テニス スピン系サーブを武器にするためのポイント【動画有】
サーブは、プレーの勝敗を左右する、重要なショットです。
サーブが飛びすぎてフォルトしてしまったり、ネットしてしまうことが多い方はサーブに回転をかけることで安定してコートに入れやすくなります。
また、回転をかけたボールは打っているが、攻撃力やコントロールがいまいちと、頭を悩ます人も多いのではないでしょうか。
そうした回転をかけたスライスサーブやスピンサーブを打ちたい方のために、サーブに回転をかけるためにはどうしたら良いのか?
正しい体の使い方をして打つためにはどのようにしたら良いのかのポイントをお伝えします。
もっとスピンをかけた、勢いのあるサーブを打つために必要なのは
- 振り抜く正しい方向
- グリップの持ち方
- トスを上げる位置
- 正しいフォロースルーの形
これらを知っておく必要があります。
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この記事の目次
スピン回転のサーブ
こちらの記事では、回転をかけるサーブとして、トップスピンとスライスサーブの打ち方について説明していきます。
サーブの回転は打つ方向と面を意識
回転系サーブは打ちたい方向に対して、45度から90度の範囲で振り抜く
打ちたい方向に対して、まっすぐにラケット面を当てるとフラットにボールは飛んでいきます。
回転をかけたい場合は、打ちたい方向に対してボールの「真後ろ」を「45度~90度の範囲に振り抜く」ことで、いい当たりで回転をかけやすくなります。(右利きの方の場合)
打つ方向に対して、斜め前に振り抜くことで、スイングの動きの中で自然と回転を掛けることができます。
そのため慣れると、余計な力を入れずに、楽に打つことができます。
この「自然に振り抜ける」ということがポイントで、無理に振り抜こうとするフォームでは、力がうまく乗り切らずもったいないフォームとなってしまうのでご注意を!
どんなサーブにも共通する大事なポイント。
それが「打つ方向」と「面の向き」です。
この2つを意識しながら、練習します。
90度に近いほどスピンがかかるが、あたりが薄くなる
45度から90度の角度の範囲ですが、それぞれ特徴があります。
打ちたい方向に対して、90度の振り抜きをする場合は、回転量がもっとも掛かる打ち方になります。
回転量が掛かる分、前に振り抜く力は弱くなるので、パワーは弱くなります。
また、回転が掛かりやすくなるということは、相手コートに入りやすくはなります。
スピン回転やスライス回転を使うことでサーブが安定しますので、試合の際にはこちらを主としてフラットサーブを混ぜるという使い方で使ってみるといいですね。
45度に近くなるほどあたりが厚くなる
45度になると、今度は前に押し出すようなフォームに近くなるため、パワーが強くなります。
ラケット面にしっかりとボールが当たることを、「厚く当たる」といいますが、厚く当たることでボールがしっかり飛ぶようになるのです。
そのため、回転を掛けつつスピードのあるサーブを打つことができます。
フラットサーブの場合、回転がほぼ掛からない分、相手コートに入れることは難しくなります。
そのため、スピードは出しつつ相手コートに入れたいという時に、おすすめのフォームです!
スピンサーブは上に!スライスサーブは横に!振り抜く
スピンサーブとスライスサーブは、ラケットを振り抜く方向が違います。
振り抜く角度、範囲は45度から90度と同じです。
スピンサーブは上方向に振り抜き、スライスサーブは横に振り抜くようにしましょう。
スライスに関しては斜め前に振り抜く、という方がイメージしやすい方もいるかもしれません。
どちらのサーブを打ちたいのかで、振り抜く方向は意識して変えていきましょうね!
下の動画内では、河合幸治校長がサーブの回転のかけ方についての解説、デモンストレーションをしています。
サーブにスピンを掛けるなら、グリップを意識
サーブでスピンをかける際には、グリップの握り方も確認してください。
ラケットを振り抜く際も、グリップの握り方が間違っていると、正しく振り抜けていない可能性が高いです。
そのため、グリップの握り方はきちんと把握しておきましょう!
薄いグリップでサーブが打てるかがポイント
そもそも、スピン系のサーブを打ちたい!という前に、確認しておかなければならないことがあります。
それは「サーブが相手コートまで届いているか」ということです。
回転系のサーブは回転が掛かるため、フラットサーブのようにまっすぐ当てるようなサーブに比べ、ボールは飛びづらくなります。
そのため、今の時点で
- ボールが飛んでいない
- パワーが足りていないかも
という方は、まずはしっかりと相手コートにボールが届くように練習しましょう!
スピン系のサーブのグリップはバックハンドイースタン
しっかり届いている、むしろコートに収まらないのでフォルトして困っているという方は、グリップをバックハンドのイースタングリップで握るようにしてください。
バックのイースタングリップは、コンチネンタルよりもさらに薄い握り方で、回転系のサーブに必要な動きがしやすいという特徴があります。
コンチネンタルでも打つことはできるのですが、より回転量を加えたいという人は、バックハンドイースタングリップをぜひ試してみてください!
バックハンドイースタンの握り
薄いグリップはスピンがよくかかる
バックハンドイースタングリップがなぜ良いのかというと、
- 手首が返しやすいこと
- 手首の可動域が広がり、振り抜きやすくなること
以上の2点が主な理由となります。
手首が動かしやすくなるということは、振り抜きが素早くできるということ。
すると、インパクトとスイングにキレが生まれ、より強力な回転を掛けられるようになります。
そのため、よりスピンを掛けていきたい!という方は、グリップの握り方に注意して練習をするようにしてみてください。
サーブの回転を掛けるためのグリップの動画です。
下の動画内では、河合幸治校長が解説、デモンストレーションをしています。
良いサーブはトスがポイント
スピンやスライスサーブは、トスを上げるポイントもとても重要です。
トスの基本動作は、ボールを手の平全体で、ふわっと上げるイメージ。
そして、トスを上げたいポイントの天井には、かごがあるようなイメージでふわっとあげる。
この方法で、狙ったポイントにトスが上げられるようになっていれば、OKです!
トスは頭より前50㎝にふわっとあげる
スピン・スライスサーブのトスを上げる位置は、頭の前方50㎝あたりです。
この位置よりも、ボールが後ろ過ぎたり、前過ぎたりすると良くありません。
後ろ過ぎると、スピンは掛かりやすいのですが、重心が後ろになりボールが前に飛びづらくなります。
反対に前過ぎると、回転が掛かりすぎるためボールが飛ばず、ネットに掛かりやすくなってしまうのです。
トスの位置はできるだけ変えずに、振り抜きで調整
スピンサーブとスライスサーブは、ラケットを振り抜く方向が違います。
そのため、トスの位置も打ちやすいポイントに変えたくなるもの。
ですが、できるだけトスの位置は変えずに、打ち分けられるようになることをおすすめします。
プロのサーブフォームを見ると分かるのですが、サーブの球種がフォームでバレないようにしているんです。
相手プレーヤーに、フォーㇺを見て「あ、スライスサーブで来るな」と勘づかれては、先読みされて強烈なリターンが返ってくる可能性が高くなります。
そのため、「トスの位置は変えずに」打ち分けられるように練習しましょう!
スピンサーブなら上方向に!スライスサーブなら斜め前方向に!振り抜きましょう。
主なサーブの種類についての説明はこちらをどうぞ
ボールの側面を叩こうとしない
回転をより掛けようとした末に、ボールの側面をインパクトしようとする人がいますが、それは間違いです。
ボールの側面をえぐったあまり、回転だけが必要以上にかかり、威力の無いサーブになってしまいます。
サーブは基本的には、無理のないスイングで打つことが条件です。
無理に側面をえぐろうとする必要はなく、正しいスイングと正確なトスで、ボールの真後ろにインパクトできるようにしましょう。
後は振り抜く方向によって、スピンなのかスライスなのかを打ち分けるようにすればOKです!
下の動画で、河合幸治校長が回転系サーブのトスの位置と体の使い方についての解説とデモンストレーションをしています。
回転系のサーブは、ラケットヘッドを振り抜く
より強力な回転系のサーブを打つためには、「ラケットへッドをいかに無駄なく振り抜けるか」がポイントです。
回転量は、ラケットの振り抜きの良さで決まります。
そのため、いかにラケットヘッドを振り抜くことができるかが、サーブの良し悪しを左右します。
インパクト直前に肘を止めて、ラケットを振り抜く
ラケットを振り抜くためのコツは、2つあります。
1つ目は画像のように、インパクトをする前に肘を固定するということ。
インパクト前に肘を固定することで、肘が起点となりさらにラケットヘッドが加速します。
すると、しなるムチのようにスイングスピードは上がり、回転量もパワーも上がるんです。
振り抜いた後のフォロースルーは、自分に親指が向く
そして、インパクト後は自分の腰の位置まで、しっかりとラケットを持ってくることも重要です。
画像を見て頂くと、分かりやすいかと思います。
腰へフォロースルーをする際は、自分の身体に(内側)親指が向くようにします。
そうすると、自然と「インパクトした面が内側に向いている」かと思います。
ココがポイントです。
内側に向いているということは、「ラケットヘッドを返すことができている」ということです。
そのため、ヘッドスピードをあげることができるのです。
回転量をあげるには、インパクトからフォロースルーまで、できることは多くあるんです!
すぐに全てを取り入れることは難しいかもしれません。
ですが、これらができるようになれば、あなたのスピン・スライスサーブはさらに強力な武器になります!
回転系サーブに伸びを出すコツについての動画です。
下の動画内では、河合幸治校長がデモンストレーションしています。
まとめ
今回は、スピンサーブ・スライスサーブをより強力にする方法を、ご紹介しました。
ポイントが多く、頭がパンクしてしまう!という方もいると思いますので、あらためてここにポイントまとめておきます!
【より強力なスピン・スライスサーブを打つためのポイント7つ!】
- ラケットを振り抜く方向は、45度から90度!
- スピンサーブは上方向に!スライスは斜め前に振り抜く!
- グリップは薄く、イースタングリップがおすすめ!
- トスの位置は前方50㎝、なるべく位置は変えずに打ち分けよう!
- インパクトはボールの真後ろを!側面はえぐらないで。
- インパクト前は、肘を固定して!
- ラスト!は腰の位置まで親指を内側にむけてフォロースルー!
以上です!
サーブは複雑な動きの多い、難しいショットです。
ですが、こうしてひとつずつポイントを分解して、練習していくことで上達していきます!
焦らずに、それぞれのポイントを的確に押さえていきましょう!