テニスのダブルスで知っておきたい5つの陣形(フォーメーション)
テニスのダブルスで使われる代表的な5つの陣形(フォーメーション)の雁行陣、並行陣(2アップ)、2バック、オーストラリアンフォーメーション、アイフォーメーションについて説明します。
通常、テニスをやろう!となると2人で1組のペアとなって、ペア同士で戦う「ダブルス」の試合の方が多いと思います。
コートを取ってテニスをしようという時に、何面もコートを取ることが難しかったりコート代がかかったりということもありますし、シングルスは体力的にハードということもあるでしょう。
ダブルスは2人でやるために、自分たちよりも上手だと思っている相手ペアに対しても、自分たち2人がセオリーと戦略を知っていることで競り勝つ可能性があるというところがダブルスの面白いところです。
ダブルスのセオリーを知るために、この記事では主な陣形とその特徴について説明します。
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雁行陣
ダブルスには「陣形」と呼ばれるいくつかのプレースタイルがあります。陣形のことを「フォーメーション」とも言います。
ダブルスの基本となるのが「雁行陣(がんこうじん)」です。
テニススクールでも初心者や初級クラスの方は、この陣形からゲームを始めます。
ダブルスの試合をこれから始めようという方におススメな陣形です。
下の画像のように、一方のプレイヤーが前に構えて一方のプレイヤーが後ろに構えます。雁行陣は、鳥の雁(ガン)が斜めに編隊を組んで飛ぶ形からそう呼ばれているようです。
雁行陣
それぞれのプレイヤーは、「前衛」「後衛」と呼びます。
戦い方としては、後衛のベースラインプレイヤーがストローク中心でつないで、前衛のネットプレイヤーが甘い球(チャンスボール)を打って決めるという方法が一般的です。
レベルが上がってくると、ストローカーのショット自体の攻撃力が上ってきますので、「つなぐ」というよりもストロークを生かした展開となります。
雁行陣は、後衛がサーブを打った後やサーブのリターンを返した後もそのままベースライン辺りに留まって、つなぎ役としてストロークでプレーし続けて、前衛がラリーの中のチャンスボールを逃さずに決めるという戦術のため、後衛、前衛の役割分担が明確です。
並行陣
「並行陣(へいこうじん)」は、その名の通り、2人のプレイヤーが「並行」に並んで立った陣形です。
実際には、本当に「並行」になるパターンと、多少前後にずれるパターンがあり、下の画像のように、後者のちょっと前後にずれるミニ雁行状態の方が一般的です。
並行陣
通常、並行陣というと2人ともがコート前方に立つ陣形を思い浮かべる人が多いと思いますが、前にいるだけが並行陣ではありません。
ボレーやスマッシュといったネットプレーが得意であれば、2人ともが前衛となり、ストロークを生かしたいならば、2人ともベースライン近くで後衛として戦う「2バック」のポジションを取ります。
ここでは、一般的な2人ともがコート前方のパターン(2アップ)について説明します。
テニススクールでは、中上級クラス位から「雁行陣」から「並行陣」へレッスン内容が変わります。
並行陣を取るというのは、サーブやリターンを打ってから後衛が前へ出てきてネットプレーをするという、前へ出るアプローチの技術やボレーやスマッシュをする技術が必要だからです。
テニススクールでは、ストロークのラリーができるようになってからネットプレーを習うので、ある程度色々な技術ができるようになってからでないと並行陣は難しいのです。
並行陣はストロークのほかに、ネットプレーの技術が必要
並行陣は、後衛がサーブやリターン後にネット方向へ前進していき、サービスライン辺りにポジションを取ります。
それとともに、前衛もサービスラインとネットの真ん中辺りかやや前辺りへ前進します。これが並行陣の基本ポジションです。
雁行陣に対しては、ボレーvsストロークとなりますので、相手の時間を奪うことができ、2人でネットに詰めているため、相手にプレッシャーを与えることができます。
ストローク力よりもボレーの技術に自信があるのならば、2人ともネット近くで攻撃できるので、シングルスの時にショット力で負けているような相手にも勝つことができます。
けれども、ネット近くにいるということは、相手からのボールが来るまでの時間も短くなりますので素早い対応が必要になります。相手の動きを見て細かく足を動かしてボールへ対応するようにしましょう。
並行陣は、ネット近くに2人がいるので攻撃力アップ
画像:インスタグラム
2バック
「2バック」は、2人ともベースライン辺りに下がっている並行陣のパターンです。「後ろ並行陣」とも言います。
この形を取るのは、相手サーバーの威力がある場合です。
サーブが強力で、通常の雁行陣では、やっと返したリターンの球を相手ボレーヤーに叩き込まれ、1人では返球できないので2人で返球できるように守備を固めるために下がって戦います。
下の画像のような陣形を取ります。
2バック
大学の体育会の学生の試合では、こうした2バックを使ったダブルスの陣形を取っていることがしばしばありますが、相手からネットの近くへボールを打たれた時も追いつくフットワークと後ろからしっかり打てるストローク力が必要な陣形です。
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その他、オーストラリアンフォーメーション、アイフォーメーション
テニススクールでは、教わることがなく、一般プレイヤーのダブルスでは使っている方もあまりいない変形陣形についても紹介します。
どちらの陣形も、サーバー側の陣形です。ポイントを取るため、もしくは相手のミスを誘うために考えられた戦い方です。
オーストラリアンフォーメーション
「オーストラリアンフォーメーション」というのは、サーバーと前衛が最初から同じサイドに立つ陣形です。
下の画像のようにデュース側のサーブのときに前衛もデュース側に前後に立って、アドサイド側ならアドサイド側に前後に立つというサーバー側のフォーメーションです。
オーストラリアンフォーメーション
オーストラリアの選手がこの陣形を始めて用いたのでこの呼び名がついたそうです。最近では、この陣形が使われていることはほとんど見なくなりました。
この陣形の戦い方としては、コート半面が空いてしまいますので、サーバーも前衛もセンター寄りに立つことで、まずは相手からのクロスの強打を打ちにくくします。サーバーは、サーブを打ったらすぐに逆サイドに移動します。
相手からのリターンがクロスに返ってきたら前衛が決める、もしくはレシーバーにサーブが飛んできた方向と違う方向に打たせることを狙いとします。
クロスに返ってきたリターンには強いのですが、それ以外のコースはペアの連携がしっかりできていないと難しい陣形です。
アイフォーメーション
オーストラリアンフォーメーションの応用で、さらにレシーバーにプレッシャーをかける戦法です。サーバーと前衛とリターナーが縦にI(アイ)の字のように並ぶことから、こう呼ばれています。
サーブをする時に、前衛はセンターにかがんで、サービスを打った後に左右どちらかのサイドに動く戦法です。
下の画像のような陣形です。
前衛は、センターをまたぐようにしてしゃがんで構え、サーバーは、センター寄りからサーブをします。
アイフォーメーション
こちらの陣形は、プロの試合でもしばしば使われています。
オーストラリアンフォーメーションと違って前衛がどちらに動くかわからないので、リターナーに返球するコースを迷わせるメリットがあります。また、オーストラリアンフォーメーションとは違って、ストレートのコースもケアできます。
動き方は、基本的に前衛が相手のリターナーを観察してサインを出す役割で、サーブ後にどちら側に動くかをサーバーに指示します。サーバーはその指示によってサーブのコースを打ち分ける必要があります。
サーバーがセンターにボールを入れて、前衛がポーチをするという形が多いです。
前衛がしゃがむ格好となるのは、サーブのボールを体に当てないためです。体をネットより低くするようにして構えます。
アイフォーメーションの前衛は姿勢を低くする
この陣形では、2人の動きが重なってしまうとオープンコートができてしまい、簡単にポイントを落としてしまうので、重ならないようにしなければなりません。
まとめ
ダブルスの代表的な陣形を5つ紹介しましたが、どの陣形が優れているということではありません。
陣形は、ポイントを取るための手段です。
それぞれの陣形のメリット、デメリットを知って、自分たちのペアの戦力を考えて自分たちのペアにあった陣形を選びましょう。
また陣形は、ずっとその形でいられるものではありません。相手に応じて、場面に応じて臨機応変に変えていけるようにしましょう。
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