テニス 前へのフットワーク(縦の動き)の動き方【動画有】
テニスで苦手な人が多い、前後のフットワークのやり方について紹介します。
あなたは、短いボールやドロップショットを追う場面の「前へのフットワーク」に自信ありますか?
フットワークの練習というと、「横の動き」である左右への動きはよく練習しますが、「縦への動き」である前後の動きはあまり練習する機会がありません。
前の短いボールを追うときに、ただ前にまっすぐ走るだけではうまく打てません。
フットワークで人と差をつけたいのならば、前方向への動きに自信を持てるようにすることです。
特に、女子のプレイヤーは前方向の「浅い」「短い」球を苦手にしていることが多いと思います。
どのように前へ走って行くべきなのかのコツを2パターン、ご紹介します。
足が遅くとも、素早いフットワークができるワケ>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方はこちら
この記事の目次
テニスコートは「縦長」
テニスコートの形やサイズは、どのようなものか知っていますか?
あなたのイメージするコートを紙とペンで、紙に書いてみてください。
テレビで見ているテニスコートはこんな感じです。
あなたの書いたコートもこのような形になっていませんでしたか?
テニスコートのサイズや縦横の比率を正しくイメージできている人は、それほど多くはありません。
ビギナーや中級位までの方でしたら、このテレビ画像のような正方形に近い感じで思っている方が多いようです。
テニスコートは、縦が23.77m、横はダブルスコートの場合で10.97mです。
下の図の水色部分がコートです。
テニスコートサイズ
このコートを見て、「意外と、縦に長い!」と思いませんでしたか?
この縦の長さを使うのが、テニスの戦術としては有効です。
コートのサイズを生かすために、相手を左右に動かすよりも、長短(前後)に動かすことを狙うことでより相手を走らせることができます。
・相手の頭上を越えて、後ろにボールを落とすような深い山なりのロブショット
・ネットの手前に落とすドロップショット
などを使うことで有利に試合を運ぶことができます。
逆に、自分が相手から前後に動かされた場合にはしっかり対応できるように、どのように動いたらよいかを理解して練習で身につけるようにしましょう。
そのときにも、コートサイズが感覚として身についていると、今いる地点から目的の地点までが必要な歩数で動けるようになり、無駄な運動量を使うことなく、その後のショットをしっかり相手へ返すことができます。
左右どちらの足から踏み出すかまでの感覚をつかむには練習を重ねる必要がありますが、相手に返すだけではなくもっと良いショットを打ちたいのであれば、そこまでの感覚をつかめるように意識して練習することが必要です。
テニスコートのサイズについては、こちらの記事をどうぞ
前へのフットワーク
相手から前後に動かされた場合のうち後ろ方向への対応についてはスクールのレッスンなどで練習する機会があるかもしれません。
ロブショットに対してスマッシュやハイボレーで対応する練習はスクールでもやっています。
けれども、ネット近くの短いボールへの対応といった練習はあまりされません。
前に行く練習としては、相手のボールが短くなったチャンスボールやアプローチショットの練習はしても、全力で走らなければ取れないボールへの対応といった練習はあまりされていません。
短いボールを使われても対応できるように、「前へのフットワーク」をご紹介します。
ネット近くへの短いボールやドロップショットのようなボールを追うフットワークには、
2つのパターンがあります。
ただ走るだけではNG
ただ全速力で真っすぐ走るだけということにならないように、前のボールに追いついてその球を正確に打つためにはどういう風に走れば良いのか説明します。
余裕を持って追いつける場合とギリギリで追いつく場合では、それぞれのフットワークがありますので、順番に解説していきます。
前へ行っても余裕がある状況
最初にご紹介するのは、前へボールを追いかけていってもまだ余裕がある状況の場合です。
下の2つにチェック☑できるようでしたら、まだ余裕がある状況といっていいでしょう。
■前へ走っていって、ボールの横に入れる ■まっすぐに体が起きている状態で打てる |
下の画像のような状態であれば、余裕ありです。
では、そうした状況の時にはどのような点に気をつけてショットを打てば良いのでしょうか
◎姿勢で気をつけるポイント
ボールの横に入った時は、「体を起こす」ことを意識してください。
走り始めは良いのですが、動いていってボールに近づいた時には、腰を起こした真っすぐの姿勢で前へ移動し、そのままボールの横に入って打つ。
これが、余裕のある時の姿勢です。
前へ走る時には、あまり「頭が下がらない」ように気をつけましょう。
前へ走っていった時に、あまり前のめりの姿勢になってしまうと、その姿勢からボールの横に入って打つことはしづらくなります。
◎ボールへの入り方
バウンドしてくるボールの軌道に対して、横に入りながらボールを打つようにします。
・最初は前へまっすぐ走って良いのですが、ボールに近づいたら「回り込むように」してボールへ近づくようにします。
・打つモーションに入ったら、クロスステップ、サイドステップを使って打点の調整をします。
実際のフットワークの使い方
ギリギリ追いつく状況
ボールへ追いつくのがギリギリとなってしまうような状況については、また別のフットワークを使います。
その場合には、短距離走の「よーいドン」のようなイメージです。
姿勢を低くして、頭を少し前にすることで加速します。
といっても、それをやりすぎてしまうと転んでしまいますが…
厳しい球に追いつくための姿勢としては「腰」がポイントです!
次のような姿勢を意識します
・腰はある程度低く落とす。
・腰が前足よりも出ないようにする
「腰」がポイント
腰をポイントとするのは…
腰が折れ曲がると、走っていく時に膝が上がらないので前へ早く進めなくなってしまうからです。
頭が前にあって、足よりも腰が後ろにある「バランスの取れた」状態で走っていくようにしましょう。
この状態で、ベースラインからネットまでの12m位の距離を「短距離走」のようにして早く走っていってボールに追いつくようにします。
よく見かけるのが、下の画像のような状態です。
■前のめりになりすぎ
頭をおじぎさせた前のめり、腰が前足よりも出ている
背筋を立てるようにしないと足が前に出ません。
■体が起き上がった姿勢
下の画像のように腰が反ってしまうと、どうしてもスピードが落ちてしまいます。
短距離走者のように「胸を出していく」イメージで走ってみてください。
スタートダッシュ後、胸を出していくようにして走る
■ラケットを構えながら走る
ラケットを早くから構えて走る方もよくいらっしゃいます。
短距離を急いで走るときに、通常はこの姿勢をしていないのでは?
下の画像を見ていただくとわかると思うのですが
早く走る=腕を振るです。
ボールに追いつけない人は腕を振って走っていないのが原因かもしれません。
「走る」ことに慣れていないと、腕を振って走るということが難しく感じることも多いようです。
ボールにいつも追いつかないというのなら「腕」を意識してみてください。
ボールを打つ間際にラケットを持って、それまではラケットをリレーのバトンのように持って走るようにしましょう。
(実際のフットワークの使い方)
最初は低い前傾姿勢
徐々に腰を立てていく
腕を振って走る
走りながらラケットセットに入る
ボールに追いついたら、背筋を立てて
最後の姿勢では、足を大きく開いて背筋をまっすぐ立てることで上体のブレをなくして、できるだけふだん打つ時の姿勢で打つようにします。
ボールに追いついた後、頭が下がってしまっている方も多く見受けられます。
最後まで、前かがみにはならないぞ!とここはガンバって。
姿勢が崩れないことで、膝が折れ曲がりやすくなりますので、最後まで打点の調整ができます。
下の動画内では、河合幸治校長がデモンストレーションしています。
「前へのフットワーク(縦の動き) 2パターン」Tennis Rise テニス・レッスン動画
「前」は女子プレイヤーの弱点
女子の中には、前への対応を苦手としている人が多くいます。
シングルスプレイヤーならば一人でコートをカバーする意識が高いかと思いますが、女子ダブルスをメインでやっていると、短いボール、浅いボールへの対応に自信がないことが多いようです。
浅いボールが来てもしっかり対処して、そこからでも攻撃できるように練習をしておきましょう。
☆テニスが上手くなりたい方におすすめ↓
反応をよくするために
足が遅いから、前のボールは取れないと思ってあきらめてしまうのはもったいないことです。
ボールへの最初の反応が早ければ、足が遅くてもカバーできます。
前のボールに対しての反応をよくするためには、予測を立てられるようにすることも必要です。
相手の打つボールへの予測
相手が打ってくるボールを予測する一つの方法は、相手が打つ直前のラケット面を見ることです。
どの位の回転、スピード、強さ、コースかを打つ直前のラケットの構えや向いている面である程度予測します。
知っている相手であったり、初めての相手でもゲームがある程度進んでくると相手の傾向がつかめてきます。
そうなると、こういう時にはこのコースが多いなどの試合中のデータで、可能性の高いコースはどこかという予測を立てます。
これらの予測から、1歩めの反応を速くすることができます。
走るコースの予測
相手がボールを打つポイントからボールがバウンドする位置をまず予測します。
そして、自分がいる位置からバウンドする位置までの最短距離はどこかを瞬時に予測することで走り出しの反応を早めることができます。
こうした予測をする意識を日頃から持って、反応速度を高めていきましょう。
自分の試合の時だけでなく、人の試合を見るときも自分が試合をしているつもりになって予測をすることで「予測」する力をアップすることができます。
まとめ
前へのフットワークという、あまり練習やレッスンでは行っていないテーマについてお伝えしました。
相手からの横、前後に動かされたときに、やっと返すだけではなく自分から主導的にボールを打てるようになればチャンスの機会が広がります。
ボールへの反応と予測は、日々の練習から意識しましょう!
「あぁ~、またミスをしちゃった!」ゴメンナサイばかりのテニス脱出。
そんなテニスにサヨウナラしたいなら、こちらをどうぞ>>>>