テニス サーブやスマッシュで役立つ肩まわりの柔軟性をUP!【動画有】
テニス技術のうち、サーブやスマッシュなどのオーバーヘッド系のパフォーマンスに直結するのが、肩関節、肩甲骨まわりの柔軟性や筋力。
「肩まわりの柔軟性」を高め、可動域を広げることで肩のトラブルを防いだり、パフォーマンスアップにつながります。
伸びのあるボールが打ちたい!パワーやコントロールを身につけたい!ならば、肩甲骨を柔らかくして、楽にボールを打てるようになりましょう。
肩のエクササイズをご紹介しますので、取り入れてみてください。
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この記事の目次
肩まわりの筋肉
テニスで重要なのは、いかに身体のコアの部分を使って運動連鎖を用いるかです。
下半身、体幹、上肢は全て身体の運動連鎖の構成要素となります。
肩甲骨は、胸や背中、腕と連動する上半身のしなやかな動きや正しい姿勢を保つために重要な要といえるパーツです。
肩甲骨に関わる主な筋肉としては、背中側の大きな筋肉の広背筋ですが、この筋肉は
三角筋、大胸筋など上半身の多くの筋肉とも連動しています。
また互いの筋肉が連動することで、大きなエネルギーが生み出されます。
またテニスだけでなく、野球やゴルフも肩まわりの柔軟性や可動性を求められるスポーツです。
大リーガーの大谷翔平選手やゴルフの石川遼選手の肩まわりの柔軟性は、有名ですね。
肩甲骨まわりの可動域がありえない角度で曲がる様子を見るとビックリしてしまいます。
大リーガーの前田健太投手の独特のウオーミングアップ「マエケン体操」をご存知の方も
多いと思います。
前傾姿勢で、肩と肘、手首を高速回転させるのですが、肘が常に肩よりも上に来るように
キープするのは硬くなった肩の筋肉の肩にはなかなか厳しい動きです。
サーブやスマッシュの動きで使用する肩まわりをケアすることは、
上半身全体を良い方向へと高めることが期待できます。
肩の柔軟性が良くなると?
パソコンやスマートフォンの画面を見続けることが多い現代の生活では、
前かがみやうつむきの姿勢によって肩まわりの筋肉が固まりがちです。
さらに年齢を重ねていくと、固く感じていくようになり、
肩甲骨の動きが硬くなると、血流が滞り疲れやすい身体になります。
一方、肩関節が柔らかくなると関節が自由になり、体が軽くなり姿勢も良くなります。
サーブの威力と安定性を上げたいならば、
肩甲骨を柔らかくするのは効果的です。
また、ストロークでも姿勢を安定させ、背筋の力、腰のターンの力を
連動して使えると安定感と威力が増します。
ニコラ マユ選手の上半身裸で練習をしているスローモーション動画が筋肉の動きがわかり
やすかったのでご紹介いたします。
マユ選手は、テニスのグランドスラム4大大会(全米・全英・全仏・全豪)男子ダブルスで、
すべて優勝の「キャリア・グランドスラム」を達成したプレイヤーです。
肩甲骨が寄って、離れていく動きを確認できましたでしょうか?
画面からわかる位、マユ選手の肩甲骨の可動域が大きいことがよくわかります。
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静的ストレッチと動的ストレッチ
肩まわりを柔らかくして、可動域を広げていきたいと思うのならば、
取り入れていただきたいのが「ストレッチ」です。
ストレッチには、大きく分けて2つ、静的ストレッチと動的ストレッチがあります。
静的ストレッチ(スタティックストレッチ | 反動をつけないでじっくり筋肉を伸ばすストレッチ |
動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ) | 動的ストレッチは動きながら反動をつけて行うストレッチです。 |
それぞれの目的が異なります。
■静的ストレッチは、可動域ギリギリまで筋肉を数秒間伸ばすことで体全体の循環を促し、
蓄積した疲労を緩和することが目的。
■動的ストレッチは、体を動かしながらほぐし、可動域を広げることで
筋肉の温度と柔軟性を徐々に上げることが目的。
皆さんが肩のストレッチでよく知っている動きとしては、下の画像のようなポーズをとって
ゆっくりと伸ばすやり方だと思います。
サーブなどのために肩の可動域を広げたいというのであれば、実はこれは逆効果となるかもしれません。
この動きは練習をした後、筋肉がより収縮している状態を「クールダウン」として
伸ばすために行う“静的ストレッチ”です。
この動きをプレー前にあまりしてしまうと筋肉が伸び切ってしまって、
パワーを出しづらくなってしまいます。
冷蔵庫にゴムをしまっていて、それを伸ばすと切れやすくなる…みたいなことです。
運動前のストレッチの考えとしては、
◎運動前に時間の余裕があるなら、静的ストレッチを行い、可動域を広げ、
それから運動の事前準備ということ動的ストレッチで筋肉に対して刺激を入れます。
◎時間に余裕がない場合は、動的ストレッチだけ行うようにします。
ですので事前準備としては、動きの中で伸ばす“動的ストレッチ”で
「ウォームアップ」を心がけてください。
練習前や試合前に自分が良いパフォーマンスを出せるかどうかは、
ウォームアップが重要になってきます。
プロの選手は、ボールを打たないウォームアップだけで30分以上の時間を使って、
体の切れが良くなり、ケガの無いように入念に準備をしてからボールを打ち始めます。
ボールをいきなり打てば、体がまだ温まっていないのに
衝撃を関節や筋肉に与えてしまい、
下手をすれば筋断裂や関節を痛めてしまいます。
体が汗ばむ程度になるまでゆっくりと体を温めると、
いい状態で練習がスタートできると思います。
ストレッチメニュー紹介
それでは、肩甲骨の可動域を広げて筋肉を温めるストレッチメニューを紹介します。
肩甲骨は、いろいろな方向に動くので、しっかりと意識をして動かすことが重要です。
肩甲骨は背中側ですが、前方側の胸の筋肉も意識してストレッチをすると効果が上がります。
また、後方側は、首から腰までつながっていますので、肩甲骨まわりだけじゃなく、
腰や首のストレッチも意識したほうが効果が上がります。
グルグル両肩回し
ウエアを持って肘を広げて両肩を回す。
肘をなるべく大きく動かすことを意識しながら行います。
肩まわりがよく動くなるようになります。
肩甲骨を伸ばして、引き寄せ
それと肩甲骨を狭めたり、広げる動きです。
横に張り出した肘を引っ張る動きです。
「伸ばして」、「引き寄せる」それぞれの動きを横、縦、斜め方向に動かします。
この動きをすることで、肩甲骨がより広く動くようになり、
肩周りを柔軟にしてくれます。
一つのストレッチパターンは、目安として10秒から15秒ずつ行ってください。
インナーマッスルを鍛える
肩周りの外側は、ラケットを振っていれば鍛えられますが、
肩のもっと内側の筋肉、インナーマッスルを鍛えることで怪我の防止になりますし、
また、よりパワーを内側から出していくことができるようになっていきます。
テニスプレイヤーの皆さんから、肩の奥に痛みが走る!という話をよくお聞きしますが、
これは、インナーマッスルを痛めてしまっている状態かもしれません。
腕立ての状態から肩甲骨を寄せるようにして、体を下げる→元の位置へ戻す
できるだけ大きい動きで、腕は伸ばしたまま行います。
下げる時に、肩甲骨が伸びているのを意識して。
下の動画で、河合幸治校長が解説、デモンストレーションをしています。
ゴムの引き伸ばし
トレーニング用のゴムチューブを両手で左右に引き延ばしたり縮めたり動かす動き。
「大きく」動かすのではなく、「細かく」中の筋肉で動かすことを意識します。
(下の画像では、ゴムを用意していなかったので、手の間にあると想定してご覧ください。)
前後に動かす動きもやっていきましょう。
上の動画内でのトレーニングでチューブゴムがなかったので、
トスからヒッティングまでのサーブの動きをしながらのゴムを
用いたトレーニングの動画も併せて紹介いたしますので参考にしてください。
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まとめ
サーブやスマッシュの威力を増したいというのであれば、フォームだけでなく、自分の体作りに
も目を向けてみてください。
肩関節への意識を集中させることにより、サーブ時の運動連鎖を感じてみましょう。
繰り返すことで、身体の力の伝導をサーブ時に肩で感じることができるようになります。
肩甲骨まわりのストレッチは、毎日コツコツやることをおすすめします。
空いた時間にいつでもできるメニューですので、肩甲骨まわりの柔軟性を手に入れてください。