テニス ドロップボレー、ドロップショット打ち方とコツ【動画有】
テニスのドロップボレーやドロップショットの打ち方や試合での使い方などを紹介します。
ドロップボレー、ドロップショットはボールのタッチ技術を最も必要とするショットです。練習のときに気をつけるポイントも紹介します。
ドロップボレーやドロップショットというと、ネット近くに短くボールを落とす高い技術を要するカッコいいショットというイメージをお持ちかもしれません。
錦織圭選手やノバク ジョコビッチ選手は、ラリー中に相手の意表を突くようなドロップショットを使い、上手いタイミングで打てた時には相手が動けないノータッチエースとなることもあります。
トッププロのような華麗なエースが取れなくても、ドロップを打って相手を左右だけでなく前後に動かせると戦略に幅ができて、シングルスでもダブルスでも有効なショットとなります。
ぜひ練習で身に付けて、試合を有利に展開できるようにしていきましょう。
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ドロップボレー、ドロップショットとは
ドロップボレー、ドロップショットとはスライス回転をかけてネット近くに落とすショットで、ドロップボレーは自分がネット近くの場所から打ち、ドロップショットはベースライン近くから打ちます。
ボールが相手のコートに落ちてから、サービスラインを越える前に2バウンドするくらいに短く打てれば成功です。
どちらのショットも、成功させるためにはまず軌道イメージを正しく持つことが必要です。
下の図の1. 2. 3. の軌道では、どれがドロップの正しい軌道でしょうか?
- は、ボールがネットの上を低く飛んでいき、ネットを越えたところですぐに落ち、ほとんどバウンドしない
- は、山なりの軌道でネットを越えていく、軌道の頂点はネットの前
- は、ボールがネットの上を低く飛んでいき、バウンドした後ボールが伸びるライナー性の軌道
正解は、2.です。
- を軌道イメージとして持っている方が多いかもしれませんが、実際のボールは物理的にこのような飛び方はしません。
- こそが実際のボールの軌道で、みなさんに習得していただきたい軌道イメージです。
- は、ボールを滑らせてしまってバウンドしてからの距離が長くなってしまうので、相手が間に合ってしまいます。
2.のように高い山なりの軌道で、バウンド後に弾まないボールであれば狙ったところに落として打つことができるようになります。
ボールタッチ(感覚)をみがく
ボールタッチをみがいておくと、ドロップが打ちやすくなります。
1人でもできる練習方法で、コートがなくてもできますので時間がある時に取り入れていくようにしましょう。
おススメしたいのは、ラケットでボールを突く「ラケッティング」の練習です。
サッカーのリフティングのような練習ですが、ラケット面がどこに向いているかを感じるように集中して行います。
ラケット面の感覚をつかむ
ラケットのグリップは、薄い握りのコンチネンタルグリップでないと上手くいきませんので、コンチネンタルグリップが上手く握れていない方はこちらをどうぞ
こちらの動画で「ラケッティング」について説明しています
この動画の中で、ボールの下からラケット面を入れて横に動かして、スライス回転をかけながら上に打っている所があります。
横にラケットを抜いて、真上にボールが飛ぶように練習しましょう。
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ドロップボレーの使い方、打ち方
■使い方
ドロップボレーは、相手が後ろに下がっている時に前に落とすボレーです。
自分がサービスラインの中にいる時に、打ったボールが相手のサービスラインの前に2バウンドするように、スライス回転を掛けて前に弾まないように打ちます。
相手が下がっている時がチャンス
シングルスでこちらが深い球を打って相手がベースラインの後ろに下がったときや、ダブルスで相手が「2バック」の陣形を取っている時などに使っていくと有効です。
相手からすると、かなり頑張って前へ走らされますので、体力を奪うことができますしそのままポイントになることもあります。
相手にバレないように
ただし、相手にドロップであることを読まれては、ボールに追いつかれてしまったり余裕を持って返されてしまいますので、バレないように相手に対して向かっていって強打する構えから打つようにしましょう。
2バックの相手に有効
画像 tennisworld
また、相手がこちらに短く打たせようとしてあえてゆっくり打っている場合もあります。
そこで打ってしまうと相手の思うツボにはまってしまいます。
相手が後ろにいて、少しバランスを崩しながら打ってきているときなどを狙って打つと決まりやすくなります。
ストロークのドロップショットに比べて、ネットの近くから打つので成功しやすく決まりやすいので、まずはこちらを身につけるようにしましょう。
ドロップボレーの使い方コツ ・相手の位置が下がっている時に使う ・相手にバレないように使う |
ドロップボレーは、相手のボールの勢いを受け止めて、ボールを短くする技術が必要です。
■打ち方
どのようにしたら打つことができるか、ポイントを説明していきます。
低いボールを打つ
あまり高いボールに対してドロップボレーで打ってしまうと、ボールが高くバウンドしてしまって相手が走ってきやすくなりますので、胸より下くらいの高さのボールを狙うようにしてください。
低く短くバウンドさせたいので、高い球を打つのは不適切
ラケットワーク
上手くドロップボレーを打つには、最初に説明したように、正しい軌道イメージとなるように、スライス回転をかけながら「ふわっ」としたボールを打つようにします。
打ちたい方向にラケットが動いてしまうとボールの飛距離が出てしまいますので、ラケット面が前に行かないように気をつけてボールの下に抜くように横に動かすことがポイントです。
ラケット面は前にではなく、下に向かって抜いていく
下方向に抜くことができれば上に向かってから落ちる軌道のボールになり、逆回転がかかればそれだけ弾まないようになります。
ドロップボレーは失敗すると相手に逆襲されてしまいますので、しっかり練習して身につけるようにしましょう。
体は前に踏み出しながら、ラケット面を少し下に、面が上向きになるように抜いてボールの威力を弱められるように練習していってください。
前へ踏み出しながら打つ
ボレーですので、グリップはコンチネンタルで握ることを忘れずに。
ドロップボレーの打ち方コツ ・低いボールを狙う ・ラケット面を下に抜くように動かす ・前へ踏み出しながら打つ |
ドロップボレーについては、こちらの動画を参考にしてください。
もっと上手くなりたい、もっと試合に勝ちたいと思っているならば |
ドロップショット使い方、打ち方
ドロップショットは、ドロップボレーよりも後ろの位置のベースライン近くから打つショットです。
後ろから打ちますが、ドロップボレー同様にネット近くに落とすことを目標とします。
山なりのボールでスライス回転を掛けて、弾まないように打つことで効果的になります。
ドロップボレーで身につけたタッチの感覚を生かして、ドロップショットを使えるように練習していきましょう。
■使い方
自分に余裕がある時
ドロップショットを使う目的は、「相手の意表をついて崩す」「相手を前後に揺さぶる」ことです。
相手のポジションや自分が打ったボールから、使える状況かどうかを判断して使うようにしましょう。
こうした時がチャンスです。
・相手がベースライン後方にいる
・自分はベースライン内にいる
・自分が強打した後で、自分に優位なボールが返ってきた
ドロップショットは、自分が強いボールを打った後で相手の球が弱くなった時に、次も強打を打つと見せかけると相手がポジションを下げるので決まりやすくなります。
相手にバレないように
ドロップボレーと同じく、相手の意表を突いて打つショットですので、相手に打つ前から分かられては効果がありません。
最初から、ドロップショットを打つことがわかるように小さく構えてしまうと相手は前へ詰めてきますので、強く打つ姿勢をギリギリまで見せてから打つようにしましょう。
ドロップと見せかけて、スライスや強打
ドロップショットをさらに効果的に使う方法として、ドロップショットを打つと見せかけてスライスを使ったり、強打することです。
ドロップショットとスライスショットは、同じフォームですので無理なく打つことができます。
相手からすると、同じ構えから色々なボールが来るので、守備をするのが難しくなります。
球出し練習などで、同じ構えからドロップショットにしてみたり、スライスショットにしてみたり、強打したりの打ち分けをしてみましょう。
ドロップショットの使い方コツ ・自分に余裕がある時 ・相手にバレないように使う ・スライスや強打も併用する |
■打ち方
強打と同じ構えで
ドロップショットを打つ時も、強打する時と同じ構えで、ラケットを高いところにセットすることで相手にわかられないようにします。
強打する時と同じ構えを見せる
ラケットを立てる
最初からラケット面を開いて打つのではなくて、ラケットをしっかり立てて、そこからラケット面を縦に動かして、ボールの下を抜けるようにスイングしてください。
構えは、「開く」ではなく「立たせる」
ラケット面を縦に動かす
バウンドの頂点を打つ
効果的なドロップショットを打つためには、ボールがバウンドしてきた頂点の辺りで打つことです。
低い打点からでは、下からすくいあがるような打ち方のショットになってしまいます。
バウンドの頂点でスライス回転をかけてふわっとした山なりの軌道をイメージして打ちます。
打った後の球は、あまり弾まずに止まる球になります。
バウンドの頂点辺りで打つ
バウンド後に止まるような球をイメージ
ドロップショットの打ち方コツ ・強打と同じ構えをする ・ラケットを立てて構える ・バウンドの頂点を打つ |
■打った後の動き
ドロップショットを打った後は、相手が打球に対して反応ができなかったり追いつかなかったりすることを期待するのではなくて、取られることを予測して動いて待ち構えるようにします。
上手く自分がネット近くにボールを落とせたら、相手が返しやすいのはクロスに短く返すか、ストレートへスライスで流すかのどちらかになることが多いでしょう。
ドロップショットを打ったら、そのボールを追いかけるように前へと詰めて、相手の返球をネットプレーで確実にしとめるようにしましょう。
ドロップショットについて、こちらの動画を参考にしてください。
まとめ
ドロップボレーやドロップショットの練習をすることは、ボールタッチの練習にも役立ちますので練習に取り入れてみましょう。
ドロップを打てることで、相手を左右だけでなくて前後に揺さぶりコートを広く使った戦略を立てることができます。
上手く成功すれば相手の体力や気力も奪うこともできますので、ドロップ系の技術を身につけるように取り組んでみてください。