テニスラケットのリプレイスメントグリップ交換【動画有】
テニスラケットの「元グリップ」「リプレイスメントグリップ」について選び方や交換方法などをお伝えします。
ラケットを購入した後に、オーバーグリップテープを巻いて使うことはほとんどの方がされていると思います。
けれども、元々ラケットに巻かれているグリップの部分を巻き直しをしたり、交換したりしたことのある方はほとんどいらっしゃらないかもしれません。
愛用ラケットのグリップは、知らず知らずに劣化していきます。
元グリップを交換してみると、握った感覚が違ってきます。
交換しないのが当たり前から、自分のより使いやすいラケットに仕様変更して使うことで、テニス上達につながるかもしれません。
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この記事の目次
リプレイスメントグリップ
リプレイスメントグリップとは
ラケット本体についている、あらかじめ巻かれているグリップテープ。
新品のラケットのグリップは、このテープがウレタングリップの上に巻いてある状態です。
テニスラケットに元から巻いてあるクッショングリップなので、「元グリップ」とも言います。
1、2年でラケットを新しいものにしているという方以外でも、オーバーグリップは巻き変えても、元グリップはそのまま使用し、
変えている方はあまりいらっしゃらないと思います。
元グリップは、ラケットに元から巻いてあるテープで厚みがあります。
これは打球時の衝撃を抑えるための大切なテープです。ケガの防止のためにも剥がさずに使用して下さい。
元グリップを剥がすと、下の画像のような状態となります。
画像:IFIXIT
巻き替えができると知られていない…?
現在、多くのラケットの元グリップは、シンセティックレザーを使用した製品です。
元グリップだけで使うことは、もちろんできますが、大抵の方はこの上にオーバーグリップテープを巻いて使います。
二重にせずにそのまま、使い続けると汗などで傷んで、汚れてボロボロになったり、臭くなってきたりします。
実は、オーバーグリップテープを巻いていても、オーバーグリップテープは防水仕様となっていないので、汗はその下の元グリップまでしみていっています。
何年も交換しない元グリップは、劣化していきます。
スポンジがつぶれていって、クッション性がなくなったり、汗の吸収量が少なくなったり…。
そうした時に、元々付いていたグリップを交換することができるのです。
交換することで、快適に使えたり、ラケットのパフォーマンスが発揮できるようになります。
元グリップも、オーバーグリップのように定期的に交換したいところです。
リプレイスメントグリップの種類
Wilson、Yonex、Head、Babolat、Prince、Kimonyなどから発売されています。
革素材のものと合成樹脂のものがあります。
天然皮革(レザー) | 合成樹脂(シンセティック) | |
メリット |
価格が高い 衝撃が吸収されず、打球感が分かりやすい グリップの角が分かりやすい 耐久性がいい |
価格が安い 手・腕への衝撃が少ない レザーよりも若干軽い 耐久性が劣る |
デメリット |
手・腕への衝撃が大きい シンセティックより少し重い |
衝撃が吸収され、打球感が分かりにくい グリップの角が分かりにくい |
価格帯 |
2,000 ~ 4,000円 |
1,000 ~ 2,000円 |
●レザーグリップ
牛の皮から作られます。
特に、カーフレザーと呼ばれる子牛から取られた皮の製品は、皮の表面がきめ細かく、しっとりとした手触りです。
スポンジを入れていないので、メリットとしては、グリップを握った時にボールの振動や衝撃を伝わりやすいために打球情報を得やすいといった点があります。
また、8角形のグリップの角の感触が伝わってきて、ラケットの面の向きの違いを感じやすくなります。
特に、ストロークからボレーへの握り変えといった時など、自分がどこを握っているかがすぐわかります。
打球感やタッチを重視されるようでしたら、こちらのグリップはおススメです。
レザーグリップは、上級者に愛用している方が多いですね。
現在販売されているラケットでは、ツアーモデルの一部にしか標準装備されていません。
下の画像は、ロジャーフェデラー選手モデルのWilson『プロスタッフ RF97 オートグラフ』です。
元グリップには、レザーの「PREMIUM LEATHER GRIP」が使用されています。
フェデラー選手は、この上にオーバーグリップの「PRO OVERGRIP」を巻いています。
デメリットとしては、硬い感じがする、クッション性が少し悪いといったことから、使い慣れないうちはマメができるといったこともあります。
また、汗や水(雨)にとても弱く、濡れてしまうと湿って腐ってきて悪臭がしたり、油断するとカビが発生してきます。
それと、合成樹脂のものよりもレザーグリップは、少し重くなります。
(バボラ社製品の場合、合成樹脂の製品が17.4gに対して、レザーが26g)
それまでが合成皮革を使っていた方の場合は、全体の重量が重くなりますし、グリップ部分が重くなるためにトップライトになってしまいます。
トップヘビーのバランスが好きな方が、バランスが変わってきてしまうのが嫌だという場合は、錘で調整するなどしましょう。
(とはいえ、バランスは変わりますが、スイングウエイトがほぼ変わりません。)
それと、レザーグリップにすることで、握った感触が細く感じられるかもしれません。
レザーグリップも各社から発売されていますので、皮の厚みも異なります。
(Wilson『プレミアムレザー』で1.7mm~Kimony『テクニレザー』0.8mm)
上に巻くオーバーグリップとのトータルでの握りやすさを考えて、調整をしてみてください。
使用頻度にもよりますが、約2年位を目安に定期的に変えましょう。
●シンセティック(合成樹脂)グリップ
最近のラケットは、あらかじめシンセティックグリップを使用したものがほとんどです。
各メーカーが様々な性能をもった合成樹脂のリプレイスメントグリップ製品を発売しています。
ポリウレタン素材で、基本的には分厚く、軽量です。
基本的には、衝撃吸収がよく、マイルドな打球感となります。
テニスエルボーで困っている方でしたら、革製品でなくこちらの製品の中からよい高い振動吸収性のものを選べば、楽に打てるようになるでしょう。
また、グリップ自体が重くならないので、トップヘビーなバランスにしやすいです。
デメリットとしては、衝撃を吸収することで、どこで打ったかわかりづらくなるあいまいな打球感となってしまうことです。
とはいえ、クリアな打球感を好む競技志向のプレーヤー向けの商品も出ていますので、そういった商品を選択することで自分の好みの打感を得ることができます。
使用頻度にもよりますが、約半年~1年位を目安に定期的に変えましょう。
ウイルソンさんの元グリップ商品で選ぶ場合は、次のようになりますが、ほかのメーカー品から選ぶ場合も同様な選択基準でお好みのものを選んでみてください。
●本皮派に
「PREMIUM LEATHER GRIP(税込¥2,100、厚さ1.6mm)」
●シンセティック・レザーで、レザー感のあるもの
「PRO PERFORMANCE GRIP(税込¥1,650 、厚さ1.4mm)
打感を重視したいけれど、
●シンセティック・レザーで、いつもの感じ
「SUBLIME GRIP(税込¥1,650 、厚さ1.6mm)」
●シンセティック・レザーで、凸凹タイプ
「CUSHION-AIRE CLASSIC CONTOUR(税込1,650、厚さ1.8mm)」
これが絶対!というコアな支持者がいる、ライン状に凹凸に突起しているタイプ。
画像:Wilson
リプレイスメントグリップの交換
リプレイスメントグリップが傷んでしまったら、交換しましょう。
ただし、さほど傷んでいないようでしたら、その上から保護のためにオーバーグリップテープを巻くだけでも大丈夫です。
●交換時期の目安
オーバーグリップテープを巻かずに、リプレイスメントグリップのみで使いたい方が交換するには、以下のような状態になったらすぐに交換しましょう。
・汚れてきて、滑りやすくなってカサカサしてきている
・巻きがズレたり、浮いてしまっている
・匂ってきて、臭くなってきた
古くなったグリップテープは、ちゃんとグリップができずに打球のパワーが落ちたり、ラケットを滑り落してしまう原因になったりしますので交換しましょう。
元グリップは伸縮性があまりないために、オーバーグリップよりもかなり難しいので手間がかかってもOKな方以外は、テニスショップでお願いすることをおススメします。
(テニスショップで商品を購入した上で、交換手数料は別途有償となるはずです。)
●交換のやり方
自分でする場合は、オーバーグリップと違って巻き直しができないので、慎重に作業して下さい。
- グリップエンドを外す
- 元のグリップテープを剥がす
- 付属の両面テープで巻いていく(グリップエンドから引っ張りながら巻く
その際にグリップの形状を変えたり、錘を仕込んだりといったカスタマイズをする方もいらっしゃいます。
純正グリップとレザーグリップの比較
テニスショップラフィノさんの動画で、ダンロップCX200 に元グリップを変更させたものと、変更しないものを打ち比べたらどうなる?
という内容のものをアップされていました。
同じ重さ、バランス、スイングウェイトのラケットを2本揃え、純正グリップと元グリップをレザーグリップを装着させたものとの打ち比べたものです。(オーバーグリップはなし)
レザーにしたことで、「バランスが変わってトップライトになって振りやすく感じた」、「角が出てボールが乗る」といった評価を述べていらっしゃいます。
DUNLOP CX200 × レザーグリップ装着比較!!
ちなみに、ラフィノさんではラケット購入時もしくは、通販ガット張替えサービスを利用の場合は元グリップテープの交換を工賃有償でやっていらっしゃいます。
こちらでは、ラフィノさん取り扱い品の中からトッププロにも愛用者の多い『フェアウェイ』の元グリップをご紹介します。
柔らかく、手に吸い付くような感触のレザーです。
フェアウェイ (Fairway) グリップレザー (KGL152) ※お取り寄せ対応商品 価格:4,180円 |
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まとめ
テニスで、手から入る情報は重要です。
打感を感じる情報の玄関口となるグリップについて、お伝えしました。
元グリップの巻替えは、オーバーグリップの巻き替えに比べると手間がかかりますし、コストもかかります。
けれども、交換することで、握り具合が良くなったり、ショットが良くなってくれるかもしれません。
今回の記事では、使っているラケットの元グリップが劣化してきたら交換しようという書き方をしていますが、新しく使い始めの時から自分好みの元グリップに変更して使うのも、もちろんアリです。