイント、
カッコ内の数字が6以上のときは、タイブレークを取ったプレーヤーは右上またはカッコ内の数字プラス2ポイントと分かります。
ファイナルセットは特別
ファイナルセットは、最も白熱し緊張感ただようセットだけに特別なルールがあります。
全米オープン以外のグランドスラム・デビスカップ・フェドカップでは、ファイナルセットだけはタイブレークを行わず、アドバンテージセットで行うため2ゲームの差が付くまでゲームを続けます。
ファイナルセットだけ「15-13」や「20-18」などもありえます。
グランドスラムの最長試合 2010年全英オープン 男子シングルス1回戦のジョン イスナー(米国)対ニコラ マユ(フランス) イスナーが6-4、3-6、6-7、7-6、70-68で3日がかりの激闘を制した。 11時間5分で決着しました。 |
Isner v Mahut (2010 Men’s First Round) – Rolex Wimbledon Golden Moments
グランドスラムでも、ダブルスの場合は、時間短縮をすることにより、トップ選手のダブルスへの参加をうながすために、「マッチタイブレーク」を採用しています。
「マッチタイブレーク」とは、1セットオールまたは2セットオールのときファイナルセットとして10ポイント(あるいは7ポイント)先取のタイブレークで決着を付けることです(この方式が取り入れられた最初の頃はスーパータイブレークとも呼ばれていました)。
公式試合の要項を解説
皆さんが、県や市のテニス大会に出場したいと思ったら、まず試合要項で会場や日程、クラスなどを確認して申し込んでいると思います。
そのときに、要項には、どのような試合形式で行うのかも書かれています。
せっかく書かれていても、どういう意味なのかがわからないままでは困りますよね。
具体的な試合要項で書かれている意味について説明をしてきます。
県大会などでは、下のような試合形式で行われることがあります。
<予選>8ゲームズプロセット(8オールタイブレーク) <本戦>8ゲームズプロセット(8オールタイブレーク) 準決勝、決勝のみ3セットマッチ(6オールタイブレーク) |
8ゲームズプロセットは
試合時間を短縮するために3セットマッチの代わりに採用
「8ゲームの先取ではあるが、8-8になったらタイブレークをする」
というルールです。
市民大会などでは、コート数や時間に制約があり、
6オールタイブレーク(ノーアドバンテージまたはセミアドバンテージ)がよくあります。
ある市の例をもとに、実際の試合形式を説明します。
【シングルス】 本戦 /3セットマッチ(6オールタイブレーク) 予選 / 8ゲームズプロセット(8オールタイブレーク) 【ダブルス】 本戦 / ノーアド・2タイブレークセット10ポイントマッチタイブレーク 予選 / 8ゲームズプロセット(8オールタイブレーク) |
わかりづらい、それぞれの言葉について説明します。
「ノーアドバンテージ」 両方のプレーヤーが3ポイントずつを取ってデュースになったら、次のポイントをディサイディング・ポイントとしてその1ポイントを取った方がゲームを取ります。このポイントではレシーバーがサイドを決めます |
「セミアドバンテージ」 デュースになったらアドバンテージポイントを1回行い、勝負がつかないときはそこからノーアドバンテージ方式になります。 |
「ノーアドバンテージ」→ノーアド、「セミアドバンテージ」→セミアドといったように省略した言い方をする場合もあります。
「10ポイントマッチタイブレーク」 最終セットの代わりに行うタイブレークです。 2ポイント以上の差を付けて10ポイント以上取った方が勝利します。 従って、10-10となった場合は、2ポイント差が付くまで続けます。 |
「10ポイントマッチタイブレーク」は、最近プロのダブルスの試合で採用され始めているルールです。
サーブの順番、エンドチェンジは6-6タイブレークと同様となります。
タイブレークの生まれたワケ
なぜタイブレークが生まれたかというと、「テレビの放送枠」が1つのキーワードです。
テニスは時間無制限のスポーツのため、試合終了時間が読めません。
1960年代後半からテレビ放送が始まったことで試合時間の短縮が求められ、大会運営上もやりにくいということもあり、1965年にアメリカのジェームズ・ヴァン・アレンにより「タイブレーク」方式を考案。
1971年からウィンブルドン選手権で実施されることに。
この時は、最終セット以外のセットでゲームカウントが8-8となった後に行うというルールでした。
1979年には、ゲームカウント6-6の後に行うというルールに変更されました。
なぜこのように変則的なやり方をするのかといえば、テニスは、競技の”公平性”の確保をめざしているからです。
「テニスは紳士・淑女のスポーツである」
という表現をよく聞くと思います。
そのために、サーバーの交代やコートの交代などをこまめに行なって、どちらかのプレーヤーだけが有利にならないような仕組みを取っています。
テニス以外でも2018年春の選抜高校野球から、延長戦に「タイブレーク制」が導入されると日本高野連から発表されています。
延長戦で初めからランナーを置いて始めるため得点が入りやすく、試合の決着が早くなり時間短縮されそうです。
議会などで賛否同数の場合、議長の一票で賛否を決める議長決済を「タイブレーク」というそうです。まさにTie(拮抗している状態)をBreak(破る)ですね。
まとめ
テニスの「タイブレーク」は、慣れるまではちょっと難しく感じるかもしれません。
なかでも、タイブレークのサーブ順は一見複雑なように感じますが
サーブ権の交代とエンドチェンジのタイミングを押さえることで、スムーズにできるはずです。
仲間内でのテニスでコートの面数や時間の割に人数が多いときなどに
試合形式でゲームを行えるタイブレークをやってみてはいかがでしょうか?
回転が早くなり、待ち時間が少なくなります。