テニスにおける「シード」の意味と決め方
テニスの大会で使われる「シード」の意味、決め方について説明します。
「シード」や「シード選手」という言葉を大会に出るようになると聞くことがあると思います。また、テニスの試合をテレビで観戦している時にも有名選手について、第○シードの選手ですという紹介を受けることがあると思います。
「シード」とは、どういう意味でシードの順位やシードの位置(配置)はどうやって決めるのでしょうか?
テニスの大会がどのようなシステムになっていて、参加選手にとってどのような意味を持つのかについて説明します。
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意味は?
シード(seed)は、トーナメント方式の競技で有力選手または有力チーム同士が大会序盤で対戦しないように、組み合わせを調整して分散させる仕組みです。
これを「シード」といい、対象となる選手またはチームを「シード選手」と言います。シードに選ばれた選手は強い選手と当たりにくくなり、有利になります。
チケットを購入して好きな選手を観戦しに行ったのに、すでに負けてしまって見られなかった!といった番狂わせがあることがあります。
シードの仕組みを取り入れれば強い選手同士が序盤で当たることがないので、選手がランキング通りに勝ち上がってくれば、大会終盤が有力選手同士の好カードとなります。
シード選手同士の対戦は人気
シードの順位
トーナメント方式の競技は他のスポーツでも行われていますが、テニスの場合のトーナメントのシードの順位のつけ方について説明します。
テニスのトーナメント方式のドロー(組み合わせ表)は、出場選手の過去の戦績によってシード枠が決まります。そして、シード選手がドローの中で配置された後に残りの参加者が抽選でドローに入れられていきます。
テニスが他の競技と違う点は、第1,2シード以外の位置です。
・第3、第4シードの位置が通常の場合と違う
・第3、第4シード、第5~第8シード、第9~第12、第13~第16シードシードの位置が固定ではなく抽選となる
画像 和田システム
プロの大会のシード順位は、原則的に男子はATPランキングポイント、女子はWTAランキングポイントの高い順となります。
特殊なウィンブルドンのシード順位の決め方
過去1年間の芝大会の総ポイントと、その前の1年間の芝大会のうち、最もポイントが高かった大会のポイントの75%を計算し、それらを合計したポイントの高い順にシードを決めていきます。 |
シード枠の数
シード枠の数は、ドローの大きさによって決まっています。
公式ルールによると、次のようになっています。
トーナメントにおけるシードの数は、 ドロー数の4分の1を基本とし、下記のシード数を基準とする。
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グランドスラム大会のシングルスは128ドロー、2018年までは32シード、2019年からは16シード。国内大会ではインターハイやインカレも128ドローで開催されます。
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グランドスラムの場合
4大大会のグランスラム大会は男女共催で開催されていますが、シングルス本戦の場合、
それぞれ128ドロー行われています。規模の大きさがわかります。
ドローの上半分を「トップハーフ」といい、下半分は「ボトムハーフ」といいます。グランドスラムのシングルスでは、トップハーフ一番上の「ドローナンバー1」に第1シードが入り、ボトムハーフの一番下の「ドローナンバー128」に第2シードが入ります。
グランスラム大会のシングルス本戦は2018年までは32シード、2019年からは16シード。
実際のドロー表を見てみましょう。
杉田祐一選手が、ATPツアーで初優勝をし、日本男子プレーヤーで3人目の優勝となった大会のトルコで開催された「アンタルヤオープン」のドローです。(2017年7月1日決勝大会開催)
画像 ATP
左側にある小さな数字がシード順位になります。
杉田選手は、シードのついていない状態から勝ち上がって、優勝の栄冠を勝ち得たのですね。
シード選手の1回戦は、ところどころに「Bye」という表記があります。
これは、対戦せずに不戦勝となることを示します。
Byeなどの不戦勝については、こちら をご覧ください
シードがつくことで、初戦を戦わずに勝つことで、体力をセーブできますし、勝ち進むまでは有力選手とはぶつからずに済むことができます。安定して上位へ進出するためには、シードを得られるランキングを得ていることが重要になってきます。
ATP大会のドローは、ATPワールドツアーのホームページから見ることができます。
http://www.atpworldtour.com/en
「シード」の使い方
シードは、実際にどのように会話で使われているのでしょうか?
「ドローが出たんだけど、最初から第1シードと当たってしまうんだよ~」というように使います。
シード選手は多くの大会に出場して結果を残しているようなプレーヤーです。
過去の対戦ドローを調べてみれば自分の知り合いと対戦しているかもしれません。
自分はどのような選手なのか知らない場合、知り合いから情報を得られる可能性があります。
また、草トーナメントにある程度出るようになったら、自分が勝ち進んだ場合シード選手と当たるのは何ラウンド目なのかを知って、そこに自分のピークを持っていくということも考えたいことです。
マークした選手の初戦や2回戦などを偵察して対策の準備をしておくというのも、試合の準備としてはしておきたいことです。