手首の角度(コック)でテニスのショットが安定する!【動画有】
打つ時にラケット面が安定しないとお悩みではないでしょうか?
そうした方は、自分がプレーをしている時の手首の状態を確認してみてください。
手首の角度によって、ショットが安定してくるかもしれません。
こちらの記事では「手首のコック」についての知識とトレーニング方法を紹介します。
「手首のコック」とは手首の関節の角度のことです。
ボールを打つ時、手首はまっすぐではなく、物を押す時の手首の形を作ります。
テニスのサーブ、スマッシュ、ボレー、ストロークのどのショットでも、コントロールに一番影響をするのがグリップを握った時の「手首のコック」です。
力を入れやすい手首の角度で固定して打つことがショットの安定性とパワーにつながります。
安定した球を打てる手首のコックを身につけていくようにしましょう。
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この記事の目次
手首のコックとは?
これまでラケットの握り方については、ストロークであればセミウェスタン、ボレーやサーブではコンチネンタルグリップをおススメしてきました。
今回はそうした握り方とは、別の話で、グリップを持った手のひらよりも上の手首の話です。
「手首のコック」とは、手首の関節の角度のことです。
無意識でラケットを握っていると、手首が伸びた形で握ってしまい、腕とラケットが一直線になっていると思います。
まっすぐに伸ばしながら打つイメージだと面の向きにふらつきが出てしまい、ショットが安定しなくなります。
握手の時は、手首は伸びたまま
あなたが壁を両手で目一杯押そうとする時の手首の形はどうなっていますか?
手首の形は自然に折れ曲がっていませんか?
これが手首のコックした状態です。
力を出したい時に自然とコックしている
日常生活で手首を起こした形をとる場面では、自分で手首を起こさなければ!という意識をしてないはずです。
コックした形は、意識しないとキープしづらいので、ラケットを持っている時の手首の角度をチェックしてみましょう。
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具体的なコックの形
ゴルフをしている方ならば、ゴルフのクラブを握る時に手首のコックを使うので「コック」についてご存じだったかもしれません。
テニスでは、どのショットも手首が起きたコックした状態で打つことで、正確でより強力なインパクトができます。
コックを保ったまま、「手首を使わずに打つ」ことでボールを強く押し返すことができます。
コックした状態は、手首が最も強い形ですので、握力やリストが弱い方でも強力なインパクトが可能となります。
ショットによって、手首の角度方向は変わりますが、腕とラケットの角度が約90°となるように手首を曲げてラケットヘッドを立てるように(手首が起きるように)します。
フォアハンドストローク、両手バックハンドストローク、フォアハンドボレーでは手首関節が背屈※(はいくつ)です。
テイクバックの時には、ストロークでもボレーでもコックさせている
バックハンドストローク、片手バックハンドボレー、サーブでは、手首関節が撓屈※(とうくつ)です。
撓屈、背屈などの関節の動きについては、こちらの記事を参考にしてください。
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なぜ手首のコックが大事なのか
・ストロークでスイングが安定しない
・ボレーのコントロールができない
・バックハンドでスピンがかからない
・サーブの威力が出ない
・手首を痛めることがある
以上のようなことでお悩みでしたら、「手首のコック」ができていないせいかもしれません。
手首がグラグラして手首の角度の変化が大きくなると、ラケット面の向きが狂ってしまいミスショットをしやすくなってしまいがちです。
手首の角度が固定されていると、インパクトの時にラケット面よりも手が速く進み過ぎるのを防ぐことにも役立ちます。
また、手首を緩めて打つことで、腕や手首にパワーを出す動きが大きくなる半面、相手ボールの衝撃を吸収できずに手首に負担がかかって痛むこともあります。
インパクト直前にコックを開放して打つ、手首を使って打つ「リストワーク」という打ち方もあります。
リストが強い方でこのような打ち方をしているのを見かけることもあるかもしれません。
けれども、プロの世界で積極的にリストを使ってショットを打っているプレーヤーは現在ほとんどいません。
ファン・マルティン・デル・デルポトロ選手は、緩いリストからムチのようにしならせて強烈な破壊力のあるストロークを打ちますが、何度も手首の故障をして手術を受けています。
サーブでも手首のコックが重要です。
構えやテイクバックの段階からあらかじめ手首をその形で固めておくようにしましょう。
スイング途中で形は一度崩れるかもしれないが、インパクトの時にはコックの形でいられるように。
これができていれば、回転の感覚をつかみやすくなります。
こんなに楽にサーブって打てるんだ!サーブを身につけるには…>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方はこちら
どの位力を入れて、握ればいい?
手首のコックの必要性をわかっていただけたと思うのですが、ここで悩ましい問題が生まれます。
コックを意識しすぎると手首に力が入りすぎてスイングがぎこちなくなってしまう、どの位の力を入れて手首の形をキープしたらよいのかという「力加減」問題です。
「コックの力加減」のトレーレングをしていきましょう。
スライスが使えるとテニスの幅が広がる!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
コックの力加減の見つけ方
①ラケットを立った状態で思いっきり強く握ってみる
②思いっきり抜いて、それ以上になるとラケットがダウンしてしまうギリギリのところを確認する
③その中間で持つようにする
フォアハンドストロークの場合、テイクバックではできるだけ緩めた状態でグリップを持って、そこからスイングをしてインパクトの時に握りこむことでパワーが出ます。
インパクトでは握りこむ
コックを決めた状態をキープして、振り終わりには体の横(左側)へ払うようにして肘と手首が返っていくように練習してみてください。
振り終わりは肘と手首が返る
これが、手首のコックが緩んでいるとヘッドが回り過ぎてしまいます。
緩んでいるとヘッドが回り過ぎる
バックハンドストロークも同様です。下にラケットヘッドが寝てしまうと安定しないので、横に払うようにして肘を止めて練習してください。
コックのイメージがわかったら、ボール出しで練習していきましょう。
コックをがちがちに固めようとするとどうしても前腕にも力が入ってしまうため、ストロークやサーブの場合スムーズな振り抜きができなくなってしまいます。
コックをキープするのに必要最低限な力でキープしてみてください。そうすれば腕のしなりも使えて体もリラックスして打てます。
力が入ってしまうとボールが飛ばなくなるので、さらに飛ばそうと力がさらに入ってしまいますので気をつけてください。
「コックが緩まない程度に力を入れる」という気持ちで握ってみましょう
ボレーも同じようにグッと握ってみて、そこから緩めてみて、どこまで緩められるのかを確認してみてください。
手首を走らせずに、インパクト後に自分の内側に向かって(フォアなら左側、バックなら右側に)グリップエンドを引っ張っていくようにします。
ラケットヘッドが返ってしまうと安定しない
手首にコックを作り、形を壊さないように肩からバイバイするイメージです。
手の平の向きは、前向きから変わらないように意識します。
こちらの河合校長の動画を参考にしてください。
手首のコックができることで、苦手な人が多いバックボレーもボールに力を伝えやすくなります。
ボレーが上手くなると,ダブルスが楽しくなる♪>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
コックをしているのはいつ?
「手首のコック」は、インパクトの時の手首の形ですと説明してきましたが、ではいつからいつまでその形を取っていればよいのでしょうか?
ストロークの場合、インパクトで力が入りやすい状態のコックを作って、テイクバックからフォロースルーまでのスイング中キープします。
手首を返す力を使えないことでボールが飛ばなくなる方もいらっしゃると思いますが、ボールにパワーを出すのは体幹や足の力といったコアの力です。ボールのコントロールを良くする役目は手首と腕の形によります。
「テニスの学校」は、コアスイング※を基本的な考え方としています。
コアの回転でスイングスピードを高めて、ボールへの威力を出して腕や手は理想のインパクトポイントと形でヒットできるように動きをできるだけ少なくすることがコンセプトです。
コックの準備
では、コックの準備はどのようにしたらよいのでしょうか?
コックの準備のタイミングは、構えから準備(状態のターンが始まる)時には作っておきましょう!!
相手のボールがフォアかバックがわかった時に決めるというよりは、自分が得意な方のグリップとコックを決めて待つほうが単純でわかりやすく、頻度が高いほうに決めて待つようにすることでより早く構えてヒットできます。
インパクトの手首の形を作ったら、そのまま体をひねることでテイクバックの形になります。
錦織圭選手の場合は、常にフォアのグリップで持っています。
下は、リターン練習の時の動画です。
逆の考えとしては、バックがとても苦手なのでバックのほうに来たら慌てないように、最初からバックのグリップとコックを決めておいて安心感を持つという考え方もあります。
待っているグリップの逆側にショットが来たら、グリップチェンジをして、コックを準備して打つようにします。
これは自分の現状のレベルによっても変化することですので、いまどちらが良いかを考えて実践してみてください。
手首のコックのトレーニング方法
これまでの説明で、コックの重要性やどのようにしたらよいかはわかっていただけたと思います。
それでも、手首が痛くなるからコックの形が作りづらい、手首がうまく曲がらない、といった方も多くいらっしゃると思います。
小さい関節である手首に負担がかかると肘や肩へと負担が広がります。そうした方へ柔軟性を高めるストレッチを紹介します。
手首のコックには、2方向の角度があります。
下の画像のような背屈、掌屈させる上下方向に手首をそらすストレッチは、やったことがあるとかやっているという方も多いと思います。
しかし、なかなかやらないのが、横方向のストレッチです。
小指側、親指側への延長の撓屈、尺屈の手首関節を動かすストレッチについては、あまり経験がないのでは?
フォアハンドストロークの場合の2方向について、下の画像で確認してみましょう。
・手首を90°後ろにそらせる~赤色の印(上下方向)
・ラケットヘッドを立ててインパクト~黄色の印(横方向)
黄色の方向の手首の柔軟性がないとラケットヘッドを立たせるのはできません。両方向ともに柔軟性を高めるようにしましょう。
特に、入浴時はストレッチ効果が得られますので、浴槽につかってのんびりしながら手首を伸ばしていきましょう。
体が温まっている時の方が柔軟性が高くなっていますので、2つの方向をセットにしてやっていくようにしてください。
入浴時のストレッチがおススメ
こちらの動画を参考にしてください
「コアスイング」を使うと効率のいいストロークが打てます!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
まとめ
「手首のコック」によって、ラケット面を安定することと、手首のストレッチをご紹介しました。
一般プレーヤーは、まずはインパクトの時にラケット面を安定させることが必要です。
この状態ができるために「コックが緩まない程度に力を入れる」という気持ちで握ってみましょう。
これを身につけることで正確にミートした時の感覚がわかってきます。
自分の筋力で手首を回してしまうと、痛める原因になります。
スイングは、ラケットを振った重さでラケットヘッドが回せると良いです。
最初は難しく感じますが、慣れてくればあまり力を入れなくてもコックをキープしやすくなりますので、練習とストレッチを重ねてください。
「コック」は、重要なことですができていない一般プレイヤーの方も多くいらっしゃるので、「テニスの学校」のテクニック記事ではあちこちに記事リンクをつけています。また…と思わずにいて下さいね。