テニス トップスピンに向くセミオープンスタンスの打ち方【動画有】
フォアハンドトップスピンショットが打ちやすいセミオープンスタンスの打ち方、メリット、気をつけるポイントについてお伝えします。
現代のテニスは、トップスピンを使って展開するケースが多くあります。
特に、利き手で打つフォアハンドによるトップスピンは、使うことの多いショットです。
そのフォアハンドトップスピンをしっかり打ちたいなら、足から得たパワーを体幹へと上手く伝えられるボールへの入り方をしなければなりません。
ボールへの入り方=「フットワーク」として、おススメなのは「セミオープンスタンス」です。
フォアハンドトップスピンショットをセミオープンスタンスで、タメを作ってボールを待つようにしてみてください。
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セミオープンスタンスとは
「セミオープンスタンス」の構えから説明していきます。
まっすぐ自分の打ちたい方向に向いた「スクエアスタンス」
スクエアスタンス
自分の前足を横に入っていく「クローズドスタンス」
クローズドスタンス
足が真横に開いた状態の「オープンスタンス」
オープンスタンス
「セミオープンスタンス」は、そのスクエアスタンスとオープンスタンスの間です。
セミオープンスタンス
身体が半分開く状態です。
オープンスタンスから右足を一歩引いた状態をセミオープンスタンスといいます。
このセミオープンスタンスにすることによって、身体のひねりが上手く入るようになり、後ろ足の股関節に重心がしっかりと乗りやすくなります。
2つのメリット
セミオープンスタンスには、2つのメリットがあります。
1つは、身体の回転がしやすいのでボールにパワーを出しやすいことです。
股関節に重心が乗った状態から股関節をひねり戻して身体を回転させる動きでラケットを振ることで、ボールにパワーを出せるようになります。
身体の回転をしやすい
セミオープンのもう1つのメリットとしては、ボールとの距離の調節ができることです。
セミオープンスタンスで待っていて、ボールが少しズレてしまった場合には、
前足を踏み出す位置を変えることによって、ボールへの距離を調節することができます。
調節の仕方は、まずは、後ろ足を決めて待ちます。
そこから、来るボールに対して前足の位置を調節することで、最適な打点でラケットを振り出すことができるようになります。
こういう動き方を練習してみてください。
後ろ足→前足の順で足を動かすことで距離を調整できる
もし、最初に前足が決まってしまうと調節ができなくなってしまいます。
先に前足を決めてしまうと調整できない
セミオープンスタンスの動画は、こちらです。
下の動画内では、河合校長が解説、デモンストレーションをしています。
「セミオープンスタンス②」Tennis Rise レッスン動画
気をつけるべき2つのポイント
セミオープンスタンスをするときに気をつけたいポイントが2つあります。
1つは、後ろ足のつま先方向です。
オープンスタンスの状態から、後ろ足を一歩引くのですが、このときに後ろ足のつま先は、打ちたい方向に対して「横方向」に向けるようにしてください。
後ろ足のつま先は、打つ方向に対して横向き
もう1つの気をつけるべきポイントは、重心です。
重心は、「足裏」の内側にかかるようにします。
セミオープンでは、後ろ足に荷重してタメを作りますが、その際に決して足の外側に重心がいかないようにしてください。
重心を足の外側にかけてしまうと、上体が大きくふらついてシャープに回転運動をすることができなくなり、パワーもコントロールも失ってしまいます。
外側荷重になると後ろに身体が流れる
できるだけ、後ろ足で踏ん張って、打ちにいくときに後ろ足のつま先が横に向いているようにします。
このときの後ろ足は、母趾球(ぼしきゅう)やシューズの足裏の内側に体重がかかっている感覚です。
この感覚が重要です。
母趾球とは、足の裏の親指の付け根にあるふくらみ部分のことです。
ストロークに入るときには、この状態を確認できるようにしてみてください。
それによって、後ろ足の股関節にタメを作ることができパワーが出しやすくなります。
股関節にパワーがたまった状態も確認するようにしましょう。
必ず、足の内側に重心を置き、後ろ足の股関節に上体が乗る感覚を作れるように練習してみてください。
タメを意識して、そこからひねり戻すことでボールにパワーが出てきますので、そうした動きができるように練習してみてください。
セミオープンスタンスの気をつけるべきポイントについての動画はこちらです。
下の動画内では、河合校長が解説、デモンストレーションをしています。
「セミオープンスタンス②」Tennis Rise レッスン動画
「タメ」を意識して
セミオープンスタンスの練習では、「タメ」を意識してプレーをしてみてください。
「タメ」=重心をかけた状態です。
タメの目的 ・相手に対して体をより入れてパワーを増やす ・相手にコースを予測させにくくする |
その「タメ」をつくるときに、ボールを呼び込みやすいのがセミオープンスタンスです。
タメを意識して練習することで自然に股関節にパワーが溜まり
相手からは予測しにくく、ショットのスピードも増します。
「意識高い系」を目指しましょう。
タメの感覚がなかなかつかみにくい方、股関節を使ったタメについて知りたい方はこちらの記事をどうぞ
相手からのボールによって、「タメ」は変えていきます。
飛んで来ないボールは、タメて待っているところから前へ行けるように
伸びてくる速いボールは、後ろにタメてそこからひねり戻します。
後ろでタメてひねり戻し
上の2つのパターンの動きを頭において、セミオープンスタンスで実際に打って練習してみてください。
・遅くて来ないボールやチャンスボールであれば、前に足を踏み込んでいく
・速くて来るボールや深いボールで守備的なプレーが必要であれば、後ろ足のまま
動画の中で、それぞれの場合のフットワークを紹介していますので確認してください。
実際のテニスのゲームでは、状況がどんどん変わっていく中でストロークを打っていかなければなりません。
セミオープンスタンスで待つことで、捻りを大きくできればタメができます。
タメができると相手からすると、打つコースがわかりにくくなり、はじめの一歩が遅れやすくなります。
それとセミオープンで待った場合、もしバウンドが予想より飛んで来なかったり、低かった時などには前足を出してスクエアスタンスで打ちにいけます。
最初からスクエアで打ちにいこうとしてボールに向かうと、ちょっとでも予想よりバウンドが伸びてくると詰まってしまいます。
1つのスタンスでしか打てないと、バウンドしてからの対応の幅に差が出てきます。
セミオープンスタンスで打つことをベースに、そこから左足を踏み出すという練習をしてみてください。
ストロークを打つ状況に応じて、適切なスタンスをすることで、安定したスイングができます。
テニスで使われる4つのスタンスについての記事も併せてお読みください。
まとめ
セミオープンスタンスは後ろ足へのタメが作りやすく、体を捻りやすいスタンスです。
「タメ」を意識することで、今までとは違ったパワーのあるボールを打ち続けることができるようになります。
距離感の調整もしやすくて、守備の場面にも攻撃の場面にも使えるので使用頻度の高いスタンスです。
フォアハンドトップスピンを打つときには、セミオープンの構えで打つことを練習してみてください。