ダブルスの陣形 並行陣の特徴と動き方のコツ
テニスのダブルスの「並行陣(へいこうじん)」について、特徴やメリット、デメリット、どのような動き方、ポジションを取ったらよいか、どこにボールを打つかなどを紹介します。
スクールでも中級位のレベルになると、ネット近くに2人がいて相手に対してプレッシャーをかける並行陣を使うようになってきます。
並行陣の攻め方などを知ることでポイントを取れる確率が上がります。
並行陣のセオリーを知って、試合で使っていくようにしましょう。
並行陣の特徴
ダブルスの並行陣は、下の画像のようにネット近くに2人のプレイヤーが並ぶような立ち位置(ポジション)を取ります。
並行陣のポジション
並行陣はどのようなプレイヤーが取っているのでしょうか?
・中級位のレベルの方
・ストローク力がそれほどない人でネットプレーのできる方
上の2つのタイプの人たちが並行陣を取って、相手にプレッシャーをかけるようにしていることが多いと思います。
その人たちが並行陣を取っている理由を並行陣の特徴やメリット、デメリットを解説するなかでお伝えしていきます。
相手の時間を奪うことができる
並行陣のポジションは、相手コート(プレイヤー)の近くに2人がいます。
ベースラインからボールを打ち込むよりも、すぐに相手のコートへボールを返すことができるので相手の時間を奪いやすくなります。
メリット1 相手の時間を奪う
また、相手からすると、自分の打ったボールが浮いてしまいネットよりも高い打点、顔や頭の高さで打てるような球を打ってしまうと不利になるので、浮かさないよう慎重に打たなければいけなくなります。
相手が少しでも甘いボールを打ったら、並行陣のチャンス。
相手の時間を奪ったり、チャンスを作りやすいのが並行陣のメリットです。
並行陣を取ることが多いダブルスの名手ブライアン兄弟
画像 Instagram
守ることが難しい
前にいる分、逆に相手から来るボールもすぐに受けなければいけないので、自分の時間も少ないことがデメリットとなります。
相手から速く来るボールに対しては、そうしたシチュエーションに対しての経験がある程度あり、速い反応、素早い動きで対応できないと並行陣でプレーするのは難しくなります。
■甘い球を打てない
また、ボレーに対しての自信がないと、ボレーも返すだけの球となり相手のチャンスになってしまいます。その球を打たれると自分たちの時間が少ないので返すことが難しくなります。
デメリット1 相手に甘い球を打てない
■ストローク力のある相手に対抗することが難しい
ベースラインから打ち抜けるストローク力のある相手からのボールは威力があります。
そのボールを相手の近くで受けるのは、それなりの技量が必要なので、前で守るのは難しくなります。
メリット2 ストローク力のある相手は守りにくい
(初心者、初級者の場合)
初心者、初級者は、まだネットプレーに自信がないという方も多いと思います。
並行陣を取るのはまだ難しいようでしたら、雁行陣を取って戦った方が余裕を持って戦うことができます。
雁行陣については、こちらをどうぞ
(上級者)
相手がストロークに自信がある場合は、逆にベースラインに引いておくことで相手のストローク力を殺すということも考えなければいけません。
相手のボールに勢いがあるのに、あえて突っ込んで前へ行くというのは無謀な考え方です。
相手のレベル、技量に合わせて並行陣を取るか取らないかを考えるようにしましょう。
相手にストローク力がある場合はポジションを下げるのも手
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(中級者の場合)
ある程度、技術はあるけれども後ろから打ち抜く技術やパワーがまだないという中級者であれば、相手に近づいて相手の時間を奪ってプレッシャーをかけるという戦術を取ることが多くなります。
中級で、ボレーはできるけれどもストロークはちょっとパワーがないという方は並行陣を取ってプレーしてみるようにしましょう。
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ポジション、動き方について
次に、並行陣の送球コース、動き方について説明します。
並行陣は2パターン
並行陣の陣形には、大きく分けて2パターンがあります。
- ミニ雁行陣
2人ともネットに詰めてはいるけれども、小さい雁行陣を作るように、やや前に詰めているプレイヤーとやや下がっているプレイヤーが斜めになるように立ちます。
- 上下をつけずに横並び
2人が横並びになります。
この2つの陣形をどう使うかは、それぞれのプレイヤーの技量、体力、運動能力によって判断して使っていきます。
それぞれのパターンについて説明していきます。
並行陣(ミニ雁行陣)
この形の並行陣は、やや前にいるプレイヤーがより攻撃的な役割です。
パートナーが攻撃的に前に詰めていると相手からの深いロブを追うというのは難しくなりますので、やや下がっているプレイヤーは、もちろん攻撃も仕掛けていきますが、攻めながらも後ろ側をケアする役割となります。
ミニ雁行陣の動き方
イメージとしては、やや詰めているプレイヤーが相手に近いところで相手のストロークに対してプレッシャーをかけにいけるような体勢をとっておいて、後ろのプレイヤーは引いて守っておくといった形です。
前のプレイヤーはプレッシャーをかける役割
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この陣形は、ペアがゾーンで分けてコートをカバーしあうと考えてください。(下図参照)
コートに斜めの線(図の赤線)を書いて、2人のプレイヤーが半分ずつカバーし合います。
前のプレイヤーBが前のゾーン。後ろのプレイヤーAがロブも含めて後ろのゾーンを守るようにします。
ミニ雁行陣はそれぞれのゾーンを守る
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並行陣(ミニ雁行陣)の守り方 コートに斜めの線を引いて、それぞれが担当するゾーンを守る |
横並び
ペアの2人が真横に並ぶ陣形です。
こちらは、ミニ雁行陣が斜めの線で区切ったゾーンを守るのと違って、それぞれが自分の立っているサイドを守ります。
こうした動きを「縦守り(たてまもり)」や「縦割り(たてわり)」という言い方をします。
自分の立っている側に来る前のボレーも、深いロブに対してのケアもしっかりできるというようなある程度の運動能力や技量が必要になってくる陣形です。
2人でそれぞれが立っているサイドを守る
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横並び並行陣の守り方 自分の立っているコートのサイドを守る(縦割り) |
この横並びの陣形は、ゲームの展開によって常にキープできるわけではありませんので、臨機応変に対処する必要があります。
◎陣形が崩された時の動き方
相手は、並行陣を崩そうとするボールを打ってきますので、そうした時の対応も知っておきましょう。
相手Cからふわっとしたボールが来たので、Bがネットに詰めて攻撃するという場合は、
当然Bは自分の後ろのゾーンのケアができなくなります。
そうした場合は、Aがやや下がってBを一時的にカバーしてあげるポジションを取る必要があります。
逆に、Aが詰めた場合も同様にBが下がったポジションを取るようにします。
このように自分が立っているコートで、パートナーの動きに合わせて逆の方向に動く様にしましょう。
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並行陣の動き方 ● パートナーが前なら、自分は後ろに下がる ● パートナーが後ろに下がれば、自分は前へ |
少し前後になるように、「互い違い」に動くような意識で動くことで、状況に応じてコート全体をバランスよく2人で守ることができます。
視線、送球コースについて
並行陣を取った場合、どこを見て、どこへボールを打ったら良いかについて説明していきます。
雁行陣が相手の場合で、考えてみましょう。
相手は、攻めてきている並行陣に対して引いているポジションを取っています。
とはいえ、Dのプレイヤーに簡単にボールを打たせてしまっては相手のチャンスになってしまいますので、基本的に送球コースは、Cのプレイヤーのサイドに展開を作っていくのをメインにします。
基本の展開は、下がっているプレイヤーを崩しながら作っていくので、視線は下がっているプレイヤーを見るようにします。
下がっているプレイヤーを見るのが基本
もちろん、A,Bのペアにチャンスが来て詰めているDに打ち込んでいくという場合は、A,Bは体の向きを変えて視線も変えていく必要があります。
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視線の方向 自分たちが打った方向に、体を向けて視線を配る
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打った方向に体と視線を向ける
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特に、並行陣は時間のない状況でのプレーになってくるので、正しいところをしっかり見ておかないと、正しい反応や判断ができなくなってしまいます。
必ず見る場所を間違えないようにしてプレーするようにしましょう。
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まとめ
ダブルスの並行陣の基本についてお伝えしました。
並行陣の特徴のメリット、デメリットを理解し、状況に応じた陣形を取って、2人でコートをカバーし合えるような動き方をしていきましょう。
雁行陣よりも、ペアと同じ認識でいることが重要となってきます。
ペアとポジションや送球コース、視線の向け方が互いに同じ考えであることで、ダブルスとしてスムーズに機能してくるはずです。
守りだけでなく、攻撃のチャンスも生まれてきやすくなりますので、並行陣の基本を身につけてダブルスゲームに挑戦してみてください。
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