テニスフォアハンド 厚いグリップに変えて攻撃的に打つ!【動画有】
現代テニスのストロークは、速く、強く、重くなってきています。
長くテニスをプレーしているご経験の方で、当たり負けしているというならば、フォアハンドストロークのグリップを変えてみましょう。
イースタングリップからセミウエスタングリップへ。
これまでの薄い握りから厚い握りに変えるためのポイント、練習方法をお伝えします。
「コアスイング」を使うと効率のいいストロークが打てます!>>> 少ない時間でも上達するテニスの磨き方
安定したフォアハンドストロークの条件
長くテニスをしてきて、ストロークは安定はしていると思っていたのに
最近、若い子とストロークラリーをしていて、どうも相手のボールに押されてしまう。
当たり負けをしてしまうと思っていませんか?
以前からテニスを続けていた方は、ラケットのグリップが薄く握っているタイプで
いらっしゃるかもしれませんね。
ストロークを安定させるためには、とにかくしっかりした打球面の安定を作る
必要があります。
ボールとラケット面がコンタクトする時に、どうしたら安定できるか?
このコンタクトポイントが安定する条件は、グリップが変わっても同じです。
安定には、3つの条件が必要です。
1. 面の向きが、コート(地面)に対して垂直。
2.手首を背屈させる(手の甲側に折り曲げる)
腕に対して、ラケット面が直角に近い形を作ることで
ボールがラケットに当たった時に、影響されにくくなる。
手首が伸びていると、打球時の衝撃で不安定になる。
3.肩よりも肘が前にあること。
肘が肩よりも後ろにあると打球時の衝撃にラケットを支えられずに不安定になる
手首の形については、こちらの記事をどうぞ
セミウェスタングリップの打点
今回の記事では、フォアハンドストロークで薄い握りから厚い握りへと
変えて攻撃的に打つことができるためのポイントや練習方法をお伝えします。
現在、多くのプレイヤーの皆さんのストローク時のグリップは、下の3つに
収まっていると思います。
[薄い]
↓・イースタングリップ(打つ面と手の平が同じ向き)
↓・セミウエスタングリップ(イースタンとウエスタンの間)
↓・ウエスタングリップ(地面に置いたラケットを上から握る)
[厚い]
上から下へ行くにつれて、厚い握りになります。
この3つのグリップであれば、どのグリップでもどのようなボールに対しても
上手く打てると思います。
イースタングリップは、どの球種もそれなりに打つことができ、また打つ面と手の平が同じ方向
になるため打球のイメージがしやすく、テニス初心者におすすめの握り方となります。
セミウエスタングリップは、いま最もポピュラーであり
フラット系もスピン系のストロークも打ちやすい握り方です。
ストローク時に強いボールにも負けにくくなり、また強く振っても、ボールに回転がかかるため
安定してボールをコートに収めることができます。
グリップを変えると打点が変わるので、グリップを変えるとしばらくは、
慣れるのに時間がかかると思います。
けれども、グリップを変更することによって、より打ちやすくなることがある
のは事実です。
攻撃的にストロークを打っていきたいと思っているならば、
セミウエスタンを試してみてはいかがでしょう。
イースタングリップとセミウエスタングリップの打点を比較してみると。
イースタングリップ
打点位置は、体の近く。前より横に近い位置になります。
相手のボールが強くなれば、それだけ弾かれやすくなります。
セミウエスタングリップ
厚く握ることでラケット面が、より地面を向きやすくなってきます。
そのために、ボールを抑えやすくなります。
打点位置は、体から離れた前になります。
この位置で、脇を軽く締めることで、肩を支点として後ろから打球面を支える力がアップします。
イースタングリップでは、体から遠いボールを打ちやすく、体に近いボールは打ちにくくなります。
一方、セミウエスタングリップは、イースタングリップに比べるとトップスピンがかけやすく、
高い打点でボールを打ちやすくなります。
また、体から遠いボールは打ちにくく、体に近いボールは打ちやすくなります。
これまで薄い握りであった方であれば、セミウエスタングリップの打点を
「近めの前」に取ることを意識してみて下さい。
下の動画では、イースタン、セミウエスタンのフォアハンドによる
ストロークの打ち方が対比できます。
セミウェスタングリップの打ち方
フォアハンドストロークのグリップが厚くなるにつれて、「前への押し」
で打つというよりも、体を回転させてそれに伴って、ラケットヘッドが
自分の体の方に返っていく打ち方になります。
ラケットヘッドが返るのは、フィニッシュで手の平が打球方向に向く
「パームアウト」の動きが自然に行われるからです。
(ワイパースイングという言い方もあります。)
体の回転に合わせて、下から上へ向かってスイングをするようにしましょう。
トップスピン回転が打ちやすくなっているはずです。
セミウエスタングリップトップスピンストロークを打ちたいと思っていらっしゃる方はこちらをどうぞ
自分にとって適正な打点を把握する
グリップが変わることで、打点も変わります。
打点を前に取ろうと意識すぎて、
腰が置いていかれる前のめりの姿勢となっては、打球時にラケットの垂直面を維持できません。
また打点が横に遠くなってしまっても、
打球面を支えきれなくなってしまいます。
自分にとっての適正な打点位置は、どこかを知るためのセルフチェックを行ってみましょう。
テニスコートであれば、ネットやポール(支柱)を使って自分の力がどこであれば入るか
を確認することができます。
垂直な面があればいいので、ご自宅の壁などでもチェック可能です。
同じ場所に立って、イースタンとセミウエスタングリップで握った場合の比較を下の画像
のようにしてみてください。
●ネットに対してラケット面を並行(コートに対して垂直)にし、面を密着させて
真っ直ぐの面のまま前方に押す
イースタングリップで打つ時と同じ場所では、セミウエスタングリップでは
ちょっと面が負けてしまっている感じがすると思います。
そこで、立ち位置を横を近く、打球面からは後ろへ移動してみてください。
そうすると、力負けしない感じが得られるはずです。
練習方法
その感覚を得られたら、その打点に対して軽くスイング動作を繰り返して
垂直な打球面を作れるようにしていきましょう。
この練習でも、先ほどの3つの条件を満たすことを思い出してください。
1. 面の向きが、コート(地面)に対して垂直。
2.手首を背屈させる
3.肩よりも肘が前にあること。
手首の柔らかさには個人差がありますので、手首が少々伸びた状態になる方も
いらっしゃると思いますが、背屈できていればOKです。
ボールに対して、真後ろから手の平で押す感覚です。
上の画像を基本として、手首の違和感がない距離感や角度を作ってみて、
ラリー中でも、面を安定させることのできる自然な状態で背屈を維持できる
ようにしていってください。
イースタンからセミウエスタンになると、下の画像のようにラケット面が
下向きになり、ネットしやすくなってしまいます。
このようになった場合は、小指の向きを上に開くことで面が上向きになり
やすくなります。
そこを意識して打球時に面が垂直でボールを後ろから真っ直ぐ押せる感覚を
つかめるように体に覚えさせていってください。
こちらがテニスの学校 河合校長による厚いグリップに変えるための解説と練習方法の動画です。
セミウエスタングリップの握り方がよくわからない、打ち方がよくわからないという方はこちらの動画もどうぞ
まとめ
今回のストロークグリップについては、これまで薄く握ってきたプレイヤーさんに対してのものでしたが、ストロークが安定していない初心者や初中級者にとっても参考にしていただけるかもしれません。
打点で、面を安定させることで、相手のボールに打ち負けない、攻撃的にボールを打つために重要なことです。
ストロークの調子が崩れている時にも、ちょっとした壁があれば打点のセルフチェックをすることができます。
まずは、打点を意識してグリップに慣れていき、練習していってください。
セミウェスタングリップに変わることで他にも、高い打点が打ちやすくなったり、コンパクトなスウィングにしやすいのでスイングスピードを上げやすい色々やれることが増えてきます。
トップスピンで返球したいという方なら、握り方を見直しみては?