大人テニスのダブルスは「ムーンボール」を使って展開【動画有】
大人テニスのダブルスでは、「ムーンボール」を使った展開がおススメです。
楽につないで、相手を追い込むボール、それが「ムーンボール」。
ムーンボールは、トップスピンの掛かった中ロブです。
このボールを打つことは、楽にできますし、ゲームの展開も楽になります。
「ムーンボール」の打ち方や使い方について解説します。
「コアスイング」を使うと効率のいいストロークが打てます!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
ムーンボールとは
「ムーンボール」とは、トップスピンの掛かった中ロブです。
若いうちは、ボールのスピードや回転量で相手を押し込むことで
展開してきた方でも、
大人になってきて筋力が低下してきた時に
「どうすれば相手が嫌な状況で打つことができるか?」
「どういうボールを混ぜると相手が体勢を崩しやすいか?」
を考えることが重要になります。
そこで役立つのが「ムーンボール」。
ムーンボールをうまく使い分けることができると、プレーの幅が広がります。
といっても、まだ「ムーンボール」に対してのイメージがわかないかもしれませんね。
ふつうのロブであれば、ダブルスでは相手頭上を超える高さのある山なりに深く打つボールです。
ムーンボールは、ロブよりももう少し低く、相手に対して速くいくボールです。
どんな軌道になっているかというと、サービスラインにいる相手前衛に対して
ロブであれば、相手頭上2m以上を通る、5m位の高さを通っていくので
相手が完全に届かない高さとなります。
ムーンボールは、ロブよりも少し低い軌道で、
相手の頭上でラケットを伸ばしてギリギリの高さを通っていきます。
170~180cmの身長の人で、ラケットを一番高く伸ばした高さは、2m60~70cm位です。
なので、およそ3m位の高さのところを通っていくボールになります。
下の河合校長のイラストでイメージをして見てください。
ダブルスでの使い方
「ムーンボール」をコントロールして打つことで相手を楽に深く押し込むことができます。
相手がベースラインにいれば、スピン回転のかかった跳ねるボールで
後ろに下げさせて相手を泳がすことが目的になります。
また、このボールの目的としては、「相手の前衛につかまらない」
クロスに深く、高めのボールを打つことで、
相手前衛が動いて手を伸ばしても届かないボールを
打つことができ、相手の後衛を追い込むことができるようになります。
速く深く打って、相手にプレッシャーをかけるというやり方は
速さを出すために自分の体力を使わなければいけません。
ムーンボールを使う展開は、クロスをベースにする
ことで楽にプレーをすることができます。
大人テニスでは、体力を維持してプレーすることも重要な戦略です。
楽につなぐ意識で、色々なところへ狙って「ムーンボール」をゲームで活用していってください。
打ち方のポイント
では、どのようにして「ムーンボール」を打てば良いかのポイントをお伝えします。
グリップ
ムーンボールに適したグリップとしては
イースタングリップ~セミウエスタングリップです。
こちらのグリップであれば、楽にムーンボールが打てると思います。
ウエスタンやフルウエスタングリップという厚いグリップとなると、
フルスイングをして一生懸命ボールを上げるというイメージになってしまうので
速いボールでスピンをかけることが楽にはできなくなります。
「楽に」ムーンボールを打つには、イースタングリップ~セミウエスタングリップ
の間で、自分に合った握り方で打つことをオススメします。
ラケットの握り方について知りたい方は、こちらをどうぞ
後傾を意識したフォームで
ふつうは、体をまっすぐにした体軸を回転させて、スイングを行っています。
ですが、ムーンボールを打つ時は、下の画像のように
重心を後ろ側にし、体軸を後傾させてスイングをすることで
重心が上向きになることで、腰の回転運動で自然と上にボールが上がるようになります。
つまり、ムーンボールを打つからといって、スイング軌道は変える必要はありません。
振り抜きが上に向かって振っていることになりますので、
いつもと同じスイングをしても、体を後傾させるだけで楽にムーンボールを打てます。
相手のボールに勢いがあるのであれば
オープンスンスで後ろに重心を残したまま、お腹を少し上に向けるイメージで
スイングをすると自然と後傾になります。
その姿勢で、肩口まで振り切れば、自然と下から上へのスイングになります。
お腹を少し上に向けるイメージで練習してみてください。
振り抜くことでスピン量をキープ
ムーンボールは、楽に打てるよ!という説明をしてきましたが
スピン回転をしっかり掛けないと着弾してから跳ねないので、振り切りは必要です。
ただ上に向かって、「ポーン」と当てて上げるだけではボールは跳ねません。
しっかり振り切ることで、高さも出ますし、バウンド後に伸びていくボールとなります。
速めに振ることで、逆により安定していくので
スイングスピードを遅くしなくて調整しなくてもOKです。
止めるのではなくて、振り抜く意識でスピンを掛けていってください。
振り抜くというと、勘違いして欲しくないのが
「全力で振り抜く!!!」と目一杯の力でスイング…はNGです。
マックスのご自分のスイングの6,7割位のイメージで振り切ると思ってください。
フルスイングをせずに楽にスイングをしているので、
早めに小さくテイクバックをしておいて、相手の動きを見ながら打つこともできます。
それができるというのが最大のメリットです。
たとえば、相手前衛が出てくると判断したら
それを見てストレートへムーンボールを打つことで
相手は逆モーションになりますし、ボールに届くことができません。
さらに、それがデュースサイドであれば、相手はバックで処理することになります
から届いたとしてもそんなに強いボールは来ないでしょう。
フォアハンドの場合でもバックハンドの場合でも、打ち方のポイントは同じです。
お腹を少し上に向け、後傾して振り切ることを意識して。
こちらに、河合校長の解説動画があります。
動画の終わりの方でボールの軌道がわかる画像がありますので、イメージの確認でお役立てください。
ムーンボールを使ったゲーム展開として、米国のベテランプレイヤーの男子ダブルス動画がありました。
参考にご紹介いたします。
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まとめ
大人テニスのダブルスでは、体力をキープしながら、相手を観察して対応できることが重要です。
相手前衛に引っかかることがなく、自分でコントロールできる楽なボールを打てることで展開を作っていくことができます。
おススメなのが、トップスピンのかかった中ロブ「ムーンボール」です。
練習や試合など、ゲーム展開に取り入れてください。