テニスに必要な「ハンド・アイ・コーデネーション」を向上させる【動画有】
テニスは技術や戦術だけではなく、ボールを見て予測し、ラケットで正確に捉える能力が必要です。
テニスコート以外でも、ちょっとした隙間時間でもできる練習として、手の動作と、視覚の連動性を高める「ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-eye-cordination)」があります。
ハンド・アイ・コーディネーションは、視覚で得た情報から行動に移すまでの脳神経のプロセスを指しますが、海外のスポーツメディアで使われることの多い言葉です。
テニスの能力向上のため、物を見て正確に捉えるための練習方法をご紹介します。
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この記事の目次
「ハンド・アイ・コーデネーション」とは
「ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-eye-cordination)」は、日本語で言えば、手と目の協調関係といったものです。
以下、HECと省略します。
たとえば、野球、テニスなどは、ボールを目で見て、そのボールに対して位置情報を正確に捉え、軌道を予測して、手を使って動作します。
つまり、目で察知したことを手で表現できる、目と手の連動力が求められます。
入ってくる情報のうち、視覚からは80%以上とも言われますが、「目」を鍛えると短時間でより多くの情報を処理できるようになります。
さらに「手」を連携させることで、目から手への入力→出力がスムーズに行えるようになります。
HECが優れていると、野球で言えば、バッティングでのミート力が高まったり、守備ではボールを確実に捕球することができます。
日本と米国で活躍した走攻守の三拍子が超一流であったイチロー選手の背面キャッチは、いい例です。
イチロー選手の何がすごいのかという話になった時に、米国スポーツメディアでよく言われたのがHECです。
目で見えない位置にもかかわらず、正確に背面でキャッチすることができるのは、HECが高いからこそと言えます。
下の動画で、練習中のイチロー選手が背面キャッチをいとも簡単にやっています。
飛んできたボールを<目>で見る→実際に体を動かして<狙ったところにグローブを持っていく>という一連の流れがHECとなります。
一流選手の優れている点は、目で見た情報を体が反応して精確に連携する力が長けているというところです。
それは野球に限らず、あらゆる球技全般にも言えることです。
HECは、皆さんもご存知の「動体視力」と似ています。
動体視力が〈目〉に対してのものであるなら、HECは〈目と手〉に対して。
動体視力というよりも目から脳、そして手へと繋がる情報の循環をできる限り無駄なく、効率的に行う「反応の良さ・反射神経の良さ」に近いかもしれません。
そして、テニスで言えば、ラケット面のスイートスポットにボールを当てるということがテニスでは一番重要です。
飛んでくるボールに対して、手を合わせることができるかどうか、インパクトがちゃんとできるかは大切なポイントとなります。
たとえば、あなたがボールをヒットする時にボールとの距離感をしっかりと計れるようになったら、いつもいい打点でボールを打てますね。
一方、ラケットに対してボールを捉える位置が自分の見た目よりも「ボールが近い」、見た目よりも「ボールが遠い」なら、オフセンターになってしまうことが多くなります。
そこで、目が正確に捉えることができるようになるための練習方法をご紹介いたします。
練習の中で遊びの感覚でいいので、取り入れていってみて頂きたいと思います。
フレームショットにお悩みの方はこちらをどうぞ
ハンド・アイ・コーデネーションの練習方法
ラケット無しでOK 2つのボールでボール突き
テニスで、ボールを集中して見るということは必要なことです。
これ自体、難しいことではありますが、それとは別にもっと広い空間の中でボールを見ることができて(周辺視野※)、それに対して手をちゃんと連動させることができるという能力も当然テニスには求められます。
そこで、これからHECを向上させるための4つの練習方法をご紹介します。
まずは、次の練習からやってみてください。
- ボールを2つ用意して、それぞれの手に1つずつ持つ。
- 同時に、下へ落として、同時にキャッチする
- 1.2.を繰り返す
ボールに対して手が思ったところに行っているかどうかがポイントです。
2つのボールの動きを同時に捉える。
左目で1つのボールを、右目でもう1つのボールを見る…のではありません。
周辺視野でボールの位置をおおよそ掴む、視界全体を使いこなすことが大事です。
慣れてくると、両手同時にできるようになってくるはずです。
ですが、利き手と反対側の手はどうしても弱くなりやすいので、そこを調整しながら両方を同調させることが必要です。
そこを気をつけながら、練習してみましょう。
ラケットで2つのボールをボール突き
先ほどは、両手でボールを下向きに突く練習でしたが、今度は同じ動きをラケットでやってみましょう。
- 最初から両手でやるのは難しいので、1球を利き手だけ。
- 次に、非利き手だけでやってみてください。
- 慣れてきたら、2本のラケットを握って同時にボール突きをやってみてください。
ラケット無しでOK 2つのボールでボール投げ&キャッチ
下方向の練習の次は、またラケット無しで上方向に投げる練習です。
安定して同じ高さに上げないといけないのと、投げ上げたら再度キャッチしなくてはいけません。
投げる、キャッチする動作は、素早くささっと連続してやっていってください。
- 両手でボールをそれぞれ1球ずつ握ったら、体の前で同時に真上へ軽く放って、同時にキャッチしましょう。
- 慣れてきたら、両手の幅を広げてキャッチをしてみましょう。
全体を見るような視力を鍛えることができるようになります。
ペア練習、ボール投げ&キャッチ
2人でこの練習をすることで、もっと複雑な練習が可能になります。
- もう1人が同時に両手でキャッチします。
- スローとキャッチを交互に入れ替わって続けます。
- 2人でこの練習をしてみましょう。
ボールを捉えるコツは、放物線の軌跡を想像することです。
軌跡がわかると落下地点やタイミングが分かるようになります。
「ハンド・アイ・コーディネーション」については、こちらの動画をご覧ください。
河合校長が4つの練習方法をお伝えしています。
上の動画では、河合校長の姿のみしか写っていませんでしたので、2人でやっている様子の動画もご紹介します。
巨人の選手が練習をしている動画をTwitter投稿からお借りしました。
やり方のコツについても、書かれています。
周辺視と手と眼の協応動作のトレーニングですね。
実際にやってもらうと分かりますが、
ボールを一個ずつ見るというよりはボヤッとみて周辺視を上手く使うのがポイントです。pic.twitter.com/c9ShM6hdZG#ジャイアンツ#ハンドアイコーディネーション#手と眼の協応#周辺視#ビジョントレーニング— 野口 信吾⚾️眼👀を鍛えてパフォーマンス向上 (@KeepGoing201501) March 15, 2019
土居美咲選手のHECトレーニング
土居美咲選手のTwitterにハンド・アイ・コーディネーションのトレーニングが紹介されていました。
上記の4つが上手くなったら、こちらにも挑戦してみては?
ボールでのトレーニングは応用できるものが沢山あります。
特に子供のコーディネーショントレーニングとして効果的なので、この期間に是非試してみてください😊 pic.twitter.com/qu0rSjAUJq— Misaki Doi 土居美咲 (@MisakiDoiTennis) March 26, 2020
番外編練習 ボールをパンチング
番外編として、ご紹介するのが動いているボールの中心にパンチをする練習です。
ボクシングや野球をしている方たちが動体視力とHECを向上させるためにやっているトレーニングです。
どのようなトレーニングは、フェザー級、スーパーフェザー級の2階級を世界最速で制覇したウクライナのプロボクサー、ワシル・ロマチェンコによる下の動画をご覧ください。
正確に、テニスボールを打ち続けています。
ロマチェンコが使用しているものに近い練習器具を探してみました!
「パンチングボール」
頭につけたバンドとそこに繋がれたボールがついている簡単な構造です。ボールにパンチすることでボールが体から離れ、またゴムの力で戻ってくるのでそれをパンチするというものです。
器用な方なら、自作もできるかもしれません。
全身運動としても、相当いいエクスサイズとなりそうです。
ボクシングボール パンチングボール 格闘技 打撃練習 軽量 練習用ボール 動体視力 反射神経 迅速な反応 パンチ練習 トレーニングストレス解消 初心者用黒ボール ベテラン用赤ボール 価格:2,980円 |
目で見る能力(動体視力、周辺視野など)をもっと高めたい人は、こちらをどうぞ
目と手の協調性を高めたい人は、こちらもどうぞ
まとめ
「ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-eye-cordination)」は、ボールを目で見て、そのボールに対して体が反応し、手を使って動作する!この一連の動きを高めるトレーニング です。
体の機能を目一杯使っていけるためには、目の力と手先を連携することは重要なことです。
最初は、「難しい」「できない」ことが毎日、意識して続けていくことで意識しなくても「できる」に変わっていきます。
テニスを上達していくためには、 ご紹介したトレーニングはやってみるだけでなく、 継続していくことが大切です。
時間も場所もそれほど必要としないトレーニングなので、取り入れてみてください。