テニス スライスショットの基本の打ち方【動画有】
今回は、ストロークの中の「スライス」ショットについて解説します。
スライスの効果、打ち方のポイントについて説明していきます。
硬式テニスのストロークには、「フラット」「トップスピン」「スライス」の3種類があります。
場面に応じて、3つの球種を打ち分けることができるとショットの質を変えることができるので戦術的に戦いやすくなります。
一般プレイヤーの多くの方がパワフルで攻撃的な「トップスピン」を多く使ってプレーをしようとしていますが、「スライス」ショットは実はかなり使う場面が多くあり、有効な使い方のできるショットです。
少ない時間を効率的に使って上達したいなら、「テニスライズ」の無料メルマガ登録!>>>>
スライスショットの効果を知ろう!
スピンやフラットよりも、スライスは汎用性の高い便利なショットです。
スピンショットが全盛のいま、スライスショットは逃げのショットであるような「ネガティブ」なイメージを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、スライスショットを習得すれば、攻撃的なシーンでも守備的なシーンでも助けてくれます。
トッププロの試合でも、守備的な局面だけでなく、自分が攻撃的に打てる局面でも、スピンだけでなくラリーの最中にスライスを効果的に織り交ぜることで相手のペースを崩す目的で使っているのを目にすることがあるかと思います。
スライスショットには、どのような効果があるのかを紹介していきます。
ロブや時間稼ぎなど、スライスは汎用性の高いショット
スライスショットは、スピンショットとは逆にバック回転が掛かっています。
トップスピン回転は、「順回転」ともいわれており、進行方向に対してボールの前方が下に、後方が上に動くような回転を指します。
バックスピン回転は、それに対して進行方向に対して、逆回転のかかったボール。で、英語では、underspin shotsといいます。
そのため、ボールがやや浮きやすく、滞空時間を長くすることができます。
相手のコートにボールが届くまでに、長い時間をかけることができるということです。
例えば「ロブ」を打った時は、スピンは相手コートに刺さるように落ちていきますが、スライスはゆっくりと緩やかに落ちていきます。
バウンド後も、スピンは相手に向かってバウンドが強く弾むのに対し、スライスはバック回転が掛かっているため弾みません。
滞空時間を長くできるメリットは、自分の態勢を整えることができること。
バウンド後の変化は、相手のミスを誘うきっかけになります。
スライスが使えるとテニスの幅が広がる!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
【攻撃的】なショットも【守り】のショットどちらにも使える
ロブという守りのショットの顔もあれば、ドロップショットや刺すような鋭いスライスを打つこともできます。
スライスはプレーのシーンによって、同じフォームから臨機応変に打ち分けることができるのも魅力です。
同じスイングからどんなボールが来るのか予測が難しく、相手プレーヤーは苦労するでしょう。
スライスが上達すると、ボレーにも活用できる
上達してくると、ボレーもできるようになってきます。
グリップの持ち方や、面の当て方が似ているからです。
打感や細かなフォームのポイントが似ているため、ボレーにも良い影響が出てくる可能性が高いのです。
☆テニスが上手くなりたい方におすすめ↓
スライスのフォームのポイント
次は、具体的なスライスのフォームのポイントを確認していきましょう!
その前に…スライスの面の「開く」状態を間違っているかも?
スライスは、面を開いて打つショットであると聞いたことはありませんか?
その面を「開く」という状態についてですが、誤解をしている方が多いようです。
ラケットの面を上向きにするのが「開く」状態ですが、下の画像のように、ラケットをただ寝かせている状態を開くだと思っていらしゃるのでは?
画像のような形ではなく、これから説明する基本のラケットセットの形を作れるようにしていって下さい。
握り方は、コンチネンタルグリップ
まずはグリップの握り方から。
ラケットの握り方は『コンチネンタルグリップ』です。
画像を参考にして頂くと、分かりやすいかと思います。
コンチネンタルグリップの握り方については、ちゃんと握れておらず厚い握りになっている方が多いです。こちらの記事をお読み下さい。
ラケットヘッドは立ててセット!
ラケットは、ラケットヘッドを身体の軸の正面に立てて構えます。
利き手と反対の手は、ラケットのフレームを軽く握りブレないように支える感覚で手を添えます。
「しっかり」とラケットヘッドを立てておくことは、スライスに限らずテニスの基本の構えになります。
基本のラケットセットの形
グリップを握ったら、やや手首を後ろに倒します。(手首をコックした形※)
するとラケットの面が上を向くかと思います。
その形がスライスの基本のラケットセットです。この形をキープして打ちます。
この形は、スライスだけでなくボレーの時も同じ形です。
「手の平」の感覚と面を倒すことを意識するようにしましょう。
「手首のコック」とは何かわからない方は、こちらの記事をお読み下さい。
そのフォームを保ったまま、身体をフォア、バック左右に捻ります。
この時に、顔から身体の軸までがブレないように意識してみてください。
捻った際に、下を向いて首が曲がっていたり、身体を倒し過ぎて軸が曲がったりしないようにしましょう。
それと、手首が↑の画像のようにかえった状態になると力が入らなくなってしまいます。
こちらも気をつけて下さい。
「手首を後ろに倒して、面を上向きにセット!手首は返さないで!」
スライスのスイングからフォロースルーまでのポイント
身体を捻って、ラケットセットができたら、実際にスイングからインパクトをします。
ショットの基本的な流れは、
- ラケットセット
- スイング
- インパクト
- フォロースルー
以上のように分けることができます。
スイングは、グリップエンドから先行させていく
まずはスイング。
ボールに対して上からラケットが入っていくように、基本のラケットセットを保ったまま動かしていきます。
ポイントは、小指が先行するように押し出していくことです。
すると、自然とラケットの面がスライス回転のスイングができるはずです。
【フォアハンドの場合】
ラケット面が少し上を向いている状態を作ります。
小指(グリップエンド)から先行していくように。ラケット面は上を向いた状態になります。
【バックハンドの場合】
手の甲側が上になった状態で、小指(グリップエンド)から先行していき、親指が後から支えているようにします。
親指がしっかりと開いた面を支えたまま押した感覚を身につけると、押しの効いたスライスショットを打てるようになります。
インパクト時のラケット面はフラット気味に!
すーっと小指を先行させて流れてきたら、インパクト時にはラケットの面が縦にフラットになるように徐々に起こしていきます。
スイングからラケット面を起こすまでの流れがスムーズにできれば、勢いはそのままに自然とスライス回転が掛かります。
このインパクト時の面の角度によって、回転量を調整しスライスに変化を出していくのです。
寝かせた状態でスイングをすれば、面が上を向いているのでふわっと浮いたショットになります。
反対に面を起こして、しっかりと当てるように打てば、鋭いパワーのあるスライスになるというわけです。
この微調整の加減を、練習の中で少しづつ掴んでいきましょう。
フォロースルーは水平に前に押し出すように!
インパクトでボールの力加減やスピン量を調整したら、あとはフォロースルーだけです。
腰を回転させて、地面に対して水平にまっすぐ打ちたい方向へ押し出すようなイメージで打っていきましょう。
ここでしっかりと前に振り抜くことができれば、スライスに伸びがでていきます。
いわゆる重いボールと言われるものです。
低く滑るようなスライスは、スピンで打ち返すのもコツが必要なため、ミスを誘いやすいショットといえます。
そのため、フォロースルーをしっかりとって、伸びるスライスを打つんだ!という意識はとても需要です。
【ボールが飛ばない人】フォロースルーで手首が下がっている可能性大!
もしかすると中には、パワーが足りなくてボールが全然飛ばずに悩んでいる人がいるかもしれません。
スライスは、パワーはさほど課題ではありません。
正しいフォームで打てているかどうか、が重要なポイントになります。
ボールが飛ばずに悩んでいる人は、ラケットセット時の手首の角度を改めて確認してみてください。
今一度、先ほどの画像のような状態になっていないか、プレー中の自分の様子を思い起こしてみていただきたいと思います。
打ち終わったあとに「手首が返ってしまう」とラケット面が下に向いてしまい、かすれた当たりになったり、ネットにボールが当たったりしてしまいます。
面が安定しない原因となりますし、スライス回転もかかりません。
打ち終わりのチェックとして、ラケットの面はきちんと上に向けることができていますか?
正しいラケットセットができていないと、力が入らず面がぶれやすくなります。
そのため、手首を後ろに倒し動きづらくすることで、安定したインパクトを可能にしているのです。
ご紹介した打ち方は、一人でボールを上から落として打つ練習もできますので、ポイントを確認しながら身につけていくようにしていって下さい。
こちらは、フォアハンドスライスの動画です。
フォアハンドスライスは、あまり使うことはないかもしれませんが、バリエーションの1つとして使えるようにしておくと試合で多様な展開ができるようになります。
下の動画内では、河合校長が解説、デモンストレーションをしています。
ストロークの技術 フォアハンドスライスの基本練習 Tennis Rise テニス・レッスン動画
こちらは、片手バックハンドスライスの動画です。
両手バックハンドのストロークを打っている方でも、スライスは片手で打っている方も多くいらっしゃると思います。
片手バックハンドのスライスショットは、かなり使用頻度が高く、攻撃的な場面や守備的な場面でも使えます。
基本的な打ち方を身につけることで、そこからドロップやロブへの応用もできますので、まずは面の感覚を身につけるようにして練習をしていって下さい。
下の動画内では、河合校長が解説、デモンストレーションをしています。
ストロークの技術 片手バックハンドスライスの練習方法 Tennis Rise テニス・レッスン動画
スライスショットを使うメリットと4種類のスライスの打ち方については、こちらの記事もご覧ください。
まとめ
スライスショットのフォームを、もう一度おさらいしておきましょう。
ポイントは細かく分けると5つ。
- グリップはコンチネンタルグリップで握り、立ててセット
- 手首を軽く後ろに倒し、面をやや上向きにセット
- スイング時は小指を先行させるように
- インパクト時はラケットを起こし、フラット気味にインパクト
- フォロースルーは水平に押し出すように
以上を意識して、練習をしていきましょう。
スライスショットは、プレーの幅を大きく増やしてくれるショットです。
スライスを覚えることができたら、次はどのように使っていくかというゲームメイクを考えられるようになります。
そうなれば、あなたのプレーの幅は大きく広がっていくはずです。
安定したスライスを打てるように、日々練習を重ねていきましょう!