テレビでテニスの試合を見ているとき、プロ選手がバナナを食べているのを見たことがあるでしょうか?
「見たことある!」というあなた。
気になってしまうのも無理はないですね。
しかし、何事にも理由があるもの。
バナナの持つ効果は、テニスプレーヤーには嬉しいものばかり!
プロも認める理由が、そこにはあるのです。
こちらの記事では、バナナの成分がテニスプレーヤーにもたらす嬉しい栄養効果。
さらに、食べごろ、食べるタイミングなどバナナの効果的な食べ方まで!
明日からトレーニングや試合に取り入れたくなる知識をお伝えします。
この記事の目次
バナナからエネルギーを摂る
なぜ、バナナがプロを始めとして、テニスプレーヤーに親しまれているのでしょうか?
最初に挙げられる理由として、エネルギーにあります。
短期的なエネルギー補給に最適なブドウ糖や果糖などの「単(たん)糖類(とうるい)」。
エネルギーが長持ちする食物繊維やデンプンといった「多糖類(たとうるい)」。
バナナは、単体でこれら二つの糖類を含んでいます。
バナナは、エネルギー補給になる成分をオールラウンドに備えた食べ物なのです。
さらに、ビタミンB群など、摂取したエネルギーを効果的に燃やす成分も豊富に含まれています。
画像 バナナ大学
そんな万能フードなバナナですが、バナナの万能ぶりは、なんとこれだけに留まりません。
さらに、ご紹介していきます。
バナナの栄養成分
バナナは、エネルギー補給はもちろん、集中力の向上、筋肉の損傷防止、リラックス効果など、テニスプレーヤーにも嬉しい栄養効果がまだまだたくさんあります。
画像 バナナ大学
最初に特筆すべきは、必須アミノ酸が豊富に含まれていること。
BCAA、トリプトファン。フィジカル・メンタルの両面であなたのプレーを助ける栄養素です。
◎「BCAA(分岐(ぶんき)鎖(さ)アミノ酸)」
まず、一見聞きなれない「BCAA(分岐(ぶんき)鎖(さ)アミノ酸)」。これは、バリン・ロイシン・イソロイシンといった必須アミノ酸の総称です。
BCAAは、筋肉のエネルギー源。
それだけでなく、タンパク質合成を促進することで筋肉の損傷を防ぐ効果もあるのです。
◎「トリプトファン」
次に、トリプトファンは「セロトニン」を合成するための材料です。
「セロトニン」は、「幸せホルモン」とも呼ばれ、うつ病の治療にも用いられています。
リラックス効果があり、試合時も落ち着いてプレーできますね。
もちろん、セロトニンはパフォーマンスにだって貢献します。
脳の働きを高め、集中力がアップ!バナナの栄養効果は、あなたのプレーをメンタル面でも支えてくれるのです。
次に挙げるべきは「ミネラル」も豊富なこと。
カリウムやマグネシウムなど、いずれも体の調子を整える栄養素。
安定したプレーには、必須と言っていいでしょう。
◎「カリウム」
バナナと言えば「カリウム」。何となく連想する人も多いでしょう。
そんなカリウムの効果は、筋肉の機能を調節すること。
筋肉の機能低下を防ぐほか、けいれんも防止します。
◎「マグネシウム」
マグネシウムには、神経が興奮することを抑えるほか、血圧を調節する効果があります。
メンタル面で作用する点でいえば、トリプトファンとも似ていますね。
エネルギーになり、筋肉を保護し、メンタルも安定させる。
以上紹介した通り、バナナはテニスで必要なさまざまな栄養素を持つスーパーフードなのです。
◎バナナのカロリーと栄養素
中位のバナナ1本、140g。 可食部:84g カロリー:72Kcal |
大きめのバナナ1本、200g。 可食部:120g カロリー:103Kcal |
画像&文章 簡単!栄養and カロリー計算
◎他のフルーツとの比較
|
単位 |
|||
(目安:1本) |
(目安:1/2個) |
(目安:7個) |
||
エネルギー |
kcal |
86 |
57 |
34 |
水分 |
g |
75.4 |
84.1 |
90.0 |
たんぱく質 |
g |
1.1 |
0.1 |
0.9 |
脂質 |
g |
0.2 |
0.2 |
0.1 |
炭水化物 |
g |
22.5 |
15.5 |
8.5 |
灰分 |
g |
0.8 |
0.2 |
0.5 |
ナトリウム |
mg |
Tr(微量) |
Tr(微量) |
Tr(微量) |
カリウム |
mg |
360 |
120 |
170 |
カルシウム |
mg |
6 |
3 |
17 |
マグネシウム |
mg |
32 |
3 |
13 |
リン |
mg |
27 |
12 |
31 |
鉄 |
mg |
0.3 |
0.1 |
0.3 |
亜鉛 |
mg |
0.2 |
Tr(微量) |
0.2 |
銅 |
mg |
0.09 |
0.05 |
0.05 |
マンガン |
mg |
0.26 |
0.02 |
0.20 |
カロテン |
μg |
56 |
15 |
18 |
ビタミンB1 |
mg |
0.05 |
0.02 |
0.03 |
ビタミンB2 |
mg |
0.04 |
Tr(微量) |
0.02 |
ナイアシン |
mg |
0.7 |
0.1 |
0.4 |
ビタミンB6 |
mg |
0.38 |
0.04 |
0.04 |
ビタミンC |
mg |
16 |
4 |
62 |
ビタミンE |
mg |
0.5 |
0.1 |
0.4 |
葉酸 |
μg |
26 |
2 |
90 |
パントテン酸 |
mg |
0.44 |
0.03 |
0.33 |
食物繊維総量 |
g |
1.1 |
1.4 |
1.4 |
水溶性食物繊維 |
g |
0.1 |
0.4 |
0.5 |
不溶性食物繊維 |
g |
1.0 |
1.0 |
0.9 |
りんごは皮をむいた状態
七訂日本食品成分表より
画像 バナナ大学
バナナを摂るタイミングは?
さて、プロテニスプレーヤーも納得の健康効果はひと通り分かったことでしょう。
と言っても、その効果をテニスでも発揮できるかは、「いつ・どう食べるか」にかかってきます。
ここでは、「試合」というシチュエーションで説明していきます。
テニスの試合時においてバナナを食べるタイミング。
それは、「試合開始1時間前」と「試合終了後30分以内」の2つです。
その理由は何でしょうか?
試合中は「胃の中は空だけど、体にエネルギーは満たされている」状態がベストです。
試合時間が長引くようなら、単糖で消化吸収が速くエネルギー転換時間が速い食品、”バナナ”が最適です。
プロは、試合時間が3時間を超えて、栄養を使いきってしまいそうになるから食べるのであって、一般プレーヤーはあえて試合中に食べて胃を動かす必要はありません。
◎「試合開始前1時間前」の理由
試合前は、試合開始までに十分なエネルギーを蓄えておく必要があります。
そのため、前日までは力うどんやおにぎりなど、持続性の高い炭水化物を中心にとる必要があります。
しかし、「1時間前」となると前日のような食事では消化が追いつきません。
そこで、消化のいいバナナをここで食べることで素早くエネルギーを補給するのです。
◎「試合終了後30分以内」の理由
試合終了後、栄養補給はつい忘れがちですが、怠ると次の試合に影響が出てしまいます。
それは試合終了直後も例外ではありません。
試合が終わってホッと一息。
そんな時こそ、バナナを食べて栄養補給です。
酷使した筋肉が回復できるよう、牛乳と合わせてタンパク質も同時に摂りましょう。
以上、試合のときのバナナを食べるタイミングを2つ紹介しました。
もし試合がトーナメント形式で一日中続く場合は、胃の消化時間を考慮して、燃料切れしないようにエネルギーを補給しつづけてください。
試合が終わるごとに使われた分のエネルギーをすぐに補給することが大切です。
バナナのほかには、エネルギーゼリーが便利です。
栄養豊富なバナナをより活かすためには、タイミングよく食べるようにしましょう。
特に、1日何本までといった制限はありませんが、バナナにも足りない栄養素はありますし、一日の自分にとって必要な総カロリーを考えながら、いろいろなものをバランスよく食べるようにしてください。
試合にパーフェクトなコンディションであるためには、ふだんからの食事と試合2カ月前からの食事です。
試合で勝つための栄養、食事についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ
◎プロ選手の場合
プロ選手は試合のコートチェンジのタイミングで食べている姿をよく見かけます。
どの大会でもコートサイドに、バナナが用意されている場合が多いようです。
もちろん選手は、試合前に食事を摂取していますが、それでは足りないためバナナやエネルギーゼリーを口にしているわけです。
エネルギーの吸収に、即効性があり、持続性もあるバナナは選手たちに人気です。
画像:BODY HACK
バナナの食べごろは?
これでバナナの「食べ方」も分かりましたね。
しかし、バナナは時期によって色が変わる食べ物です。色だけでなく、栄養価も変わってきてしまいます。
いったい、テニスのプレーにおける「バナナの食べごろ」はいつなのでしょうか?
◎熟しきったバナナ
バナナが熟しきった時期は、茶色の斑点がありますが、この斑点は「シュガースポット」と呼ばれ、糖分が最も高いのもここです。
糖質だけではありません。
免疫力を高める効果は、採れたての8倍にもなります。
胃の粘膜を保護する「リン脂質」まであり、シュガースポットのバナナは栄養価も最も高いと言えるでしょう。
一方で、シュガースポットのバナナからは、時折ビタミンやミネラルが失われているということも研究で明らかになっています。
そう考えると、シュガースポットのバナナはテニスにおいても優秀、とは考えにくいかもしれません。
◎熟したバナナ
となると、テニスで役に立つ栄養素を効果的に取るには、熟した黄色のバナナがいいでしょう。
ほどよく熟した黄色いバナナは、ビタミンB群が最も多く含まれる状態にあります。
美味しさで考えるなら、熟しているほうが美味しいのは言うまでもないでしょう。
ただし、テニスのプレー中においては、状況によって「食べごろ」も変わってきそうです。
もっと研究が進めば、プレー中や試合中にも最適な食べ方が見つかるかもしれません。
バナナの持ち運びは?
バナナの良さはわかったので、試合だけでなく練習のときに取り入れてみましょう。
ただし、取り入れると言ってもテニスコートまで持っていく必要がありますね。
保存の仕方が悪いと傷んでしまいます。
そこで、バナナを持ち運ぶ方法も紹介しておきましょう。
房ごとでなく、1本ずつにして持っていくのも効果的です。
バナナを傷まずに持ち運ぶには、まずはラップを使うのがおススメです。
バナナの柄の部分にラップを巻くか、全体にラップを巻いてクーラーボックスに入れて持っていくのもいいでしょう。
バナナをラップで巻く理由は
バナナの柄の部分をラップで巻くと、成長ホルモンのエチレンガスを放出するのをおさえることができるからです。
それによって熟し過ぎを防ぐことができる上に、バナナの皮のきれいな黄色を比較的長くキープできます。
さらに、バナナ専用のケースがあるのをご存じでしょうか?
最近ではさまざまな種類のバナナケースがあり、一番安いところでは「100均」などでも手に入ります。
バナナの持ち運びに検討してみてはいかがでしょうか。
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トッププレーヤーも食べています
こんなプレーヤーも食べている
冒頭でもお伝えした通り、世界を相手に大活躍するおなじみのテニスプレーヤーも、試合中にバナナを食べています。
テレビでテニスの試合を見ていると、錦織圭選手、フェデラー選手、ナダル選手など、ほとんどの選手がコートチェンジの際に、ベンチでバナナを食べています。
なぜ彼らがバナナを食べるのかは、もう言うまでもないでしょう。体力を温存し、ベストコンディションを保つ。そのために不可欠な戦略の1つだったのです。
テニスではコンディションとメンタルに結果が大きく左右されます。
今まで紹介してきたバナナのエネルギー補給効果。
それは世界を相手に戦う彼らならもはや知っていても何らおかしくない話です。
そうした選手のテニスの「もぐもぐタイム」。食べ方にも個性が出ます。
特に、試合中にさまざまな「ルーティン」が多いことでも有名なナダル選手は、バナナの食べ方も一見の価値あり!
一口分だけ食べて、皮でキレイに包んで保存。
→そして、また次ぎの休みに一口だけ食べて皮で包んで保存。
毎回おそらく同じ分量ずつ、食べているようです・・・。
画像 ナダルといっしょ
「ルーティン」って何?という方はこちらをどうぞ
バナナの皮がむけないプレーヤー達!!
テニスの試合のときには、用意されたバナナでエネルギー補給をしたい選手たち。
そうした選手たちが用意されたバナナの皮が硬くてむけずに手こずっている様子が2018年の「全豪大会」では相次いで見られました。
硬すぎたバナナによる悲劇です。
デニス シャポバロフ選手
簡単なバナナのむき方
最後に、バナナの皮がむけずにツラい思いをした選手を紹介したところで、皆さんはバナナの皮って、どうやってむいていますか?
バナナの皮が硬くて、むきにくいこともあるでしょう。
実は、あまり知られていないキレイに簡単にむける「バナナのむき方」があったのです。
こちらも動画でご紹介します。
猿もやっている方法だそうです。
まとめ
バナナが「スポーツ食」とも呼ばれ、プロのテニスプレーヤーにも親しまれている理由。
エネルギー補給はもちろん、集中力の向上、筋肉の損傷防止、リラックス効果など、嬉しい栄養効果が沢山あったからなのですね。
一般プレーヤーの皆さんも、試合や練習の時に、バナナを味方にしてコンディションを上げていきましょう。