ダブルスの陣形 2バック(後ろ並行陣)の動き方とコツ【動画有】
「2バック」の特徴や動き方を説明します。雁行陣、並行陣のほかに2バックも使えることでダブルスの戦術の幅が広がって、臨機応変に対応できるようになりますので参考にしてください。
ダブルスでは、試合に勝つためにはまずは守りを固めて相手にミスをさせることが重要です。
サーブが強い対戦相手だと、やっとリターンを返しても相手のボレーヤーにつかまってポイントを取られてしまいます。
そうした相手に対して使われることが多いのが2人ともがベースラインに下がった形の「2バック」です。
ストロークが得意な人同士のペアの場合、ネット近くにいくよりもむしろ攻撃力が増す可能性があります。
2バックの動き方を覚えて、試合で状況に応じて有効に使っていきましょう。
2バックの特徴
ダブルスのポジションは、よく使われるものとして、雁行陣、並行陣、2バックです。
「2バック」は、ベースラインに下がった2人が並んだ形ですので、「後ろ並行陣」ともいいます。
2人が下がるということで、当然レシーブ側が使う陣形です。
相手が強力なサーブの時に、相手から距離を離したポジションでプレーすることで、まずは相手からの時間を作ってとにかく相手からの攻撃を徹底的にしのいでいく陣形です。
相手が強力サーバーの場合
2バックのメリット、デメリットを説明していきます。
●自分たちの時間を確保しやすい
(相手が強力なサーバーに対して)
強力なサーブを打ってくる相手の時のリターン側の陣形について考えてみましょう。
・雁行陣の場合
強いサーブをやっと返しても、SPに甘い球を狙われて決められてしまう状況になってしまいます。
雁行陣では、甘い球を送ると打ち込まれて終わる
・2バックの場合
「2バック」であれば、強いサーブをやっと返してSPに打ち込まれてしまったとしても、しのぎやすくなります。
相手のボールがものすごく強くて、まずは守りに徹しなければならない状況で、後ろ1人では守りにくい時に「2バック」を使うと自分たちの時間をしっかり確保して、相手の攻撃から切り抜けやすくなります。
メリット1 攻撃を“2人で守る”ことで時間を確保する
ロブでもいいので、1球でも多く相手に返していくと形勢が変わっていくこともありますので、まずは守りに徹していきましょう。
●ストロークで押し込んでいける
(上級者)
最近の上級者は、ボレーでの攻撃力よりもストロークの攻撃力の方が高い人が結構増えてきています。
道具や技術の進化によって、ボレーの攻撃力よりもストロークの攻撃力の方が上回ってきているというのが最近のテニスの傾向としてあります。
メリット2 得意なストロークで押していける
ストロークに自信があってどんどん相手を押していける人は、あえて前にいないで下がって得意なストロークで相手を押し込んでいくという考え方もあります。
フェデラー、ワウリンカ選手の2バック
画像 zimbio
●ストローク力がないと“守り”のみになる
ただし、「2バック」はストロークにパワーがないと“守り”ばかりになります。
相手に対してのプレッシャーや威圧をかけていくのが難しくなりますので、“攻撃”の要素がなく守り一辺倒になってしまいます。
デメリット ストローク力がないと“守り”のみ
(初級者、初中級者)
ストロークにあまり得意ではない、けれどもボレーなら少し自信があるといった方なら
「2バック」よりもストロークでしのぎながらチャンスが来たらボレーでしとめるという「雁行陣」の方がいいかもしれません。
雁行陣については、こちらをどうぞ
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ポジション、動き方について
次に、2バックのポジション、動き方について説明します。
相手の攻撃力が高くて、「2バック」でしのぐ必要があるというときには2バックでいる意味がありますが、守りのみとなってしまう危険性があります。
フォーメーションは、臨機応変に変えていって良いものです。
2人でどう攻めてどう守るかは、状況に合わせて変えていくようにしましょう。
たとえば、ロビングで相手の陣形を崩すことができた時は、1人でも2人でもいいので、チャンスをものにできるように前に行くということも選択肢として頭の中に入れておくと、攻撃のバリエーションが増えます。
ロブで相手を崩した時に前へ詰める
ストロークに自信がある方は、そのまま後ろにいて打ち抜いていくというのもありますが、ネットプレーもできる方はストロークとネットプレーを織り交ぜていくことで、攻撃のバリエーションが増えて、チャンスをより多くものにしやすくなります。
最初、「2バック」を取っているからといって、常に「2バック」でポイントを取らなければいけないということはありません。
特に、上級の方は色々な技術を持っていると思いますので、柔軟に「2バック」から「雁行陣」にしたり、2人で前に行って「並行陣」に切り替えるといった、状況にあった陣形を使いこなしてください。
2バックのポジション ●常に2バックではなく、臨機応変に雁行陣や並行陣に切り替える。 ●ストロークに自信があれば、後ろのままもあり。 |
並行陣については、こちらをどうぞ
2バックの注意点
●前のスペースのケア
2バックで注意しなければいけないこととしては、2人が後ろに下がっていることで、当然前のスペースが空いているわけですから、相手はそこを狙ってきます。
相手のラケット面やテイクバックのフォームを見て、柔らかいドロップショットが来る可能性もあるので、後ろに下がって守りながらも必ず前のスペースのケアも頭にいれておく必要があります。
「2バック」は、体育会テニス部のプレイヤーの方などに見られる陣形です。
ストローク力だけでなく、「2バック」を取るには前に落とされた時に対処できる走力、脚力も必要です。
前のスペースのケアは怠らない
●2バックへの対応
逆に「2バック」を取られた方のS、SPはネットプレーを上手く使っていきましょう。
ドロップショットで前のスペースを使って、相手に「前」を意識させるようにして、そこから深いボレーを打つと、後ろの2人にただ深いボレーを打つのと違って有効になります。
また、「2バック」に対して並行陣を取った場合は、相手はずっとロブを打ち続け、それに対してスマッシュを打ち続けるというロブVSスマッシュの構図がずっと続く可能性もあります。
相手はミスを狙ってきているので、しっかりスマッシュを打ち続けるように足を動かしていく必要があります。
2バック対並行陣 ロブ対スマッシュ 画像 zimbio
スマッシュについては、こちらをどうぞ
まとめ
テニスの2バックは、サーブの強力な相手に対してサーブの後の返球を打ち込まれてポイントを取られる状況から、リターンをまずは返してその後のラリーへとつなげていこうという守りのための陣形です。
ストローク力、脚力があるのならば攻撃力のための陣形としても有効です。
相手のサーブに対応できずに困ってしまい、試合で急に使ってみる!では難しいので、ふだんの練習の中でも「2バック」を取り入れてみましょう。
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