テニス イメージトレーニングで強くなる!【動画有】
テニスをしたいけれど、できないという時に「イメージトレーニング」を取り入れるのはいかがでしょうか?
実際にボールを打てない時って、ありますよね。
天気が悪い、コートが取れない、相手がいない、体がテニスをできる状態でない。
実際にテニスができない時にも、頭の中なら場所や時間、環境などの成約を受けずにすることができますね。
テニスを上達させるために、非常に効果の高い「イメトレ」の方法についてお伝えします。
この記事の目次
イメージトレーニングとは
「イメージトレーニング」という言葉を聞いたことはほとんどの方があると思います。
「イメトレ」と省略しての呼び方もありますね。
「デジタル大辞泉」による説明は下記のようになっています。
1 スポーツで、体を実際に動かすことをせず、頭の中で動作を考えて、その正しい運動動作を学習すること。
2 ある事柄について、起こり得る場面、場合、対処方法などを、頭の中で考え、慣れておくこと。
テニスについては、この説明のどちらにも当てはまります。
1は
- 新しい技術(スキル)の習得
- フォームの矯正と改善
2は
- メンタルの安定
- 自信と意欲の向上
- 競技パフォーマンスの向上
- 戦術の理解を深める
といった意味合いのものとして定義されています。
「なぜ、実際に現実にやっていないのに?」と思われるかもしれませんが、実は、イメージトレーニングの有用性は脳科学的に証明されています。
というのも、脳は「実際の経験」と「頭の中で鮮明に描いたイメージ上の経験」を区別したり、認識することができないと考えられています。
たとえば、半分に切ったレモン、切り口からは果汁が滴り、香りが広がる…
と鮮明にイメージしてみてください。
つばが口の中にわきあがることがあがってきませんでしたか?
実際にレモンを食べている時と同じように、脳からの指令で唾液が分泌されているのです。
レモンの例と同じことがイメトレでも起きています。
想像上の経験でも、実際の経験でも脳は同じような領域を使って情報処理を行います。
イメトレを行った回数だけ、実際に体験してものであると脳は認識してしまうということなのです。
「脳は、現実と想像を区別できない」
イメージトレーニングの言葉がない頃の話ですが、イメトレのなしえたすごい実例を紹介します。
1984年ロス五輪で、日本男子体操界3人目の個人総合金メダルに輝いた具志堅幸司選手。
1アキレス腱断裂で3ヶ月の入院生活でイメージトレーニングと上半身のトレーニングをくり返し、退院直後の練習で、入院前にはできなかった技を演じることができた。
2個人戦の会場へのバスの中で、イメージトレーニング。頭の中で、演技が成功したあとの点数、その後日の丸が真ん中に掲げられるイメージが浮かび、これに感激して涙を流してしまった。
というのです。まさに、イメージトレーニングの2つの定義に当てはまりますね。
プロのアスリートやスポーツ選手で、「イメージトレーニングをしない」という人はいない
と言われています。
大会に参加するような一般プレイヤーならば、イメトレを使わない手はありません。
「テニスが上手くなりたいのなら脳(イメージ)を使いましょう!」
では、次にどのようにイメトレをしていくのが良いのかを説明していきます。
イメージトレーニングの5つのポイント
イメトレを成功させるためには、
脳内で描くイメージのリアリティをどんどん高めること。
が重要です。
頭に思い浮かべる程度ではなく、実際の動きをリアルに細かくイメージすることで、
イメージと同じように行動できるようになります。
実際に現実のものとして感じるためのポイントとしては以下の4つです。
- 自分目線のイメージと第三者目線のイメージを共に持つ
- 五感全てをフルに活用してイメージする
- 感情豊かにイメージする
- リラックスした状態でイメージする
1.~3.のポイントは、この後詳しくご説明いたします。
4.については、脳の特性として興奮状態ではなかなかイメージが浮かばないので
「リラックス」した状態でしたほうが効果的であるということです。
最初は、自宅などの落ち着いた空間で行うようにしてください。
実践するための4つのポイントをご紹介しましたが、実はもっと重要なことがあります。
どういう意識でイメトレをするかということが1番のポイントです。
これが本当のイメトレの目的であるともいえますが、
現実を変えるためにイメトレを行うという意識を常に持って行うということ。
明確な目標設定に向かって、進めていきましょう。
この目標設定については、のちほど詳しくお話いたします。
技術習得のため
テニスのショットなどの技術を身につけるためのイメトレには
「自分目線のイメージと第三者目線のイメージを共に持つ」
「五感全てをフルに活用してイメージする」が重要なポイントです。
また体操選手の例となりますが、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ五輪で
個人総合金メダルに輝いた内村航平選手は頭の中で鮮明にイメージが描けているそうです。
並外れたイメージ力で「どこの筋肉がどう動いて、今自分はどういう状態か。」
一人称視点でとらえることができるというのです。
エピソードとしては、鉄棒の技で「コバチ」という技を14歳の頃、ビデオで繰り返し見て
そのイメージを見たまま鉄棒に向かったらすぐにできてしまったそうです。
複雑な動作をリアルにイメージするというのは、イメージする動作が複雑になればなるほど
簡単ではありません、相当の集中力も必要です。
この一人称のイメトレは繰り返し行うことで、実際に体を動かして練習しているのと
同じような効果を得られることが脳科学の実験でも証明されています。
2.その後Aグループは一日20分の練習、Bは何もしない、Cはイメージトレーニング(体の動きや手首の角度などかなり詳細なもの)のみを一日20分。
3.20日後にもう一度フリースローの能力を見る。上達度はそれぞれ24%、0%、23%となった。
という結果がみられたのです。
けれども、こうした一人称の視点を持つというのは、一般人には難しく、
通常は三人称の視点でとらえやすいものです。
あなたも自分のプレーをビデオやスマホで撮影するということはやっているかもしれませんが、
再生した画面を見るときのようにイメージをするということです。
この自分目線(内的イメージ)と第三者の目線(外的イメージ)を使い分けて、トレーニングを重ねていきましょう。
次のようなステップで行うと成功の確率が上がります。
- 自分が真似をしたい理想のプレーを見て、外的イメージを作る。
- 第三者の目(コーチのアドバイスや撮影したものの再生)で動きを修正しながら練習する
- 自分が上手くいった時の感覚を内的イメージとするように、イメトレを重ねていく。
テニスライズのYoutube動画、「テニスの学校」でアップしている動画、解説を理想のプレーとして活用していただけると嬉しいです。
さらに、イメトレのレベルアップを目指すには、「五感」を活用することです。
経験のないことをイメージするのは難しいので、過去の経験のピースをつなぎ合わせて、
その時に感じた細かな体の感覚を最大に使ってイメージを鮮明にしていきましょう。
さらに、その時の感情までイメージできるようにすることも重要です。
「こんなフォアが打ちたい!」というイメージがあれば再現できるように毎日、繰り返していく継続していくことが重要です。
イメトレは、集中力をかなり必要とするので、短時間で集中して行うと効果的とされています。
「一日5分」を継続してみてください。
試合で勝つため
本番や試合で力を発揮するための「メンタルリハーサル」としての意味合いで行うイメトレです。
ふだんの環境とは違う試合環境に入るだけで緊張してしまい、本来の力を発揮できなくなってしまうことがあります。
事前に、実際に試合会場へ入るまでから、試合が終わるまでの流れをイメージしておきましょう。
会場への道や会場の様子、試合の準備、試合開始、試合の流れなどを様々な場面をイメージしてみてください。
事前の想定したプランを作って、主観的、客観的に本番をイメージしてみましょう。
「現実離れした理想のストーリー」ではなく、その場面で実際に起こりそうな「いい状況」も「悪い状況」もしっかり想定して行います。
そうでなければ「使えるイメージトレーニング」にはなりません。
試合の流れは、本番で対応できるようにピンチやチャンスなど様々なパターンを考えて。
想定外のことが起こっても、迷うことがないように。
何度もリハーサルをしておきましょう。
多くの人が失敗をイメージしてしまったときに、本当にそのとおりに失敗してしまったという経験をしています。
たとえば、「サーブがネットの低い位置に飛んでしまった、次のセカンドサーブもネットしてしまいそう…」
なんてイメージしたことはありませんでしたか?
結果は、自分のイメージしたとおりになるものです。
いい結果を求めてのイメトレですから、ゴールはプラスの感情と結果で
終わる必要があります。
大会へのイメージ作りには、こちらの記事も参考にどうぞ。
目標を持って
イメージトレーニングについて、具体的なやり方をここまでご紹介してきました。
イメトレを取り入れようと思っているくらい、真剣にテニスに打ち込んでいらっしゃるあなたに。
さらにお伝えしたいイメトレの最終段階。
それが「目標設定」です。
過去から現在、そして未来へとつながる自分の姿をイメージトレーニングしてみましょう。
そのイメージがやる気を高め、目標達成に向けた行動力を高めてくれるはずです。
上手くできずに辞めてしまう人と楽しくなりそうと感じ続けていく人がいます。
実際にプレーしている自分と、理想の自分を重ねてガッカリしてしまうことはありませんか?
自分の思っていたプレーができない・・・
なんで自分だけこんなに下手なんだ・・・
そんな風に感じている方も多いかもしれません。
どうしてもネガティブなことを考えがちになってしまいますが、
そのネガティブなイメージがあなたにもたらすものは何もありません。
ポジティブな気持ちで行えば成功の確率は高まるはずです。
最初の上手くできない!・・と言う思いは、言ってしまえば原動力です。
上手くなりたいという欲求にも繋がっていきます。
自己満足と思われてしまうかもしれませんが、実は自己満足をするということもとても大切なことです。
ポジティブなイメージを最初は目指してみてください。
上手い自分をぜひ、たくさんイメージしてください。
そしてその上で、失敗を繰り返して欲しいんです。
あなたの可能性を信じ続けてください。
つまらないと感じた時ほど、上手くなっていく自分をイメージしてみてください。
そうすると自然と体は動いていくものです。
誰かに負けてしまい悔しいということがあれば、その誰かに勝ったイメージをしてみてください。
常に自分の可能性を信じ続けることが大事なんだと覚えておいて欲しいんです。
目標設定は、人生のイメージトレーニングです。
脳はイメージに在ることを実現しようと行動を促すようになっていますので、
良いイメージをすれば良い行動に、悪いイメージをすれば悪い行動になるのです。
なりたい自分に向かってのプロセスを具体化して、チャレンジしていきましょう。
目標の立て方については、こちらの記事をどうぞ
番外編
最後に番外編、こんなイメトレもあるよという紹介です。
体を動かしたい!「エアラリー」
狭い部屋の中でも、相手がいればラリーができます。
エアーラリーなら、どんなショットも自由自在。
新型コロナウイルスの影響でテニスの試合が行われない中、ITF(国際テニス連盟)の公式Instagramにアップされていた動画を紹介します。
VRを活用して
一流選手の行うイメトレレベルが簡単にリアリティーを持ってできてしまうのが
VR(仮想現実)の活用です。
VRの技術をスポーツのトレーニングで使う事例や開発が進んでいます。
テニスでは、まだ実際の活用例というのが見つけられなかったのですが
プロ野球の楽天イーグルスや横浜ベイスターズでは、トレーニングに活用しているそうです。
テニスでも、NTTが「VR&触覚技術」により、まるで錦織選手と 同じテニスコートに立って
サーブを打ち返したかのような 感覚を体験できるシステムを開発しました。
下の動画にありますので興味のある方はご覧ください
今後は、モーションキャプチャーとの連動でテニスの技術習得にも活用されるようになっていくのかもしれませんね。
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まとめ
イメージトレーニングは、場所も時間にも縛られることのない、スポーツを上達させる上で効率的なものです。
正しいイメトレを行うための5つのポイントをご紹介しましたので、きちんと効果を上げることができるように取り組んでみてください。
いつもテニスのことを考えてしまうという方は、イメトレを活用してみては。
1日5分のすき間時間でも上手くなれるチャンスです。
イメトレの力をテニス上達の目標実現に役立ててください。
【一人練習、家トレについてのこちらの記事もどうぞ】